- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087714814
作品紹介・あらすじ
確かに起こったはずなのに、その「デモ」は無かったことにされた。炎上、ステマ、電突、ネット右翼-「見えない戦争」を巡る新たな問題作。
感想・レビュー・書評
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デモ、炎上、ステルスマーケティング…。市町村合併を巡って、ネット上で「見えない戦争」が始まった。表題作ほか、「となり町戦争」スピンオフ短編を併録。
ありそうであり得ない設定…三崎亜記らしい作品で、それなりに楽しめるのだけれど、ネット社会の怖さやマスコミの矛盾など現実に接近していて、「となり町戦争」の頃より巧くなった?分だけ、とぼけた不思議さが無くなってしまった気がした。終わり方もやや中途半端で、少し不満が残った。
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久しぶりに三崎亜記さんの作品を読みました。
日常生活と並行して行われる見えない戦争を描いた『となり町戦争』でデビューした三崎さん、本書では市町村合併に対する反対運動をテーマにしています。
市の方針として進められているA市とC町の合併が、実は数十年前からC町によって画策されたA市の乗っ取りである。
高校時代の同士であり、時にライバルであり、ほのかな憧れも抱いていた友人からそんな噂を聞かされた主人公は、いつしか反対運動の動向から目を離せなくなっていきます。
登場人物の感情が描かれていないわけではないのだけれど、淡々としてどこか無機質に感じられることに、ぞくりとしました。
みんな仮面をかぶっているようで。
『となり町戦争』の前日譚も収録されており、もう一度『となり町戦争』を読みたくなりました。 -
『となり町戦争』スピンオフ作品
「確かに起こったはずなのに、その「デモ」は無かったことにされた。炎上、ステマ、電突、ネット右翼-「見えない戦争」を巡る新たな問題作。」 -
初めての作家。タイトルでなんとなく手に取った。
A市、州都のような馴染みのない言葉のせいか、私の興味があまり向かず、楽しみきれなかった。
表題作の後に「戦争研修」があることで、作品の見方がさらに広がる感じなのは面白い仕掛けだと思った。 -
『今の世の中、そうした裏の操作が存在せず、純粋に民意だけによって形成されたものが、果たして存在するのかね?』という文に作者のメッセージが込められているのかもしれない。
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市と町の合併は吸収合併なのか乗っ取りか。反対運動自体も裏で操作されていたり、マスコミの報道も偏っている。皆が信じていることが真実とは限らない。
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「幸せを選択する上で、話さずにいることが共に進むためにベターだと考えるのであれば、それは話さない方がいいと思います。最後まで話されない秘密は、秘密ではなく、存在しない過去になります」
(P.153) -
2016 11/9
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何を信じるかを決めるのは自分だけ。
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相変わらずこの人の書く世界観は独特。表題作はなんだかものすごく不気味な雰囲気だった。もう1篇は『となり町戦争』の前夜を描いたスピンオフ。『となり町戦争』未読なので読んでみようかな。2013/087