小説フランス革命 (7)

  • 集英社 (2012年6月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784087714562

作品紹介・あらすじ

フランス革命の全貌を描く大作、第二部開幕!
ヴァレンヌ逃亡事件で権威失墜したルイ十六世は、捲土重来を期して内閣を改造、外国との戦争に突入。だが食糧不足や戦況悪化で、民衆は不満を募らせる。革命の過激化と終焉までを描く第二部開幕!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

フランス革命の激動の時代を舞台に、登場人物たちの思惑が交錯する様子が描かれています。ロラン夫人を中心に、ダントンやルイ16世、ロベスピエールなど、個性豊かなキャラクターがそれぞれの立場で困難に立ち向か...

感想・レビュー・書評

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  •  ジャコバン派から分離独立したジロンド派の中心に立つロラン夫人、その要請を受けてパリでの蜂起を試みたダントン、それに立ち向かうルイ16世。それぞれがいろいろな思惑で困難の時期を乗り切ろうとしているが、そんな中で一貫した主張を唱え続けているロベスピエールの存在感が強くなってくる。

  • ロラン夫人登場の第7巻。1792年1月から8月、革命から3年目の夏までの動きを描く。1791年に憲法が制定され、新しい国の形は整ってきたが、今度は(革命の広がりを恐れた)周囲の帝国主義国家からの外圧が高まる。フランス議会にもジロンド派をはじめとする主戦派とロベスピエールら非戦派が争い、ルイ16世も負ければ権力を取り戻せると考えての主戦派で、まあ国内もガチャガチャしてること。結局、主戦派が戦争を仕掛けてしまうのだが、前線もあまりやる気がなくて、民衆のストレスもなかなか高まっている。
    ロラン夫人のサロンに集うジロンド派のすっきりしない密室政治がどうもかったるく、読んでる途中たびたび集中力が途切れた。彼ら要は権力が欲しくていろんな策謀をめぐらして、あるときは国王側に付いたり、あるときはダントンら民衆側に付いたりとまったく定見のない動きをする。これだけ動いても実権を握ったようにみえないのは、たぶん策謀をめぐらすのに夢中になりすぎて、それでもって何をしようという意思が足りてないからではないか。
    ダントンはパリ市の第2助役とずいぶんな出世。町の顔役から上がってきただけあって大衆の人気は高いけど、私はあまり好かないタイプ。国王は6月20日の蜂起の際の振る舞いで意外と人気を取り戻してしまうところがなかなかかわいいのだが、やはり民衆は移り気で、議員の演説一つでまた人気は上下してしまう。国王も支持率頼みって今の日本みたいです。

  • 独特の女性政治家としてロラン夫人の立ち回りは興味深い。ルイ16世も良く耐えましたねー。それから何と言っても、ロベスピエール、デムーラン、ダントンの3人、個性が光ってきましたね。次が楽しみ。スピード感が出てきました。

  • あれー?
    あの壮大さや豪快な筆致はどこへ行った?
    なんか、フツーの歴史物に。

  •  フランス革命に女性が登場するのを初めて知りました。
    自尊心の高いロラン夫人は、自分のサロンに自分好みの革命家を招き、その方々を笑顔ともてなしで、自分の思う方向へと導いていく。
    ついに、夫を内務大臣にして、ジロンド派の天下を狙う。
    しかし、意外に深慮遠謀なルイ16世に阻まれる。
     こんなにルイ16世が賢かったのは以外でした。
    そして、我がロベスピエールはやっと自分の真に目指す方向、つまり「すべての人間に、健康で文化的な最低限度の生活を保障される権利」を獲得すること、を見出す。
    そんな、いろいろなものに全くぶれることのなく、民衆の幸せのみを願うロベスピエールに人心は集まっていく。
    そんな、ロベスピエールが疎ましい人によって、命まで狙われる。
     そんな中ダントンは又蜂起を企画している。
    これからどうなっていくのか?
    次号がたのしみです。

  • 小説フランス革命もいよいよ後半。まず登場するのは、ジロンド派を影で操る女、ミセス・ロラン。経営するサロンで有名人と交じり、情報を巧みに操る怪女だ。彼女にすれば、旦那ですらコマの一つにすぎない。

    そんな彼女の手腕でジロンド派は政権与党を占める。しかし、それはルイ16世がジロンド派を使い捨てとして利用したに過ぎなかった。調子づいたルイ16世は憲法で認められた拒否権をフル活用。そんな国王の意外なしたたかさと政治力を知ったダントン、デムーラン、ロベスピエールらもいよいよ権力争いに突入する。

    この第7巻、主人公がクルクルと入れ替わり、登場人物もやたら多くて、わかりにくいところもあるが、国王と政党のパワーゲームを中心とする政治ドラマとしては抜群に面白い。

  • 王と革命家の陰謀と駆け引き。パリはまだ蜂起にいたらず。

  • 小説フランス革命の第7巻。後半のスタートです。

    今回は、革命を継続させたい勢力と終わらせたい勢力のせめぎあい。各派が分裂し、それぞれ策略をめぐらしての攻防が描かれます。

    ルイ16世の自己保身からくる狡賢さ。ロラン夫人の女帝っぷり。ダントンの豪放さなど、人間くささも一杯。特にロベスピエールが見せた、狙撃されて縮こまるエリートの弱さは、今後の展開の伏線にもなる予感。

    8巻はいよいよギロチンの登場。早く読みたいです。

  • 読むに興奮がない。ミラボーが亡くなり、ルイ十六世も思うように動けなくなってから、議会は右往左往の政党闘争に明け暮れる。理想と理念はどこへいったか行き当たりばったり、暮らしは楽にならず、華々しい成果もなく、いたずらに諸外国に喧嘩を吹っ掛け、その成果もはかばかしくない。革命は未だならず、しかも停滞している。大衆を惹き付け、自らが信じるところへ共に歩ませる力をもったカリスマがいない。せいぜいがお山の大将くらいの人物が徒党を組み、フランスのためだと口だけは勇ましく、馴染みの場所で議論を行っている。全くもって華々しくも優雅でもない。盛り上がりに欠ける。歴史を書いているため、史実を大いにねじ曲げることはできないのだろうが、冴えない。不完全燃焼で燻っている。やはりミラボーは偉大であったと何度でも思う。既に衆愚政治の様相をみせているフランスは、これから魅せるものはあるのだろうか。待つのはロベスピエール派の独裁とルイ十六世達の処刑、最後にはナポレオンの独裁政治だろう。道先は見えず、照らす者もいない。
    先導者もなく、経験者も少ない。誇る歴史になるのか。

  • 久々に再開した小説フランス革命シリーズの7巻目ですが、今回はロラン夫人のサロンに集うジロンド派の面々の話が中心となります。
    ジロンドというのが、主要メンバーの出身県の名前だというのを初めて知りました。教科書的にしか知らない歴史的事実を興味深いエピソードで紹介してくれるのが事実に基づく歴史小説の楽しさの1つと思うのですが、このシリーズはその典型かもしれません。
    これからいよいよ王政の廃止から恐怖政治へと革命のクライマックスに入っていきますが、やはり理想に燃える純朴な青年だったロベスピエールがどんな過程を経て恐怖の独裁者に変貌していくのか興味深いところです。

  • 来たるべき狂気への伏線、のような印象。

    ジロンド派はマノン夫人が裏で率いるとはいえ、ちぐはぐな感じが拭えないし、ルイ16世は相変わらず気分に左右されるし。
    そこにつけこもうとするダントン。担ぐはぶれないロベスピエール…が、暗殺未遂のトラウマが暗い影を。

    流れが静かなせいか、さほどの時間を経てない気がするけど、読み返したら期間は1792年1月~1793年8月と長め。
    さてさて、次はどうなることやら。

  • ジロンド派が天下をとって、勇ましくオーストリアとプロイセンに宣戦布告したものの、貴族の軍隊は負け続け。危うしフランス!! 次の巻はいよいよジャコバン派独裁か。早く書いとくれ、佐藤賢一!

  • 表紙を飾るのはロラン夫人とフリジア帽を被るルイ16世~1792年,オーストリアに最後通牒を突きつけたフランス立法議会はフイヤン派がパリ市政を牛耳っているものの,ルイ16世が閣僚を排斥し,思惑は別でも主戦派であるジロンド派を任命した。外務大臣には軍人出身のデュームリエ,内務大臣に採用されたロランは奥方が主催しているサロンが功を奏した影響だ。開戦に踏み切ったものの,将校と兵士の息が合わずに朗報は届かず,宣誓拒否派司祭の処分を求める法と2万人の連盟兵のパリ近郊配備を求める法も王の拒否権行使で実現しない。夫人に促されたロラン内務大臣は国王の前で大声を発して,罷免の憂き目にあった。ジロンド派は政権を取り戻すべく,ダントンに接近し,ダントンはジロンド派の思惑に乗る形で,6月20日フイヤン派打倒のために市民を動員し,テュイルリ宮殿に詰め寄った民衆の前で,ルイ16世は拒否権撤回は約束しなかったが,安酒を飲み,フリジア帽を被って見せた。7月フイヤン派内閣は総辞職し,戦況は好転せず,次なる蜂起にダントンはロベスピエールを巻き込む計画を持つ。パリ市長ペティオンとの話し合いの終わりにロベスピエールは狙撃された。デムーランと共にロベスピエールを見舞ったダントンは,ロベスピエールには受け取っていないと語った王からの金を使って連盟兵を接待し,蜂起を決行するとデムーランに語る~小説すばるに2010年1月~6月に連載され,2年後に単行本化。加筆・訂正が大変だったのか,7冊目の小説フランス革命が第二部に入って,次々と刊行して売る積もりなのか。ロラン夫人も1793年に処刑される運命。世界史では,反革命勢力を炙り出したいジロンド派と革命勢力をオーストリア軍の力で斥けたい王の意向が一致し,開戦に踏み切ったが,祖国の危機にパリ市民が蜂起して王を逮捕した・・・と教えるんだ。王の逮捕前に市民が王を追い詰めていて,王が毅然とそれを跳ね返したまでは語らない。このシリーズで残念なのは艶っぽい件が出て来ない点だ

  • バスティーユ襲撃からフランス革命が始まって2年、革命の方向性が定まらない中、革命の主要な登場人物たちが、フランス人民の、フランスの女性たちの、フランス国王の、あり方を巡って様々な行動を繰広げます。やや静かな展開がこれからの激動の革命後半を予想させます。

  • 1年半待たされた、フランス革命通史の第7巻目。

    章ごとで各登場人物の第一人称によって物語が進むため、臨場感に満ち溢れている。
    1792年の1月から8月初め(8月10日事件の直前)までが描かれており、いよいよ粛清前の不穏な空気が流れ始めた。
    戦争を政争の道具として使うことによる愚かさ、混迷、庶民の怒りがよくわかり、現代の政治の批判にもなり得ている。

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著者プロフィール

佐藤 賢一(さとう・けんいち):1968年、山形県生まれ。東北大学大学院でフランス中世史を専攻する。1993年、「ジャガーになった男」で、小説すばる新人賞を受賞してデビュー。1999年、『王妃の離婚』で直木賞を受賞。2014年には『小説フランス革命」で毎日出版文化賞特別賞、2020年に『ナポレオン』全3巻で司馬遼太郎賞、2023年に『チャンバラ』で中央公論文芸賞を受賞した 。他の著書に『傭兵ピエール』『二人のガスコン』『オクシタニア』『女信長』『新徴組』『ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ』『遺訓』『最終飛行』など多数。

「2025年 『歴史小説のウソ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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