柿のへた 御薬園同心 水上草介

著者 :
  • 集英社
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714203

作品紹介・あらすじ

草花の知識と記憶力を生かし、薬草栽培、生薬の精製につとめる、のんびりやの小石川御薬園同心・水上草介。剣術道場に通うお転婆娘・千歳にたじたじとなりながらも、揉め事を穏やかに収め、成長していく姿を生き生きと描く連作時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    小石川御薬園は、薬草栽培と御城で賄う生薬の
    精製をする幕府の施設だ。
    水上草介は、二十歳で水上家の跡を継ぎ御薬園の同心を賜り、
    二年という青年同心。
    そんな草介のもとへ、悩みを抱えた者たちが訪れるーー。


    人並み外れた草花の知識を持つものの、
    のんきに植物を眺めているのが好きだという
    のんびりした性質の上に、どうも人より反応が一拍遅い。
    おまけに手足がひょろ長く、吹けば飛ぶような体躯の為、
    『水草さまぁ』と呼ばれているが意に介さない。
    皆に親しまれているんだなぁ。
    御薬園の中で穏やかに日々が過ぎて行く。
    緑が匂い立つ様な、草花やせせらぎが浮かぶ様な
    その穏やかさが、とっても気持ち良い。
    それでも、揉め事は起きるもので、その難事を
    草介が草花の知識をいかして収めていく。
    草介の植物に向けられる愛情も微笑ましく、
    植物についても、解り易く説明されている。
    今も、耳にする名前や効果も多く登場し、
    うわ~江戸時代から繋がってるって思うと凄いって思った。

    御薬園を預かる芥川家のお転婆娘・千歳との関係も微笑ましかった。
    全く、異なる様な二人だけど、芯には同じ優しさに溢れている。
    二人のこれからが、とっても気になります。
    緩やかな時間と、優しさに満たされていて気持ちが和らぎます。
    穏やかで、優しい気持ちになれました。
    続編が出ているとの事。読むのが楽しみ♪

  • ひょろっとした「植物系」な同心の水上草介は、「水草」様と御薬園の皆に呼ばれている。江戸の薬草もの日常の謎系ミステリ。面白かったー。いかにもっな感じのツボついてくれる。しかも、ツンデレ男装少女あり。いや、これは「ツンデレ」って言葉知ってていれてるよねっ?というくらいいかにもなツンツンっぷりでした。そして、水草様ののほほんぶりもたいしたものです。大物ですな。話のネタも日常の謎あり、ミステリっぽい話あり、人情ありでいい線ついてる。ぜひシリーズものにしてほしい。

  • 薬草がテーマの連作時代小説。シリーズ3冊中の1冊目。
    主人公が小石川御薬園同心というのが新鮮で、目立たないところでこういう薬草栽培の仕事が連綿と継がれてきたのだなと思うと御薬園の様子自体がすごく興味深いし、なんといっても主人公「水草さん」がいい。頼れるのだけど、心底植物が好きで穏やかでのんびり、いや、ぼんやりした人物なのでで読んでてとっても和む。柿のへたの煎じ薬は知らなかったな。
    小石川植物園にいつか行ってみたい。

  • 小石川御薬園同心のおはなし。さわかやミステリーだった。

    しかしヒロインがいらいらしてちょっと…集中をそがれた…

  • 水草さまの、植物を愛し、マイペースながらも自分の目で見て、地に足つけて考える姿が癒される。

  • 薬園が職場の同心、ややスローな水上草介を中心に九つの話が展開して行く。切った張ったは無いけど地味で粘り強く性根に似合った道を歩み続けるストーリーは渋くて面白い。

  • いいですねぇ。
    ちょっとした謎解き?もあり。
    ゆったりした感じが

  • 主人公の水上草介さんがとっても素敵。水草ってあだ名がしっくりくる。こんな人が周りにいたらほんわかしていいな。千歳さんも好き。ふたりがうまくいってほしいなぁ。

  • 本物の草食系男子登場!?
    ほのぼのとしているけど、植物が絡むと本領発揮。
    千歳さまに振り回されているのが、気の毒です。

  • やきもきさせられっぱなし。
    朴念仁の鈍感にも程がある。
    時に「わざとやっているのか」とも思わせる。
    心を弄んでいるようにも感じた。
    千歳は大変な人を好きになったもんだ。
    さっさと幸せになれい。

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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