我が家の問題

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714128

作品紹介・あらすじ

どうやら夫は仕事ができないらしい。-あなたの家にもきっとある、ささやかだければ悩ましい問題。

感想・レビュー・書評

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  • それぞれの家庭が抱えている問題を6遍の
    短編にした作品。

    〈甘い生活?〉
    田中淳一は、新婚二ヶ月目だと言うのに、家に帰りたくない。

    〈ハズバンド〉
    井上めぐみは、合コンで知り合い、結婚した夫が、実は仕事ができない、お荷物社員だとわかった。

    〈絵里のエイプリル〉
    高校3年の浜田絵里は、両親が離婚したがっている事を知った。

    〈夫とUFO〉
    専業主婦の高木美奈子の夫、達夫がUFOを見たと言い出した。しかも、最近は交信も出来ると言う。

    〈里帰り〉
    新婚の岸本幸一・沙代夫婦は、結婚して初めてのお盆休みに、それぞれの実家に帰省することになった。

    〈妻とマラソン〉
    小説家の大塚康夫の妻・里美が、ランニングにはまった。

    みんな悩んで、前向きに解決していく姿がいい。

  • さまざまな家族の物語
    ちょっとした変化
    短編集

    どこ家族にも大小さまざまな事件や変化があるんだろう
    「里帰り」が個人的には好き
    「妻とマラソン」は泣けた
    図書館本

  • (ハズバンド)(里帰り)の2つが特に好きだった。
    著者の人柄なのか、どのお話しにも視点の優しさを感じた。

  • 大好きな我が家シリーズ 第二弾。読む順序が逆になってしまったが、そんなことどうってことない

    なんだろう?
    この読後感のほんわかとしたあったかい気持ちは

    とりたてて大した事件が起こるわけでもないが、おもしろく、楽しい
    「我が家の問題」といいつつ、大した問題ではない。どこの家にでもあるささやかなドラマ
    家族のために一生懸命考え、何とか力になりたいと考えている姿がとてもいい

    どうやら夫は会社で仕事ができないらしいと知ってしまった妻は、夫の何が足りないのだろう、会社で一人さみしく昼ごはんを食べているのではないか、妻の自分にできることは何かなど考え巡らせ、さり気なく考え尽くされた弁当を持たせることに
                      「ハズバンド」

    UFOと交信したという夫、気が触れたのではと心配する妻何とか現実の世界に引き戻そうと悪戦苦闘する
                       「夫とUFO」

    そして、我が家シリーズの最後は、お決まりの作家大塚家の話でしめられる

    毎回これが一番のお気に入り
    今回は、「妻とマラソン」
    ロハスやエコ活動に夢中だったがその活動もいつしか自然消滅し、今はひたすら川沿いの緑道をランニングしている妻がひょんなことから東京マラソンに出場することに

    双子の息子と一緒に神様に祈るような気持ちで応援する夫の目がただひたすら優しくて、ジーンとくる
    息子も思春期になり、一見バラバラに見えた家族がギュッと結束する 

    私も夫に対して、もう少し優しくならなければなどと柄にもなく反省してしまった

    しばらく奥田英朗さんから離れられそうにない


  • 再読

    様々な夫婦、家族の問題が描かれていて
    全く同じではないけれど
    自分の家庭も色々あるので
    少しずつ共感できて、ハラハラできて
    ホッとできた。

    特に「妻とマラソン」
    奥さんの行き場のない孤独の向かった先に
    家族からの理解と応援があって
    うるっとした。

  • 家庭・仕事の問題・悩みに直面した家族が悩んだり迷ったり、周りの人に相談したりしながらその問題を乗り越え絆を深め、一歩前に進んでいく話、全6話。

    第5話の『里帰り』と第6話の『ランニングと妻』が好き。
    第5話は、新婚夫婦が結婚後初のお盆にお互いの実家に帰省するべきかという悩みに直面。親・会社の同僚の意見も聞くが、ちゃんと2人で話し合い、本音なら海外旅行に行きたい気持ちを抑え、親・親戚のことを考え帰省。
    結果的に義理の両親、親戚とのコミュニケーションを重ね、絆を深めていく姿に懐かしさを感じた。

    第6話の、ランニングに打ち込む妻は有名小説家の妻。近所の専業主婦から羨望や僻みを受け、孤独な日々を過ごしているが、マラソンにハマり、その妻のためにと夫が東京マラソンへの参加を提案。
    息子2人も協力して無事完走を目指す過程は家族の温かさ・絆を感じ、心がほっこりした。

    どこの家庭もいろんな些細な問題や悩みがあって、不安になったり迷ったりするけど、ちゃんと向き合って、家族を信じて共に乗り越えて絆が深まっていく様子が元気をくれ、家族・夫婦っていいなと思った。

  • 両親が離婚を考えているんじゃないかと悩む高校生、夫が実は会社では仕事出来ない使えないやつとバカにされているのではないかと心配する妻、等々、大いに悩んで右往左往する家族の有り様を描いた短編連作。『ガール』を読んだときと同じ感じで面白い面白いと夢中でどんどん読みました。ドラマ化されていたみたいです。UFOと交信する夫を労る妻の話が特に秀逸でした。シリーズとして続いているみたいなので他の作品も詠みたいと思います。

  • どんな家庭でも、他所からはわからない問題が大なり小なりあるんだろうな。そんなそれぞれの我が家の問題を取り上げた短編集。「甘い生活?」や「里帰り」などは共感するところがある。最後の「妻とマラソン」は家族が一致団結して母のマラソン完走を、応援する姿が素敵だった。

  • 平成の夫婦関係、家族関係を描いた6編の短編集。

    2011年刊行ということで、現代には少ないタイプのお父さんや会社員がいて、懐かしく面白かった。

    特に妻とマラソンという最後の短編が、面白かった。
    ベストセラー作家と専業主婦の妻。
    専業主婦の妻が、夫にも遠慮がちになり、普通の主婦の仲間とも話が合わなくなり、孤独を募らせる中、マラソンに打ち込んでいく。その妻の姿を見て、年頃の息子たちをふくめて、妻を応援してまとまっていく。

  • 家族のあるある。読みやすい。特に里帰りとハズバンドが好き。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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