ジ、エクストリーム、スキヤキ

  • 集英社 (2013年10月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784087715026

作品紹介・あらすじ

スキヤキ鍋を抱え12年ぶりに会った大学時代の仲間たちが向かう先は…。劇団五反田主宰、ボーダーレスに活躍中の鬼才・前田司郎が青春と魂の再生を描く。映画化作品。(監督は著者自身!)

感想・レビュー・書評

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  • 若者4人が、究極?のすき焼きを食べる場所を求めての小旅行物語。

    著者が脚本家でもあるからかもしれないが、会話の多い文章でテンポよく読み続けることが出来た。

    物語の中で、女性主人公が「好きな映画は?」と聞かれて答えに窮する場面があったけれど、確かにその気持ちは分かるなと。。

    私は学生時代に本棚に並べていた本には全てカバーを付けていた。これは、本を愛して汚れ防止とかじゃなく、知人が本棚に並んだ本の題名を見て、「私のことをこの程度の人間なんだ」と値踏みされるのが嫌だったから。
    三太郎の日記とかがあればいいんだろうけど、赤毛のアンとかさらにアンの青春まであったりするのが知れるとね~

    青春時代への郷愁を感じさせる物語だった。

  • いい大人が大勢ですき焼きを作るためだけに旅をするなんて馬鹿馬鹿しいけど楽しそう。

  • リリース:(茂樹さん)

  • 今回も僕的には傑作! と思うんですけれども、案の定、特にこれといったイベントの起こらない小説でして、万人には勧めがたい…といった感じなので☆三つに…。

    まあ、僕的には気に入っているんですけれどもね! タイトルにスキヤキとありますから、当然のことながら登場人物たちはスキヤキを頬張りますわな…(!)

    まあ、あとは学生の頃の友人たちが集って何だか昔を懐かしんだり、昔と今の元カノ? を比べたりして時が経っていきます…。

    著者はもう四十前だと思うんですけれども、よくぞここまで学生の頃の何とも言えないモヤモヤとした感情…を忠実に再現できますねぇ…と感心ばかりの読後感でした。さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 「5万円と仏像どっちかもらえるとしたら、どっちもらう?」
    「え、19万の仏像?」
    「そう」
    「そしたら19万の仏像もらって8万で売るよ」
    「どこに?」
    「ブックオフか何かに」
    「いくらブックオフでも、仏像は買ってくれないだろ」

    「お前ん家のスキヤキってどんなの?」
    「豚だよ」
    「それスキヤキじゃないんじゃない?」
    「だからこれはスキヤキをどう定義するかによるだろ?」

    『大川の母はスキヤキの語源を「好き焼き」だと思っているらしい。「お好み焼き」みたいなニュアンスでスキヤキを捉えていたことになる。
    自由な発想でスキヤキを大胆にアレンジしたのだった。』

    『簡単なのが嫌だった。もっと、攻めた結果のスキヤキが良いというか、前のめりのスキヤキを求めているのだ。』

    「凄さっていうのは外からは、なかなかわからないんだよ」
    「じゃあ駄目じゃん?」
    「なにが?」
    「わかんないだろ?」
    「わかんないけど、俺らは外じゃなくて中だからわかるだろ?」
    「スキヤキの?」
    「いや、スキヤキの中って言うか、スキヤキって言う組織の?」
    「全然わかんない」

    『僕は茶をすすった。
    何してんだっけこれ?
    四人で茶を飲んでいる。「お茶をする」という文化というか、行為というかがあるが、こういうのではなかったはずだ。お茶を飲みながらの談笑を「お茶をする」と言うのではなかったか? これはただ「お茶を飲む」である。』

    「あ、凄いスキヤ…あ、まあ、なんか、凄い、高い、肉」
    「だ、そういう高い肉とかじゃない、もう、超越したいの肉を、あのスキヤキを」
    「じゃあもうそれスキヤキじゃないじゃん」
    「あ、もうスキヤキじゃないよ」
    「え?」
    「…それがスキヤキじゃないんだったら、スキヤキじゃないよ、その、スキヤキを超えたスキヤキのことをスキヤキじゃないって言うんなら、スキヤキじゃない」

    「えなに? そんなにスキヤキやりたいの?」
    「だから、スキヤキはやりたくないんだよ」
    「スキヤキはやりたくないの?」
    「スキヤキはやりたくないよ、だから、便宜上スキヤキって言ってるけど、それはもうスキヤキじゃない」

    『立ち上がり、キューを取ってチョークをつけ始める。チョークをつける意味はいまいちわからないがカッコいいので、ことあるごとにつけるようにしている。』

    『わたしたちは、仲が良かった。多分。
    でも久しぶりに会ったから、そのときの感覚は遠い昔のことになっているのだけど、仲が良かったのだから今も仲がいいはずだ、という感じがあって、それは仲良く振舞わないといけないという圧力になっている。
    そういうのがなければもう少し気軽に話せるんだけど。』

    「俺なんか最近、腰が痛い予感がするんだよね」
    「予感?」
    「痛くなるなっていう前兆が常にあるみたいな? わかる?」

    「やっぱり、これだけ大きい身体だったら長く生きるんじゃないですかね?」
    「え、身体の大きさと寿命って関係ある?」
    「だってもったいなくないですか?」
    「え?」
    「ここまで大きくなるのに、凄いコストがかかるでしょ? 時間とか食糧とか、それがすぐに死んじゃったらやっぱもったいない気がするんですよ」
    「なるほど」

    『大学の友達と気が合った。会社の人たちとは、合わないように感じた。僕だけ違う人間のように感じていた。この人たちとは合わないとか思いながら仕事をしていると、実際には合っていようが合っていまいが、合わない。
    当たり前のことで、僕自身そんなことはわかっていた。わかってはいたけど、急に態度を変えることは難しく、結局最後まで馴染めないまま、仕事を辞めた。』

    「いや、つい、過去のことばっか考えちゃうと思って」
    「でも、過去のことしか考えられないんじゃないてますかね?」
    「うん? どういうこと?」
    「だって、わたしたちが考えることって、わたしたちの中にあることっていうか、なんかストックだけでしょ? それって過去のことじゃないかなって思うんです、わたしたちが知ってることって、全部過去のことっていうか」

    「それでも過去ばっか見てちゃやっぱ駄目なんだと思うな ー 未来はさ、真っ暗ってことでしょ? まだ何もない。それでもそっちを向いてないと駄目なんだと思うな」

  • 映画「ジ、エクストリーム、スキヤキ」の原作小説ですね(映画版は未見です)。

    前田司郎さん流の青春ロードノベルといった感じで、これは、前田司郎さんによる、青春小説の集大成(または、決定版)なのではないかと、そんなことをふと思ったりしました(とはいえ、前田司郎さんのほかの小説、読んだことないですが・・・)。

  • 映画の方を先に観た。映画の監督・脚本も前田司郎さんなので、小説は映画のストーリーと全く同じなんだと思って読んでみたら、結構色々な設定や話の流れが違っていて、映画は映画の面白さ、小説は小説の面白さ、ということ、書き分けがなされているのだということを、一つのこの作品を通して感じて、そういう点でも興味を持った。
    映画も、小説も、人物同士のやりとりが、「こういう気持ちが自分にもあるな」というところがあるのが好きで、そして読後に少し前向きになるところがとてもいい。
    小説の中で、好きな映画がなにか訊くという場面があって、そこで「そういうなんか、値踏みみたいになっちゃうから、駄目なんだよ」っていう台詞がある。この場面がいいなって思った。

  • 小規模なロードムーヴィー(うそ、映画じゃないけれど)、そこはかとない不安と哀しさ。やばい、ツボの小説。素敵だ。

  • うわああああと小さくお布団の中で叫びながら読む感じ。
    ぐるぐるぐるぐる考えていた大学時代を思い出す。
    そのどうしようもないとりとめもないグルグルと、すき焼きの懐かしさの、絶妙な絡まりあい方。
    ふんわりとした着地点にはもう少しな印象があったけど、全体に漂う空気は大好き。

  • タイトルがいいね。
    内容も★五つとの中間くらい。
    とにかく食べたくなってすきやき作って食べた。

  • 大学生時代の友人とその友人の女の子とドライブして温泉宿ですき焼き風鍋を囲む

    映画にもなってたんだ

  • めんどくせー。ひたすらめんどくさい青春の1ページ。4人のうち3人は30代半ばだから青春というにはちょっと薹が立っているけれど、とにかくこのめんどくささは若い人の特権なんじゃなかろうか。
    何かを集めるコレクターとしてのオタクでは無いけれど、相手との距離感を模索しながら場の雰囲気に合わせて自分を演じるのは真正の「お宅」だと思う。(今時のオタクはカミングアウトして堂々としているから違うかもだけれどね)
    「あーでもないけれど、こうでもないかもしれないけれど」みたいな思考の無限ループ。あー、めんどくさい。

  • 学生時代の友人と10数年ぶりに会い、その友人と4人でスキヤキをするためにドライブにでかける会話が中心の物語。なぜスキヤキなのか、それも今までにないスキヤキなのか、ばかばかしいような想いもそれぞれのつぶやきも青春の1ページとして共感できる。亡くなった友人が最後までなぜそうなったのか、想像にまかせられているところが「桐島、部活やめるってよ」に似た感じがする。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“今週の新刊”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/10.html

    前田司郎  「ジ、エクストリーム、スキヤキ」

    「もう、若くはない。だけど何かを諦めてしまったわけでもない。そんな、男心の赤裸々な部分がこの物語のポイントになっています」(代官山蔦谷書店ブックコンシェルジュ 間室道子さん)


    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • よくある話といえば、よくある話。女子的には。
    過去の男の人を見て、今の男の人とのことを決められる・・・みたいな。
    それを、男性作者が書いたところがスゴイな、(正直だな。勇気あるな。)と思った。
    そして、これを読んで、始終、スキヤキが食べたくなった。
    そういえば、実家にいる時って、しょっちゅうスキヤキが出てきてたけど、あれって、贅沢な事だったんだな・・・・。
    はー。今でも家のスキヤキが食べたい!

  • 学生時代が懐かしくなった。そうそう、学生時代ってそういう時期だよね、って感じ。でも、後ろばかり向いてもいられない。

    スキヤキをしようと思い立つくだりや、行き当たりばったりに行動していく様子のスピード感は魅力。

  • スキヤキ食いたし。
    大人についてのくだりがよい。
    映画観たいが、家でまったり観たいタイプかもしらん。

  • 昔のことを思い出してしまった。うまい!の一言

  • 過去は大切だけど、囚われたらいけないし、邪険にしてもいけない。のかなあ難しい。

  • 学生時代を思い出した。夜中に、友人4人くらいでふらっと車ででかけて、ラーメン食べて、適当に走って、海を見て、また適当に走って。ただひたすら楽しかった。ずっとこの夜とこの道が続けばいいと思った。そんな学生時代を思い出した。

    追記:
    読んだ後、ちょっとずつ振り返ってみたけど(読後、小説の世界感がなかなか居座って抜けなかった。じわじわと)登場人物の大事なところは結局ほとんど語られないままだったんだなあと。情報量は極めて少ない。それでもこの人物達やら距離感やらに共感しているのは、やっぱり同じような想いを過去も今も抱いているからなのかなぁとぼんやり考える。読む世代や時代が違うとたぶん文脈から感じることもきっと大分ちがうんだろうけど。
    映画の予告編を見たけど、ちょっと小説と映画ではストーリーとか人間関係がちょっとずつ違うっぽい。

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著者プロフィール

1977年生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。和光大学人文学部文学科在学中に劇団「五反田団」を旗揚げ。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。同作が野間文芸新人賞候補となる。2006年、『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社)が野間文芸新人賞、三島由紀夫賞候補、2007年、『グレート生活アドベンチャー』(新潮社)が芥川賞候補に。2008年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。同年、『誰かが手を、握っているような気がしてならない』(講談社)で三島由紀夫賞候補。『夏の水の半魚人』(扶桑社)で第22回三島賞。その他の著書に、『逆に14歳』(新潮社)などがある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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