小説を、映画を、鉄道が走る

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 66
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714234

作品紹介・あらすじ

『砂の器』『飢餓海峡』『東京物語』…車窓の彼方に見つけた小説の魅力、映画の愉楽。旅と物語が出会う、至福のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 鉄道が出てくる映画・小説・漫画を取り上げ、それらについてのびのびと語る。取り上げられるのは国内の鉄道に関するものがほとんどで、海外のものは出てきてもタイトルと大雑把なあらすじを出すに留めてある。

    私は鉄道の旅が好きで、この本の著者である川本さんと同じように、電車に乗るだけで、車窓からの風景を見るだけで、わけもなくわくわくしてしまうような人間である。
    流れる景色、近づいては遠のく自然と街並み、出会いと別れ、時代と感傷……鉄道はさまざまなものを乗せ、つなぎ、そして運ぶ。
    日々の移ろいの中で息づいている、あるいは見知らぬ土地へと自身を運んでくれるこの大きな乗り物は、一体物語の中でどう描かれているだろうか?

    鉄道が持つ抒情を丁寧に、そして軽妙に描いており、とても読むのが楽しい本だった。
    読みたい本や映画がたくさん出てきて、実際私はこの本を読んでいる間、鉄道で愛媛の松山へ旅行に出かけてしまった! また、林芙美子と島田荘司の本を図書館で借りてきてしまった。

    川本三郎さんはいいお仕事をされるなぁ、と思う本だった。
    こういう、「文筆作家」さんと言えばいいのだろうか、そういう肩書きの、いい文章を書く人がおられるのは、ありがたいし豊かなことだなぁ、と思う。
    「物語(フィクション)」を書く作家さんの存在だってもちろんありがたいのだが、「味わう喜び」を書いてくれる人がいるというのも、とても贅沢なことだと思うのだ。

  • 鉄道の旅に行きたくなる本です。

  • 小説を読んだり、映画をみたりあまりしないのですが
    (図書館員のくせに…)
    小説や映画に表されている叙述的な文章や風景を、
    うまく取り上げていて、
    「自分も行ってみたい」と思ったり、
    「こんな時代だったんだ」と感心したりしました。

    読み応えのある1冊でした。

  • 小説や映画に登場した鉄道の風景を夜行列車、弁当、森林鉄道、戦争、路面電車等のテーマでエッセイにしている。実際に取り上げる鉄道の現場(廃線になっている場合が多い)を丹念に訪ねているのと、映画と小説への幅広い目配りに著者の鉄道への愛着が良く現れている。

  • 川本さんの本を読むと、あれもこれも読みたいものが増えて困る。
    再度、ゆっくり読みたい本。

  • 松本清張、林芙美子(放浪記)、内田百間、水上勉(飢餓海峡)

  • 感想未記入

  • 好きなこと書いて金になるとは良きかな。
    路面電車の箇所はいじましく不要。

  • いわゆる「乗り鉄」による、小説や映画をベースにした鉄道にまつわるお話。変わりゆく鉄道には哀愁がありドラマがある。ひとり呟くような文章が雰囲気を出している。紹介された小説を読んでみたくなる、駅や町に行ってみたくなる。地元が寂れたローカル線として紹介されることは複雑な気持ちだが、素直にうれしい。ローカルの鉄道を乗り継ぎながら、ぶらり旅をしてみたくなった。

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著者プロフィール

川本 三郎(かわもと・さぶろう):1944年東京生まれ。「週刊朝日」「朝日ジャーナル」記者を経て、評論活動に入る。訳書にカポーティ『夜の樹』『叶えられた祈り』、著書に『映画の木漏れ日』『ひとり遊びぞ我はまされる』などがある。

「2024年 『ザ・ロード アメリカ放浪記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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