- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714470
作品紹介・あらすじ
欲望は、すべて水に還る。少年たちの愛の行方と血のいとなみ。川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の濃密な物語を描いた表題作と、死にゆく者と育ってゆく者が織りなす太古からの日々の営みを丁寧に描いた「第三紀層の魚」を収録。第146回(平成23年度下半期)芥川賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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パフォーマンス的話題につられて購入したクチです。(笑)
その話題の「共喰い」と、「第三紀層の魚」の2編を所収。
「共喰い」は、セックスのときに快楽を深めるために女を殴る父親からの血の継承に困惑する高校生の主人公の葛藤を描く。内容はあまりにも生々しくセンセーショナル的な感じがするが、エロスとタナトスの対比やエディプスコンプレックスの発露など、むしろクラシカルな主題であるともいえる。その生々しい表現と父親の行為に感じる嫌悪感がこの作品の醍醐味であると思うが、どうせならその嫌悪感をもう少し主人公の葛藤として深めても良かったような気がする。ところどころに挿入される情景の比喩は、もう少し柔らかい表現にならないものか。ラストは悲劇的だが、全てが流され業のリセットを予感させてくれる。
「第三紀層の魚」は小学四年生の主人公を視点(支点)に、曾祖父と祖母、そして母の世代間交流をぎこちなくも暖かく描いた作品。おむつの付け替えや、釣りの話などなかなかこだわりのある話が面白かった。少年の海での釣りは、この小説の背景色としてのよい彩りを感じさせてくれる。
両小説とも、「海」「川」「雨」など水の描写を効果的に取り入れていて、小説のテーマの基底として見事な役割を果たしている。特に「共喰い」で水に飲み込まれるシーンは全体の暗喩として象徴的なものになっている。
持ってけー!(笑) -
重厚でどろどろした素的な文章だった。理由はわからないけれど、3回くらい鳥肌がたった。芥川賞受賞の会見で強気な発言してたので、どうなんだろうとおもったけれど、強気な発言してるだけはあるな、とおもった。長編も読んでみたい。
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読むのがつらい。
図書館で本を選ぶときに芥川賞っていうラベルを見て選ぶんですが、内容知ってたら読まなかった。といってもネタバレが嫌で一切紹介文読まずに読むのですが。。
第三紀層の魚はよかったです。 -
多分女性からは総スカンでしょうね。嫌悪感が強い。
内容が内容ですし。
共食いってそういう意味かとわかった時がすごく嫌。
でも文章が抜群にうまいと思いました。
何でもないような、つまらないような描写を淡々と
重ねていって気がついたらとても気味の悪いところへ
連れて来られてしまったような不気味さがあります。
多分この方の小説、読むと不快に感じる小説が多いでしょう。
でもすごく読みたいと感じます。これからどんな作品が
でてくるのか楽しみです。この変わり者加減、作者にとても
興味があります。
書かなければ死んでしまう作家さんが久しぶりに出てきました。 -
一緒に収められてる「第三紀層の魚」の方が好きだな♪
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2012年(平成24年)、第146回芥川賞受賞
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一気には読み終えたけど、この作品を自分のなかでどう受け止めたらいいのか、最後まで、見いだせなかった…
話題にもだっからよんでみたけど、描写がリアルだった、としか表現できないなぁ。 -
父と母を性で描く
高校生の息子からはこうみえてるのか人間
音がない小説 -
方言と自然描写が良い。川の使い方も上手だなぁと後半思ったけど前半で「割れ目」と明かしてるあたりが余計にまっすぐで好感を持てた。選評も読んだけど宮本輝さんが評価してないのは意外。
私は読んですぐ宮本輝さんの「道頓堀川」を思い浮かべた。
本作品は性描写がナマナマしくテーマも嫌悪感を...
本作品は性描写がナマナマしくテーマも嫌悪感を催すものですので、人に薦めれるかというとちょっと・・・。(笑)なので、筆者のあの会見も照れ隠しが大きいんでしょうね。
併収の「第三紀層」は割としっとりした物語なのですが。~賞の常連さんのようですので他作品も機会があれば読んでみようと思います。
私は、ブクログで、高校生に勧められて、この小説を読んだ...
私は、ブクログで、高校生に勧められて、この小説を読んだのですが、なぜか、内容がぜんぜん入ってこなくて、最後まで読んだんだけど、まるで消化できませんでした。
親から、好ましいDNAも、嫌悪すべきDNAも、受け継いでしまうことが、人生の大きな問題になる、というのは自分の経験からもよく分かるんだけど、それなのに、この小説には、アルアル感が感じられなくて、ついていけなかった。
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
本当にあの作者さん、いまどこでどうしているのやら。...
コメントいただきありがとうございます!(^o^)/
本当にあの作者さん、いまどこでどうしているのやら。(笑)
話題作りは長けていましたけど、あまりにも小説がトゲトゲしく現実離れしすぎていたので、あとが続かないのでしょうかね?