赤と白

  • 集英社 (2013年3月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784087715019

作品紹介・あらすじ

雪国で暮らす女子高校生達の虚無と殺人
新潟の雪深い町で暮らす、高校生の小柚子と弥子。明るく振る舞う陰で、二人はそれぞれの事情を抱えていた。そんな折、小学生の頃に転校していった友人の京香が現れ…。少女たちの閉塞感と悲劇を描く。第25回小説すばる新人賞受賞作

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

閉塞感に満ちた雪国で、女子高校生の小柚子と弥子が抱える複雑な心情を描いた物語は、思春期特有の孤独やすれ違いを巧みに表現しています。彼女たちは明るく振る舞う一方で、内面には深い悩みや恐れを抱えており、友...

感想・レビュー・書評

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  • 田舎のどこにも行けない感が雪に閉ざされてさらに鬱屈しているような土地に住む少女の話でした。
    題名の『赤と白』はかなり秀逸。
    櫛木さんの小説は何作か読みましたがこちらはあまりどんでん返しはありませんでした。
    初めに結末は分かっていてそこに向かって堕ちていく進行なのであまり救いはないかも。

    とにかく大人がいけない。
    そしてお互いに本当のことを言えずにすれ違ってしまう小柚子と弥子が悲しすぎる。
    女子あるあると言ってしまえばそれまでですが。
    というか女子あるあるがかなりグロテスクにしっかり書かれていました。

    「おいおい…」て思いつつ突き抜けている苺実が意外と好きでした。

  • 読みやすくてサラサラっと読めた。
    読後感が良くないってあったけど、読んでる途中の方が気持ちが沈んだ。
    女子高生の友だち間のすれ違いってアルアルだけど、弥子も小柚月も毒母に追い詰められて、いつ止むのかわからない大雪に追い詰められて、2人の感じが息苦しさがたまらない。
    新潟の雪はたまらない。冬は殆ど太陽が見えないし、積もった雪に大変な思いをさせられるのに溶けてしまえば、あの苦労はなんだったんだろう?と虚しくもなる。
    京香がもっと絡むのかと思ってラストまできたけど、逆にあっさりとした絡みで、そんなハズレもまた楽しかった。

  • 再読

    新潟の雪深い町で暮らす高校生の小柚子と弥子。
    明るく振る舞う陰で、二人はそれぞれの事情を抱えていた。
    そんな時、小学生の頃に転校していた友人・京香が現れ…。


    物語の冒頭には、ある事件を追った新聞記事が載っている。
    不可思議で衝撃的な内容…。
    どうしてこうなったのか…。心を鷲掴みにされた。
    一転、第一章からは、雪国で暮らす女子高校生の何気ない日常が綴られている。
    一見どこにでもいる様な親友の伊奈小柚子と青木弥子。
    明るく振る舞っているが、それぞれが密かに胸に抱えているものがある。
    心に潜む暗い感情や辛い現実…。
    親友だけど、お互いに抱えているものを打ち明けられない二人。
    自分なりに不安定ながらバランスを取り日々を過ごしてる危うさが垣間見える。
    そんな二人の間に京香と苺実が入って来た事で…。
    些細な行き違いや、誤解…。
    苺実の狂気が小柚子に…。
    密やかな狂気が少しずつ膨らんでゆく…。
    狂気が狂気を読んで狂おしい。

    思春期特有の狭い狭い世界
    自分の見える世界がこの世の全て
    友人にすら、悩みや苦しみを話せない悲しさ
    些細な誤解やすれ違いから戻る事の出来ない脆さ
    不安定な心の動きが苦しいくらい丁寧に描かれていた。
    登場する親が、大人が皆酷い…。

    冒頭の新聞記事が結末なんだと予想出来
    どうして、そうなったのか知りたくて一気に読んだ。
    重苦しい内容だけど勢いがあって読み易かった。

  • 彼女のデビュー作といってもいいこの一冊。
    上手くて驚いた。
    リズム感があって読みやすい。
    ページをめくりたくなる展開と緊張感。

    冒頭に事件記事があって身構えた。
    おっと、もしかしてこわい?と。
    辻村さんをどことなく思いだし、読み進める。

    青春まっただなかな高校生たちが
    進路や恋愛といったことがら以外に抱える重いもの。
    それぞれも本当に重い。
    親友のように見えても話すべきことを話せない。
    そしてその荷物はどんどん重くなる。

    そうして冒頭の記事を忘れたころに
    その記事を思い出させられる。

    ラストは意外にあっさりめなので
    濃い闇のなかに沈みきることはなく
    読後、思ったより楽になる。

    それにしてもマイミ・・・コワイ・・・
    本当にいそうでコワイ。
    母親が娘に逆らえないとか
    人の携帯に届くメールを自分のところに転送されるようにするとか
    人の家のポストから郵便物をもってきてあけるとか
    諸々。
    罪悪感のなさがなによりコワイ。
    あなた以外にも人はいて、みんな心があるんだよ。
    あなたとおなじように。

  • 各々が抱える事情。
    親しいからこそ知られたくない事はあるだろうが、隠し続けることが出来ないなら話すべきなのかもな。
    明らかに間違った言動なのに、すぐに注意出来なかった結果なのかもしれないな。

  • 読みやすかったし、女の子達それぞれに割と共感できましたが、ラストは小柚子がどうなってるのかよく分からなかったし、なんとなく終わり方がいまいちすっきりしない感じがしました。

  • 田舎町、閉塞感。ちょっとした行動が目立つ。女子特有のカースト、ベッタリ、グループ行動。家族に翻弄される子供たち。一気読み。
    雪が積もる、重なる。ちょっとした嘘が、後戻りできなくなって、言えないまま、時間が経っていく。
    短絡的な行動の友だち、ネチネチと追い詰める、娘を苦しめる家族。
    赤と白
    赤 →血・火・夕焼け・嘘
    生命力・エネルギー・警戒・危険・攻撃・怒り。
    白→雪・祝福・無・平和・真実・始まり・正直、透明感・清らかさ、純真
    どこにでも行ける

  • あんまり辛くて途中で辞めようかと何度も思ったけど、行間が広くて意外と早く読めるので結局最後まで読んだ。まさに地元、ここ数年での最強寒波により雪が降り積もってる時期に読んだので、余計に雪で死んでしまう人がいることや、毎日の雪のけの苦労や、曇り空が身に染みた。小柚子と弥子がそれぞれ背負ってる悲しみや辛さをお互いに言えなかったところが分かってしまう。親友と思っていても、思っているからこそ嫌われたくなくてこの人には知られたくないと思ってしまう。この高校生の時期が一番苦しかったかもしれない。いろいろ分かってきているのに、親の庇護に寄らなければまだ生きていけない。切ない話だった。辛い方面とはいえ、キャラクターがありがちな感じもしたけど。この地域の辛さを知っている人と知らない人とでは読後感が違うかもしれないと思った。

  • 豪雪で停電になった新潟県のある市で火災が起こった。発見された遺体は2体。登場する女子高生はみな家庭環境や親との関係性で苦しい空間に身を置いている。小さな世界で友情や愛情がすべての中でもどかしいすれ違いが結果、悲劇を生む。どこかでこの少女たちを助けてあげられる術が無かったのかな。まだ年端もいかない少女たちが背負うには苦しすぎた。

  • 新潟の長い冬の中の学校だったり、家庭での話。
    よくある設定ちゃ設定なんですが、
    冬の雪の情景描写が、雪の降らない所に住むわたしにもすごく伝わりました。
    雪の圧倒的閉鎖感っていうのが高校生の狭い世界と家庭に閉じ込められているかんじがひしひしと感じた。
    悲しくて、温度がすごく低い小説だけど、読ませる力をもった良い小説。
    冬のあとには必ず春がくるという当たり前のことを、なんかすごくいいなあと思ってしまった。

  • 雪国に住む陰を抱えた女子高生たちの息詰まるような閉塞感。
    彼女たちが我慢して受け入れてきた運命はいつしか狂いはじめて・・・。

    小説すばる新人賞受賞作品。
    もう少し焦点を絞るともっとずしんとくる作品になった予感。

  • 田舎の閉塞感を気候をメインに語っているあたりと小柚子の音楽の趣味とか京香の映画の趣味とか何かと純文くささ垣間見えて好きな感じだったんだけど、結末、小柚子にだけ厳しすぎないか?

    湊かなえの「贖罪」を薄めた感じ。

    まぁそれなりに楽しみました。

  • 雪国の地方都市の閉塞感とそれぞれの家庭の事情を抱えた高校生、小柚子と弥子。どんどん積もっていく心の痛みの澱が、ある日停電と同時に爆発する。最後一気に加速する暗い予感に、どうしようもないやり切れなさを感じた。

  • 日本ホラー小説大賞読者賞と小説すばる新人賞の
    ダブル受賞作。
    (*ご指摘により今作がダブル受賞ではなく
    この作家さんがダブル受賞! という事でした。)
    とはいえ、ホラーの要素はほとんどなく
    (*なのでホラー要素が今作になくて当然なのでした^^;)
    若干の疑問は残りますがある意味、バッドエンドが
    分かっていながらジワジワと少女達が向かわざるを
    得なかった過程が悲しくも苦しい作品。

    新潟の深い雪の街で暮らす女子高生達。主人公の
    「小柚子」と「弥子」。仲良く明るく暮らす日々の中にも
    それぞれが抱える苦痛や過去が少しづつ...降り積もる雪の様に
    閉塞感を伴いながらに、ささいなきっかけで歪み、悲劇へと
    流れていく...。

    もう自分の年齢では今作に登場する少女達の
    感情の機微や揺れ動く繊細な心情、家庭環境と
    自己とのバランスの取り方は正直分からないし、
    はたして今作がリアルな女子高生の姿でもあるのか
    分かりませんが、作品におけるこの白く、重い
    雪に閉ざされ、友人関係に縛られ、家庭環境に
    囚われた中で静かに破綻する姿を、一気に
    読まされてしまったのは確かです。

    ダブル受賞おめでとうございます。

    • mametarou77さん
      初めまして、かと思いますがレビューいつも楽しく拝見させていただいています。

      日本ホラー小説大賞読者賞は『ホーンテッド・キャンパス』で、
      帯...
      初めまして、かと思いますがレビューいつも楽しく拝見させていただいています。

      日本ホラー小説大賞読者賞は『ホーンテッド・キャンパス』で、
      帯の文句はすばる新人賞を『赤と白』で、ホラー小説大賞読者賞を『ホーンテッド・キャンパス』で受賞した大型新人、という宣伝かと思います。

      殆ど一気読みしてしまいましたが、新人さんらしからぬ表現力ですし、
      『ホーンテッド・キャンパス』の方は、全く別のテイストに仕上がっていますので、機会があれば手に取ってはと思います。
      2013/03/14
    • neon_booksさん
      mametarou77さま
      コメントありがとうございます。
      しかも間違いをご指摘頂きまして、
      ありがとうございます!
      今作がダブル受賞ではな...
      mametarou77さま
      コメントありがとうございます。
      しかも間違いをご指摘頂きまして、
      ありがとうございます!
      今作がダブル受賞ではなく、その両方を
      受賞した新人作家さん...という事なのですね^^;
      お恥ずかしい勘違いでした。
      ホラー文庫の方も是非読もうと思ってました!
      ありがとうございます^^
      2013/03/14
  • 女子高校生が主人公になっている本を読み通した事がなかった。
    女の子っぽさに疲れるからだ。でもこれは違った。
    地方都市で、危ういバランスの中で暮らしてきた2人の少女が道を違え、狂いが加速していく。 その姿がなんとも不気味で、恐ろしいんだけど、とても“自然”に描かれている。
    いつしか後戻りできないところまで追いつめられ、崩壊していく様がすごくリアル。
    みんな病んでいて、救いがない。 時折描かれる主人公の心の動きが唯一の息抜き。
    ≪わたしがもし誰かを殺すとしたら。 それは―。≫
    この一文に色んなものが凝縮されている気がする。
    タイトルもなるほどだ。

  • 不可思議な事件を思わせる結末が冒頭にあり、各登場人物の人柄、関係性に徐々にクローズアップしていく。
    第三者から見て羨ましく、幸せそうと感じるその本人こそ人には言えないような様々な思惑や悩みを抱えている。
    冒頭の結末からエピローグの状況を推察することができ、それぞれの少女たちの未来との対峙の仕方が描かれている。

    なんとも言えない後味の悪さが良かったが、終盤に近づくにつれ大雑把な印象となり、なぜその結末に至ったかが浅く感じた。それまでの過程が丁寧に描写されていただけに残念だった。

  • ミステリかと勝手び思ってたけどそんなこともない?

  • 雪深い田舎町に暮らす高校生の小柚子と弥子は、幼い頃からの親友だったが、互いに好きだからこそ言えない秘密を抱えていた。
    2人にとってかつて親友だった一家が再び町へ帰ってきたことで、次第に2人の関係は変化していく。

    田舎町と思春期、どちらにも存在するある種の呪いのようなものが執拗に丁寧に描かれていて、ヒューマンホラーとして背筋がゾッとした。
    どうして思春期って「何もかも壊れてしまえ」「みんな死ね」って衝動を持ちやすいんだろう。人間の心って不思議。
    健全な青少年、が逆に嘘っぽく感じるのはわたしがねじ曲がった人間だからなのかしら……。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 後味悪いけど、おもしろかった。
    母親に愛されないって、辛いことだなぁ…

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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