少女は卒業しない

著者 :
  • 集英社
3.75
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本棚登録 : 1916
レビュー : 355
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714425

作品紹介・あらすじ

今日、わたしはさよならする。図書室の先生と。退学してしまった幼馴染と。生徒会の先輩と。部内公認で付き合ってるアイツと。放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。そして、ずっと抱えてきたこの想いと-。廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。少女たちが迎える、7つの別れと旅立ちの物語。恋愛、友情、将来の夢、後悔、成長、希望-。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • “伸ばした小指のつめはきっと、春のさきっぽにもうすぐ届く。”
    最初の一文を読んだ瞬間から「ああ、これ好きだ」と思った。

    廃校が決まった高校の卒業式の日を描く連作短編集。
    7つの短編は主人公こそ違うのだけど、友達だったり後輩だったり、ちらっと出る人が共通していたりと少しずつ重なっている。時系列も重なりながら順に並んでいる。
    この重なり具合が絶妙で巧い。
    そしてどのお話も、冒頭の文章のようにみずみずしい言葉できらきら彩られている。
    朝井さんは「みずみずしい」と褒められることにとまどいがあると何かで読んだことがある。けれど、「みずみずしい」と言わずにはいられない数々の比喩たち。
    「みずみずしい」以外の言葉でどう表現すればいいのか、そのみずみずしい表現でもって教えてください朝井さん、ってくらいみずみずしいです(笑)※くどくてすみません(^^;)

    絞らずとも本を持ち上げただけで、きらきらぱたぱたと滴りそう。
    滴ってくるのは何だろう……青春の汗と涙?いやそんな(精神的に)ウエットな感じではなくて、フルーティなフレーバーウォーターみたいな。爽やかで甘く、時に酸っぱい。
    なんといっても“いちいちきゅんとしてやらないぞ、とあたしは心に決めていた。”(P228)という心持で読んでいた青春から遠く離れた私が、いちいちきゅんとするのだ。

    いつもより30分早く登校する作田さん。卒業前に先生に本を返すために。先生から卒業するために。「エンドロールが始まる」
    卒業式の後の恒例ライブ。宝物を自分だけのものと隠しておきたい神田さんと、みんなに知ってもらいたいと思う氷川さん。そしてヴィジュアル系の彼とビートルズ。「四拍子をもう一度」
    深夜、こっそり忍び込む最後の学校。思い出の教室。まなみと駿。駿と香川。香川とまなみ。夜が明けたら、きっともう一人で平気。「夜明けの中心」
    この3編が特に好きです。

    「スペードの3」で朝井さんの等身大の物語を読んでみなきゃ、と書いたところおススメしていただきました。
    新しくお仲間に加えてくださった朝井さんファンのブク友さま、いつもきりっと素敵なレビューのブク友さま、お名前だけでしたが現在お休みなさっている尊敬するブク友さま、おススメありがとうございました♪

    • 九月猫さん
      koshoujiさん、こんばんは♪

      おススメありがとうございました!
      みずみずしさと甘酸っぱさを堪能させていただきました(*´ω`*...
      koshoujiさん、こんばんは♪

      おススメありがとうございました!
      みずみずしさと甘酸っぱさを堪能させていただきました(*´ω`*)
      koshoujiさんのコメントを読み、早速、「もういちど生まれる」のレビューを
      ネタバレ被弾しないように薄目でざくっと見てきました(笑)
      「少女は・・・」と同じく連作短編集なんですね。
      実は私も長編の方が好きなのですけれど、連作短編集は大好きです。
      こちらも読みたいリストに書き加えなければー!
      次はvilureefさんへのお返事にも書きましたが、「桐島」予定です。
      楽しみが増えました♪ありがとうございます♪

      んで、ですね。
      >朝井君からみずみずしさが失われてダークサイドだけ残ったら
      こーれーはー・・・本当に、恐ろしい(笑)
      そんな日が来ませんように(^▽^;)
      2014/06/04
    • フーミンさん
      九月猫さん、はじめまして。
      フォローに花丸にコメントありがとうございます。とても嬉しいです♪
      ほんと、朝井リョウさんは言葉のひとつひとつ...
      九月猫さん、はじめまして。
      フォローに花丸にコメントありがとうございます。とても嬉しいです♪
      ほんと、朝井リョウさんは言葉のひとつひとつがとても素敵なんですよね。私もまだ3作品しか読んでませんが、すっかり彼に魅了されてます。ひねくれて言ってしまえば若造相手に何ときめいてるんだー!って悔しくもあります。笑。
      九月猫さんもとても素敵な表現で感想を述べてらっしゃるので、ただただ感動しております。
      これからも宜しくお願いしますね☆
      2014/06/05
    • 九月猫さん
      フーミンさん、こんばんは♪

      わっ、わざわざこちらの本棚までいらしてくださって、ありがとうございます!
      しかも拙いレビューまで褒めてく...
      フーミンさん、こんばんは♪

      わっ、わざわざこちらの本棚までいらしてくださって、ありがとうございます!
      しかも拙いレビューまで褒めてくださって、ありがたいやら照れくさいやら(*'ω'*)

      作品は違えど、朝井さん作品の読了数、同じです。
      これから読んでいく楽しみを共有できるようで、なんだかうれしくなりました☆
      一緒に、若造相手にときめいていきましょう(笑)

      あらためまして、こちらこそよろしくお願いします(*^-^*)
      2014/06/05
  • 初朝井作品。
    どれもこれも予約がいっぱいでなかなか借りられず、遅まきながらやっと手にとった。

    いや〜、いい!青春だなぁ。
    透明感があってみずみずしくて切なくて・・・。
    おばさんこんなの読んだら若返っちゃう(←勘違い!?)
    自分と比較するのもなんだけど、こんな絵に描いたような高校生活送ってこなかったから何とも羨ましい。
    もう読んでるだけで擬似学園生活を満喫。
    あの頃の自分に勉強ばっかりしてるんじゃない!!と喝をいれてやりたい(笑)
    進路間違えたよ。

    私も相当ひねくれてるけど、こう言う小説書く作家って絶対優等生!って思ったら、やっぱり早稲田か〜。
    まさしくそんな匂いがするよ、うんうんと一人で納得。
    私だけか?こんなこと思うの・・・。

    いや、でも他の作品全部読みます。
    間違いないです、朝井さんは。

    • vilureefさん
      まろんさん、こんにちは♩

      おっと早くも全作制覇ですか!さすがです(o^^o)
      朝井さんならまだ頑張れば追いつけますね。
      図書館に蔵書がない...
      まろんさん、こんにちは♩

      おっと早くも全作制覇ですか!さすがです(o^^o)
      朝井さんならまだ頑張れば追いつけますね。
      図書館に蔵書がない作品もありそうですが、私も頑張ります(^_-)

      なるほど、エッセイだと朝井さんの別の面も垣間見れるのですね。いずれ読んでみますね。
      フフフ、楽しみです♩
      2013/05/05
    • nobo0803さん
      viluleefさん、こんにちは♫

      この作品、本当に若返った気分になりますよね。
      そして、羨ましくて自分もなんで、高校生活もっとたのしまな...
      viluleefさん、こんにちは♫

      この作品、本当に若返った気分になりますよね。
      そして、羨ましくて自分もなんで、高校生活もっとたのしまなかったのかなぁ・・とちょっぴり後悔もして。

      私も朝井さん制覇に頑張ってます。残り2冊ですが、なかなかまわってこないので、気長に待ってます!(^^)!

      まろんさんも、お勧めしているエッセイ、ぜひぜひ読んでみてください。朝井さんってこんな人??と小説とは違った一面がみれます(*^^*)
      2013/05/05
    • vilureefさん
      nobo0803さん、こんばんは。

      いや~、人気ありますね朝井さん!
      まだ一冊しか読んでないので分かりませんが、若さが溢れていてその若さゆ...
      nobo0803さん、こんばんは。

      いや~、人気ありますね朝井さん!
      まだ一冊しか読んでないので分かりませんが、若さが溢れていてその若さゆえのまっすぐさがおばさん心(?)を刺激しちゃうんでしょうね(笑)

      分かりました、エッセイですね。
      お二方にお勧めされたとあっては読まずにはいられません♪
      私も朝井リョウ制覇がんばるぞ~!!
      2013/05/05
  • 朝井リョウくん、初めて読みきった。
    実はしばらく前に「もう一度生まれる」を図書館で借りたとき、
    1つ目の話を読んだところで進まなくなり、期限切れで返却したのだった。
    20代の司書さんから、
    「うーん、朝井さん、高校生や大学生の世代の人たちにはずいぶん共感を得ていて、
    人気なんですけどね・・・。」
    と残念そうに言われて、
    あらら、高校生からかなり時間が経ってしまった私にはキビシイのかな?と思いつつも、
    今度こそ!と手に取ってみた。

    「もう一度生まれる」もそうだったけれど、タイトルと表紙に惹かれる。
    前を一心に見つめ、自分の意志で選んで進んでいく女の子を想像させた。


    廃校が決まった高校の卒業式の日に起こる7つの物語。


    大勢に流されたり、その中にいっそ飛び込んでしまった方が楽な時もありそうなものだけれど、特有の「潔さ」と「青さ」を持った少女たち。
    恋心や後悔、今まで言えなかったことに向き合い、節目となる1日に足あとを残す。
    普段なら見逃してしまいそうな些細なことがらも一つひとつ掬いあげて、
    きらきらと光の中に浮かび上がらせる。
    そんな描写が、同世代の人たちの気分を表しているのだろう。

    一番印象に残ったのは、「四拍子をもう一度」
    好きな男の子の一番魅力的なところを、みんなに知ってもらいたいと考える女の子と
    自分だけが知っている秘密にしておきたい女の子。

    正直なところ、私は後者でしたね。
    特に「一見・・・なんだけれど、実はこんなに・・・なんだよ!」みたいなのが、
    かなり好きだったのを思い出した。
    今は、むしろミーハーに「あの人のこんな素敵なところを最初に見つけたのは私!」と
    おしゃべりする方が楽しいのは、「恋」から遠く離れた証拠でしょう。

    そして、第6話に登場する"The long and winding road"
    めちゃくちゃ懐かしい。
    高2の文化祭でクラスで映画(ビデオ)を撮ったときのBGM。
    結局大成功と言えない結果になったことを思い出し、ちくんと胸の奥が痛む。

    甘美でほろ苦い。
    涙を流しても、優しい風が吹いて頬を乾かす。
    まっすぐすぎて、咽喉の奥がひりひりする。
    照れくさく苦笑いする。

    高校という閉じられた世界の中に存在する、
    そこでしか味わえない気持ちや情景を切り取って表現するのが上手い人だなと思った。
    自分自身が全く同じ気持ちを持てなくても、
    たぶん同じ空間の誰かが感じていただろうと想像できる。
    空気が伝わってくる1冊だった。

  • 若いってすごい!びっくりです。

    『チア男子!!』が、面白いけど整理されてない印象で
    「まだ若いんだし、がんばって♪」と勝手に応援している気分でいたので
    この短期間での急成長ぶりに「ゴメンナサイ!」と平身低頭したくなってしまった。。。

    作者が伏せられていたら、女性作家が書いたに違いないと思わせるほど
    リリカルな文章に、宝石のような比喩。
    若い作家さんだからこその、今しかできない
    細胞の奥から湧き上がるような身体的感覚を反映させた表現を、
    高みから俯瞰してコントロールする冷静さもあって。

    統廃合で明日には取り壊される高校で行われる、最後の卒業式。
    その早朝から深夜、翌日の夜明けを迎えるまでの一日が
    7人の少女の目線で描かれます。

    憧れの先生にいつまでも返したくなかった本。
    ショートヘアを焦って伸ばし、どうしても左側に結ばなければいけなかったシュシュ。
    はみだしてしまいたくて、殻を破ってみたくて、やっと最後にサボった卒業式。
    憧れの先輩に勉強を教えてほしくて、頼み込んで順位表から削除してもらう名前。
    恋する相手の綺麗な歌声を、みんなに聴かせたい彼女と、秘密にしておきたい私。
    「化けてまで会いたい人がいるって、素敵なことじゃないのかな」とつぶやきながら
    彼のなごりを探して歩き回る、真夜中の学校。

    明日には学校を去る少女たちの想いをしなやかに掬い取る手腕にため息が洩れます。

    ソルフェージュやら和声の作曲やら論文やら、大学入試が5次試験まであって
    北海道にとんぼ返りできず、卒業式に出られなかった私も
    (何十年ものブランクは、おこがましくも置いておくとして)
    一緒に卒業式の一日を過ごしている気持ちにしてくれた
    切なく、みずみずしい短編集でした。

    • まろんさん
      砂に水が滲み込むように、今の空気をいっぱいに吸い込んで
      めざましい成長を遂げている作家さんだと思います!
      この本があまりに良かったので、次は...
      砂に水が滲み込むように、今の空気をいっぱいに吸い込んで
      めざましい成長を遂げている作家さんだと思います!
      この本があまりに良かったので、次はエッセイを読んでみようと思って
      早速図書館に予約したところです♪
      この本がまだ2冊目なので、あこさんが読まれた作品でおすすめのものがあったら
      ぜひ教えてくださいね(*'-')フフ♪
      2012/11/07
    • macamiさん
      五次試験までとは!お、お疲れさまでした・・・
      その部分に一番目を奪われた私です。

      急成長、わたしも同じことを思いました。
      そこに目がとまっ...
      五次試験までとは!お、お疲れさまでした・・・
      その部分に一番目を奪われた私です。

      急成長、わたしも同じことを思いました。
      そこに目がとまったはじめでしたが
      五次試験で、しばらくどこかへいきました。(笑)
      2013/02/14
    • まろんさん
      macamiさん☆

      無駄に長かった入試を思い出すと、今でもきー!と叫びたくなります(笑)

      私の出身高校は、もともと制服があったのを、昔々...
      macamiさん☆

      無駄に長かった入試を思い出すと、今でもきー!と叫びたくなります(笑)

      私の出身高校は、もともと制服があったのを、昔々の先輩たちが学校側との戦いの末
      私服登校を勝ち取った学校だったので、卒業式には
      部活のユニフォーム姿やら、意味不明のコスプレやら
      カラフルな姿が乱舞する、とても楽しい卒業式で有名だったのです。
      ああ、参加したかったなあ。。。

      それはともかく、朝井リョウさん、書くごとに急成長する凄い作家さんですよね(*'-')フフ♪
      2013/02/15
  • 7人の少女が卒業式を迎え、それぞれの大切な人との別れが書かれている。
    前回読んだ「チア男子」とは違って、すごく瑞々しくて、キラキラしている本でした。
    男の視点で書かれているのと、女の視点で書かれているのとで、
    こうも表現が違うのか!!と一緒の作家さんよね??と、読みながら作者名を確認してしまいました・・。

    自分が高校卒業するときって、こんなにキラキラしてたかなぁ・・と
    この本に出てくる少女たちが羨ましく思いました。

    • まろんさん
      noboさん、こんにちは!

      読んでいるだけで枯れたお肌も甦りそうな、みずみずしい物語ですよね。
      私も朝井さんは『チア男子』から読んだので、...
      noboさん、こんにちは!

      読んでいるだけで枯れたお肌も甦りそうな、みずみずしい物語ですよね。
      私も朝井さんは『チア男子』から読んだので、別人としか思えない筆致に驚きました。
      宝箱にしまっておきたいような、きれいな比喩がいっぱいで、大好きな本です♪
      2013/04/16
  • 正直に書いてしまうと『桐島~』を読んだとき、退屈で途中で
    読むのをやめてしまいました。

    でもまたタイトルに惹かれて、朝井作品を予約してしまった。

    舞台は廃校が決定して明日取り壊されてしまう高校で、色々な生徒が
    明日はなくなる高校で、思い思いの時を過ごす。
    恋に落ちる瞬間がきらめきの言葉で表されています。

    瑞々しくって、淡い水彩画のような作品です。
    朝井さんってどうしてこんなに中性っぽく、描いていけるのだろう。
    言葉がきらめいて、この世界にすーっと引き込まれてしまいました。

    どこかで誰かと誰かが“つながっていて”
    直接ではないけれども、見えない絆、コミュニケーションに
    ハッとさせられたり、笑えたり、涙がこぼれそうになったり。

    この本を読んでいると、自分も高校生になってしまいました。

    高校時代って何でみな、“特別”で“永遠”なんだろう。
    40代になり姿、形(笑)はみな変われども、集まると
    あの頃の想い出、武勇伝に花が咲く。

    ・屋上は青
    ・手田の足の甲はキャベツ
    ・四拍子をもう一度(これが一番好き)
    ・ふたりの背景(二番目に好き)

    また今度はきちんと『桐島、部活やめるってよ』を
    借りて読んでみようと思います♪
    そして『何者』も。直木賞受賞おめでとうー♪

  • 廃校が決まっている高校の、最後の卒業式。
    卒業式の朝に図書館の先生に借りた本を返す子、
    ダンスの道に進む幼馴染と屋上で過ごす子、
    憧れの先輩に向けた送辞を読む子、
    浪人することになった彼氏に卒業式後に告げたいことがある子、
    好きなバンドボーカルの最後の舞台をみつめる子、
    卒業式後の静かなひとときを美術部の男の子と過ごす子
    そして取り壊し直前の校舎に夜中忍び込む子…。
    卒業式にのぞむ7人の少女の視点を通した、連作短編集。

    うわ~、瑞々しいっっっ!!

    ご飯でいうと、ふっくらほかほかの炊き立て!
    野菜でいうと、土がついたままの新鮮とれたて!
    お肌でいうと、水をはじくつるつるのぷにぷにのすべすべ!

    陳腐なたとえしか思い浮かばないけれど、思わず「まぶしいっ!(>_<)」と目を細めてしまうそれぞれの少女の、それぞれの卒業。
    甘酸っぱいだけでなく、切なかったり息苦しかったりもするのだけれど、どの話も透明感と輝きがあって。
    卒業式って、別れで、区切りで、そして出発でもある。
    この「少女は卒業しない」というタイトルも秀逸だし、7人の視点を転々としながら、ひとつの高校の卒業式の朝から夜中までを時系列で追っていくという構成も見事だった。

    でもわが身を振り返ると、小中高大と、卒業式で泣いた記憶がありません。
    卒業写真が、ずっと残るものだと気付いたのは後のこと。私の高校の卒業写真はひどいので、もはやアルバムを開く気も起きませんよ。(事件や事故が起きると、事件の関係者の写真として、高校の卒業写真が使われることがありますが、これだけは勘弁してほしいものです。というかそんな報道に晒されないのが一番だけれど。)

    あぁ…、何かいろんな意味でしんみりするわ~。

    • nico314さん
      今、私も読んでいます。
      こういうシンクロってやたら嬉しい!
      今、私も読んでいます。
      こういうシンクロってやたら嬉しい!
      2013/03/13
    • マリモさん
      nico314さん

      おおっ、シンクロしていましたか♪
      ブクログレビュアーさんのレビューみていると、朝井リョウさんが人気だったので手にとって...
      nico314さん

      おおっ、シンクロしていましたか♪
      ブクログレビュアーさんのレビューみていると、朝井リョウさんが人気だったので手にとってみたものです。
      nicoさんのレビューも楽しみにしていますねー!
      2013/03/14
  • 冬の終わりとも春の始まりともつかない時期、三月の終わり。
    凛として冷たく、それでいて柔らかさもある風がすうっと肌を撫でていく。
    切ない卒業式のそんな空気感を持った、爽やかで瑞々しい作品集。

    作者である朝井リョウ君の感性と才能はなかなかなものではないかと。
    ふーむ。最近の「都の西北」の学生にも、見所のある若者がいるのだなあと。
    それにしても、某映画配給会社に就職して、今後作家活動などできるのだろうか。
    それが、少し心配ですが。

    ふんわり浮かんだ大きなシャボン玉
    耳を澄ませば聞こえる川のせせらぎの音
    ツンと鼻の奥をくすぐる樹木の緑の香り
    目に飛び込んでくる透き通るような青い空
    日の差し込む窓から見える風景
    角がまるくなった消しゴム
    0.5mmのシャープペン
    カッターの傷跡の残った机
    あの子の座っていた木製椅子
    赤ペンで滲んだ答案用紙

    傘置き場に忘れさられた一本の傘
    蝶番の壊れた下駄箱
    体育館の床に貼られた白いテープ
    自分の背より低くなった演壇
    風になびく体育館の暗幕
    誰もいなくなった教室
    砂煙の舞いあがるグラウンド
    文化祭で使われた古いパイプ椅子
    卒業生の書いた壁画

    たいせつな仲間たち
    そして、それらすべてに決別する卒業式

    いくつになっても、いつになっても、ずっとずっと忘れないだろうたくさんの思い出

    瞼の裏に浮かぶ涙は何ゆえか。
    ああ、やはりあれは間違いなく青春という言葉だったなあと。
    青春というかけがえのない時期だったなあと。
    決して忘れてはいけない真っ直ぐな心だったのだと。

    いかにも生の、今そこにいる高校生の息遣いが聞こえてくるような透明感。
    好きでした、と秘かに憧れていた先生へ、心の中にだけ聞こえるように呟く別れの言葉。
    これからの路は別れ別れになる二人の屋上での切ない会話。
    在校生代表の送辞の中で先輩への思いを敢えて告白する二年生女子。

    別れ、そして旅立ち。
    でも、少女たちは卒業しない。

    七本の絡まりあった短編すべてが、切なく胸に響いてくる作品でした。
    ああ、こんな時代が自分にもあったのだなあ、と遥か昔を思い起こさせてくれるような。

    この年になっても、こういう作品を読むと昔の自分を思い出して胸が熱くなる。
    アルバムを見て呟く。好きだったんだ、君のことが、と。
    私も、まだ卒業できていない。

    • まろんさん
      ため息が出るほど素敵な短編集でした!
      比喩の美しさ、みずみずしく繊細な表現、
      卒業式の一日を早朝から深夜まで、別々の視点で切り取る構成、と
      ...
      ため息が出るほど素敵な短編集でした!
      比喩の美しさ、みずみずしく繊細な表現、
      卒業式の一日を早朝から深夜まで、別々の視点で切り取る構成、と
      なにもかもすばらしくて、朝井リョウさんを見直すきっかけとなった作品です♪
      koshoujiさんも好きになってくださったことが、とてもうれしいです。
      2012/12/29
    • koshoujiさん
      まろん様。コメントありがとうございます。
      この作品、よかったですねえ……。
      胸がキュンキュンしちゃいました(笑)。
      それと、おっしゃる...
      まろん様。コメントありがとうございます。
      この作品、よかったですねえ……。
      胸がキュンキュンしちゃいました(笑)。
      それと、おっしゃるとおり、比喩の美しさが。
      綿矢りささんの比喩とは、また違った美しさでした。
      朝井リョウ君、只者ではないな、と。
      デビュー作「桐島、部活やめるってよ」を始め、ほかの作品も読みたいと思いました。
      2012/12/29
  •  今回も透明な表現がたくさん出てきて、泣かされた。

     廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。そこでの別れと旅立ちの物語。

      ・「好きでした」と、先生に想いを告げる作田さん、
     ・卒業式をサボり、幼馴染の旅立ちを見守る孝子、
     ・送辞で田所先輩への想いを告白する亜弓、
     ・卒業を機に寺田と別れる決意をする後藤さん、
     ・森崎の生の歌声を最後のライブで皆に聞かせるために、卒業ライブ本番でステージ衣装とメイク道具を隠す氷川さん、
     ・あすかとの別れを受け入れ、彼女の絵を描く正道、
     ・駿の死を受け入れるため、夜の校舎に忍び込むまなみと香川。

     卒業式の日の早朝から深夜にかけて、少女たちは自分の周りにある別れを受け入れ、消化し、旅立とうとする。

     高校生と呼ばれる、限られた時間。過ぎてから気づく、あの貴重だった時間。誰もが経験する別れと旅立ちを通して、彼らは大人になっていくのだ。そして、私たちも、大人になっていったのだ。

     純粋に、まっすぐに、別れと旅立ちに向き合う彼らが、私はうらやましい。

  • 朝井リョウさんの本は【桐島、部活やめるってよ】に続いて2冊目。
    実はこの【桐島、部活やめるってよ】の私の身勝手評価は☆☆2つ。
    そんなわけでこの本を手にするときにはほんの少しためらいがあったりして・・・(笑)。

    今年で廃校になる高校。
    最後の卒業式は3月25日。
    その最後の日を巡る連作短編集。
    最後の日だからこそ勇気を振り絞る少女あり、未来に一歩踏み出す少女あり、思い出と決別する少女あり。
    最後の「夜明けの中心」はまさに胸キュンで、すっかり女子高生の気分でした(汗)。

    史上最年少の直木賞作家である朝井リョウさんは1989年生まれの24歳。
    そんな彼が描く世界。
    今まさに女子高生だったらツボだったと思うけれど…
    なんせン十年も昔に女子高生を卒業していますから…
    それでも読んでるうちに女子高生のころを懐かしく思い出したりしていました。
    たまにはこんな世界に浸るのも悪くない!
    なんて、上から目線で失礼しました(笑)。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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