少女は卒業しない

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714425

感想・レビュー・書評

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  • 高校の合併により、校舎が取り壊される前日に行われる卒業式。

    図書館にいる先生に叶わぬ恋をしていた作田。
    自分の夢に確実に近づいている尚輝と寂しさを覚える孝子。

    生徒会長の田所が好きで、バスケ部と生徒会で奮闘した亜弓の送辞。
    バスケ部の寺田と後藤は、卒業するにあたりそれぞれの道を決断するとき。
    卒業終わりに行われるライブで起きたハプニングと森崎をめぐる恋心。

    帰国子女でクラスに馴染めなかったあすかと特別クラスの正道の純粋な心。
    学校で不慮の事故で亡くなった駿を追悼するために、卒業後に忍び込んだ香川とまなみ。

    ふたりの背景で、あすかに嫌がらせする里香を描こうとした正道が
    僕の目に、あなたは映らなかった、と言って里香の向こう側にいた明日かを描いたのがよかった。
    里香といつもつるんでいる真紀子が、それに対して、そのままでいいと思うと言ったのも印象的。

    共通するものは卒業だけど、これが桐島になったら桐島部活やめるってよみたいになるんだね似てる。

    少女たちは一体なにから卒業しないのであろうか。

    リア充すぎて読んでいて時々、わあああぁぁあああぁっぁあぁl1!!ってなりそうな衝動に襲われる)^o^(

  • 廃校が決定し、春には取り壊される高校。最後の卒業式の一日を描いた、連作短編。
    将来への、不安と希望。甘酸っぱい恋と、切ない恋。
    セリフこそ今どきだけれど、高校生の揺れる気持ちは普遍的で、共感。
    時にじーんとくる、さわやかな青春小説。
    すがすがしい読後感。
    http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-5d85.html

  • 著者の本はたぶんあと一冊で全部読破することになる。
    いつも私は朝井リョウ氏と書いているけれど、本書は朝井リョウ君という感じかな。
    「在校生代表」、これはいただけない…。父兄として卒業式に参列してたら「ふざけるな!」って思っちゃう。
    他の卒業生の父兄だけじゃなくて、田所君や田所君の親御さんだけじゃなくて、これやっちゃったら、卒業生も在校生も引くでしょ…。
    大事な一生に一度の卒業式ぶち壊し。若い子だって、今時の女子高生だって、これは良しとはしないんじゃないの?
    成人式をぶち壊す輩と一緒。

    「ふたりの背景」は良かった。

  • 卒業式にまつわる少女らのちょっと切なめなお話たち。

    誰かの体験談?っていうくらい実際にありそうな話で、素直に高校時代を送った人は、これを読むときっとなんらかの記憶が呼び戻されるんだろうなって思いました。

    どの話もハッピーエンドというわけではないけど、青春まっただ中にいる爽やかさと彼らのいく先にある何か明るいものを感じることができます。

    とてもすっきりとした読了感です。

  • 桐島の時ほどテンションは上がらなかったけど、やっぱりこの人の作品が好きだなと思った。

    女子高生の心理描写に磨きがかかってる…

    「エンドロールが始まる」
    作者は女子高生でこういう経験をしたことがあるのだろうかというくらい。
    先生に少しでも近づこうとする細かい努力の描写は流石だと思った。

    「屋上は青」
    新しい道に進んでしまう、対極上の幼馴染。
    ないものを持っている、と互いに思っている。それでも、尚輝の不安や覚悟に気付けなかった。
    そこに気付いたラストシーンの描写が素晴らしかった。

  • 明日取り壊しになる高校の最後の卒業式・・・。

    卒業式の一日が7人の女子からの目線で描かれる。

    「エンドロールが始まる」図書館で好きな人が読んだ本を読むのっていいですね。
    「屋上は青」自分にないものに憧れてそれで不安になるけど、それでも応援したい、好きな人ならなおさら。
    「在校生代表」・・・この後の亜弓と田所先輩がどうなったのか気になる(笑)。
    「ふたりの背景」・・・未来に向けての約束って素敵ですね。

    爽やかでホロリとする7編。
    卒業おめでとう、がんばれみんな!!って言ってあげたくなる本でした。

  • 合併のため廃校・校舎が取り壊されることになった、とある進学高校の卒業式。

    図書室の先生が持っていた奥さんの写真。それを愛おしそうに見つめる先生に恋してしまった。「好きでした、先生」-エンドロールが始まる

    幼馴染は芸能事務所の仕事が忙しくなり高校を退学。式をサボって待ち合わせた屋上で、みんなと違う進路を選んだ彼が不安を抱いていたことを知る。-屋上は青

    卒業式中、送辞を読み上げる中で好きな先輩へ告白。-在校生代表

    部内公認のカップル、しかし卒業後の進路は県外進学と地元浪人とバラバラに。彼女は別れを決意する。-寺田の足の甲はキャベツ

    好きな人の魅力を独り占めしたい自分、みんなに知ってほしいあの子。-四拍子をもう一度

    帰国子女でクラスで浮いてしまった自分。唯一心を許せる友達は、知的障がい者クラスにいる彼だけだった。-ふたりの背景

    いなくなってしまった彼とおそろいの弁当箱を手に、夜中の学校へ最後の望みを胸に忍び込む。-夜明けの中心

    まるで少女マンガを読んでいるかのような、女子高生たちの瑞々しさが溢れた作品。
    朝井作品の中でもしかしたら一番好きかもしれないな。
    それぞれが体験する別れが切ない。みんなハッピーエンドって訳ではないんだけど読後感はとても爽やか。

    お気に入りは
    ・在校生代表(送辞で告白なんてキャーw)
    ・寺田の足の甲はキャベツ
    (“あたしたちは十八年も生きてしまった。離れたくないと喚くほど子どもじゃない。だけど、まだ十八年しか生きていない。離れても愛を誓えるほど大人でもない。”  グッと来た)
    ・四拍子をもう一度(卒業ライブ裏でのバタバタと2人の女の子の恋模様が可愛い)

  • 桐島のあとに続けて、同作者の「少女は卒業しない」を読んだんだけど、これがかなりみずみずしくて良い小説だった。「桐島~」よりも格段に上手い。

  • 朝井リョウ、はまってしまった

    統廃合する高校の卒業式の話。
    いろんなところに散らばる青春のかけら。
    まぶしくて、きらきらしている。

    自分は通り過ぎてしまったから
    余計うらやましくて感情移入してしまっていた。

    まだ読んでいない本もあるので、
    これからもっと読んでみたいと思います。

  • 【森の中の図書館大賞 第7位】

    卒業式の日のそれぞれの恋物語❤甘くて切ない。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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