朱鳥の陵

著者 :
  • 集英社
3.69
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本棚登録 : 207
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714395

作品紹介・あらすじ

飛鳥時代。人々の夢を解くことを生業とする白妙は、見知らぬ少女讃良の心を覗き込む。それは最高権力者である持統天皇の過去だった。やがて白妙は、恐るべき女帝の秘密へと近づいていく。古代日本最強の女帝、持統天皇の呪術的世界に迫る、歴史長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 怖っ、怖っ、怖いーーーー((( ;゚Д゚)))
    もぅ、怖すぎるーーー!!!!
    でも、おもしろかったー笑
    飛鳥・奈良時代好きな私としては、面白かった!!
    この時代に詳しくない人は、人名でつまずくかもー。

    白妙は皇太妃(阿閇皇女)から、姉(御名部皇女)の夢解きを
    任される。
    御名部皇女の亡くなった夫、高市皇子が夢に現れるらしい。
    そこから、白妙はある人物の中に入りながら、
    夢解きをしていく。
    その入っていく人物は、太上天皇(持統天皇)だった。
    太上天皇の考えや行動が、白妙には丸分かり。
    しかも、その考えが恐ろしすぎる。
    夢解きはなんとかなったが、もぅ太上天皇から逃げなくては…。
    でも、見つかってしまった…。

    とにかく、私の大好きな持統天皇が怖すぎたー笑
    でも、持統天皇ならあり得るかも…なんて思いながら
    読んでしまったよー。
    もぅ、それぞれの登場人物は脳内で里中満智子さんの
    「天上の虹」になってましたー笑
    白妙と持統天皇(鵜野讚良皇女)と交互に話が進んでいく。
    その進み方がだんだん早くなるスピード感が
    もぅ、白妙の心の臨場感ぽくて、
    もぅこっちまでドキドキーー!!

    春過ぎて
    夏来たるらし 白妙の
    衣干したり 天の香具山

    この有名な歌がこの本を読んだ後、怖くなるんです。

    • shintak5555さん
      何言ってるのか全くわからん!笑笑
      何言ってるのか全くわからん!笑笑
      2023/06/23
    • ほくほくあーちゃんさん
      だと思いますー笑
      幼い頃の名前がまた別にあるし、結婚相手も異母きょうだいなら可能の時代なので、相関図がぐちゃぐちゃなんですよー。
      でも、そん...
      だと思いますー笑
      幼い頃の名前がまた別にあるし、結婚相手も異母きょうだいなら可能の時代なので、相関図がぐちゃぐちゃなんですよー。
      でも、そんな時代がたまらないんですー(*´▽`*)
      2023/06/26
    • shintak5555さん
      ʅ(◞‿◟)ʃ
      ʅ(◞‿◟)ʃ
      2023/06/26
  • 人物の相関関係が複雑なので、持統天皇を主人公とした某漫画を読了してから読むことをおすすめします。
    ホラー的なものとは思わなかったので驚きましたが、春過ぎて〜の解釈が面白かったです。ただ、持統天皇の動機が浅くていまいちでした。姉の太田皇女や父の天智天皇ともう少し深く繋げて欲しかったなと思わずにはいられません。

  • 坂東眞砂子らしい。

    以前読んだ讃良のマンガがあったので、すんなり読めた。この本の後にそのマンガ読むと、印象の違いに驚くかも。けど、ささらの力強さは変わらず。
    こういう終わりは震える。

  • 最初のページを開いた時に、誰もがあっとうろたえるのではないかと思う。
    あまりのふりがなの多さに、「え?文語体?これは古文?」と
    錯覚を起こしてしまうのだ。
    でも、よくみると、これは飛鳥時代のこの物語に、
    その頃使われていたと思われる単語の読み方をふりがなをふって
    使っているだけで、
    文章そのものは現代文なのだ。
    大丈夫、誰でも読める。

    そして、そんなふりがなの多さにひるむことなく読む価値のある
    壮大な歴史ミステリーだ。

    飛鳥時代、持統天皇の作り上げた時代が描かれている。

    めちゃめちゃ面白い!
    当時のややこしい相関図もおぼろげにわかってくるし、
    持統天皇の秘密がすこしずつ明らかにされていく過程が
    スリリングで怖い。
    有名な「春過ぎて夏来るらし白妙の」の句が
    とても効果的に恐ろしい呪いの歌のように使われている。

  • 怖すぎる、、、でも2日で読み切りました。
    ページをめくる手が止められないのは久しぶりです。
    百人一首、想像するだけでぞっとします。

  • 坂東眞砂子だから覚悟していたが、ラストが衝撃的。
    その光景がありありと思い浮かべられて、背筋が寒くなった。
    当時のことば遣いや雰囲気などが良く出ている。ただ、持統天皇があのようなおそろしい女だとは…。『天上の虹』のイメージが…。

    あの有名な歌から、ここまで連想するという手腕に五つ星をつけたくなったのだが、途中、退屈だったので四つに。人麿とのアレとか、必要だったんだろうか。当時はあまり貞操観念がなかったのかな。

    この作家さんのは面白いけど、読み終えると後味が悪いので再読したくない。それだけのインパクトを与えられるというのはすごいのだろうけど。

  • 女帝持統天皇の凄まじい情念を、夢解きの白妙を通して炙り出すファンタジー。有名人や有名なフレーズが続々登場してサービス満点です。ルビがふられた大和言葉を操り、呪術的に縛ってきますねぇ。しっかり調べられていて骨太ですが、ルーツである児童文学の匂いがします。心地よく書かれたのではないでしょうか、伸び伸びした筆致で楽しめました。

  • 歴史物のつもりで読んだら、ホラー?ミステリー?だった。
    ホラーはちょっと苦手なので、びっくりした。

  • 夢違えを命じられ,その意味を知ってしまうストーリー。

    こわっ!
    え,なに!
    え,こわっ!!!
    こわーっ!!!!

    こないだ井上靖の額田女王読んだから人物たちが生き生きとしてて余計にこわかった…。

    持統天皇が少しずつ,黒い気持ちを研ぎ澄ましていく過程が生々しかった。

    春過ぎて 夏来たるらし 白妙の

    こわいよ…。

  •  古代日本を舞台に、夢解女の目を通して、持統天皇の秘密に迫るホラーファンタジー。
     日本史上最強の女帝と称される持統帝を烈女、猛女と設定する創作は珍しくないが、本書では徹頭徹尾、冷血な鬼女として描写される。
     それが却って人品の卑小さを裏付けてしまうのが惜しく、女帝の偉業と能力の高さを考慮すれば、実際は泰然たる器の大きな人物であったろうことが窺えるので、個人的にあまり評価したい作品とは言えない。
     また、百人一首にも採られた著名な和歌から逆算的に創られた小説なので、独自の解釈の残酷さゆえに、あの鮮やかな歌を素直に味わえなくなってしまう弊害が残る。

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂東眞砂子の作品

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