よだかの片想い

著者 :
  • 集英社
3.88
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本棚登録 : 1057
レビュー : 165
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715071

作品紹介・あらすじ

顔にアザがあるアイコ。研究一筋の大学院生活を送っていたが、映画監督の飛坂と恋に落ちる。しかし飛坂は仕事優先、女優とのスキャンダルも飛び出し、アイコは自身のコンプレックスと向き合うことに…。

感想・レビュー・書評

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  • 生まれつき顔に大きなあざのある大学院生のアイコ。
    彼女がそのあざをきっかけに一歩踏み出し初めての恋をするお話。

    最初にこの物語の設定を読んだ時にホーソンの「痣」を思い出した。少しは影響を受けてるのかなと。
    当たり前だけどかすってもいなかった(笑)
    アメリカンルネッサンスじゃないんだからキリスト教の原罪がどうこうなんて出てくるはずもない。

    むしろ島本さんにしては重くない爽やかな初恋ストーリだった。
    DVも虐待も出て来なかったし。
    コンプレックスを持った女の子が初めての恋に戸惑いつつも自分を見失わない姿はカッコいいし、キラキラ輝いている。
    それに主人公のアイコを取り巻く人達の姿がまた良いんだな。
    ミュウ先輩、教授、アイコの母親。
    みんないい人ばかり登場するのもどうかと思うけどまあ良しとする。

    話の展開とかオチが読めてしまうのが難点と言えば難点。
    これを除けば島本さんらしい素敵なラブストーリだ。
    キュンキュン出来ること間違いなし!

    • まっきーさん
      こんにちはー。
      いつも花丸ありがとうございます。

      島本さんのキュンキュンラブストーリっていいですよね(o^∀^)

      重い話しが多い分、島本...
      こんにちはー。
      いつも花丸ありがとうございます。

      島本さんのキュンキュンラブストーリっていいですよね(o^∀^)

      重い話しが多い分、島本さんの胸キュンな作品は楽しみ度が増します!

      図書館の予約待ちしているのですが、vilureefさんのレビューみたら
      ますますわくわくしてきました♪

      2013/06/17
    • vilureefさん
      まっき~♪さん

      花丸&コメントありがとうございます。

      予約待ちですか~。早く来るといいですね!
      痣のある女の子って言う設定を除...
      まっき~♪さん

      花丸&コメントありがとうございます。

      予約待ちですか~。早く来るといいですね!
      痣のある女の子って言う設定を除けば、(いい意味で)ベタな少女漫画のようなお話でした。
      こんな本を読むとどこかに忘れてきた私のピュアな心が蘇ります(笑)

      まっき~♪さんのレビュー心待ちにしていますね(^_-)-☆


      .
      2013/06/18
  • 生まれつき顔に大きなアザがあるアサコ。
    アザを異物とされ、からかわれたり見て見ないふりをされてきた彼女は着飾ることや女性らしくあることにも頓着しないようになるが…

    アザをきっかけに舞い込んだインタビューの依頼と、そこで出会った監督。微笑むことも出来ない硬い表情の彼女に「強い」と言い、抱えてきた思いに理解を示してくれた監督と彼の撮る映画に恋をしてしまうアサコ。

    不器用なくらいまっすぐなアサコの想いに胸打たれる。と、同時に監督のような男性に惹かれたら傷つくのは必至なので、やめておきな!とも思う。

    島本作品では今作が一番好きかも。

  • 島本さんは好きな作家のひとりで
    とくに初期の作品が好き。
    この作品はそんな感覚が戻るような一冊だった。

    20歳そこそこで、学生で、こんな決心ができるとは
    これからどんな恋をするのだろう。
    大人だな。
    相手との年の差も感じないような恋をしていた。

  • あー、感動したよ~(TωT)

    先日読んだ綿矢りさの「憤死」と同様に、いい意味で裏切られた感じがしたし、読みながら「これ本当に島本さん?」と表紙を見返しながらゆっくり読みました♪

    最近、「綿矢」「島本」「金原」作品の区別がつかなくなって脳内がごちゃごちゃしてきている。(困ってます・汗)3人ともリンクしているような部分を感じるのは、私だけ??

    島本さんは「波打ち際の蛍」「君が降る日」「真綿荘の住人たち」「あられもない祈り」「七緒のために」あたりから上がったり、下がったりしながらも、きらきら&メキメキと成長してきている。このパワーはすんごい!と思います。

    最近の作品のあとがきで「書くことをためらわないでこれからも書き続けていきたい」的な発言していたけど、留まることを知らない、でも安定感のある島本さん好きだわ。

    途中で読んでいて私の気持ちも、少しグラグラと揺れたけど今回の主人公のアイコは芯が強くて、ぶれない。不安定な感じはなく、安心して読めました。

    いつものきらきら文章に柔らかさや、優しさが加わって
    それでいてキレがあって、もう脳内には夜空が広がりました。

    クライマックス時に、夫や子供が食事している居間で、涙が出て下を向きながら、こっそりとティッシュで涙をふきました。


    =本当は全ての人間がアザを負った当事者、すなわち
    「よだかの星」の「よだか」である。 穂村弘氏=

    ↑帯のコメントも素敵ですよ♪

  • 生まれつき顔にアザがあるアイコ。
    どうしたら顔のアザが目立たなくなるのか、身体的コンプレックスは心の奥底まで侵食していき、アイコは常に人目を気にしながら生きてきた。

    そんな臆病なアイコの人生は、一人の男性との出逢いによりガラリと変わる。
    「一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら、同じ場所にいること」
    こんなセリフをさらりと言われてしまったら、好きにならずにはいられないだろう。
    どこまでも真っ直ぐで不器用なアイコの「片想い」。
    これでいいんだよ、良かったね、とアイコに心から言ってあげたい。
    アイコの心の強さ、真っ直ぐさが私には眩しい。

  • はじめから鳥肌たちっぱなしの涙腺緩みっぱなしでそのまま終わった。島本理生さんの新刊は、デビュー作のシルエット、ナラタージュ、波打ち際の蛍、君が降る日、がすきな人には大満足であろう作品に仕上がっています。わたしは著者の、とくに上記にあげた作品が大好きなので、読みはじめからその世界観に感動しっぱなし。読むというよりも感じる作品。少女漫画みたいな。恋愛小説。甘酸っぱいなー。

    うまれつき顔に痣のあるアイコは出版社で働く友人の頼みで顔に痣のあるひとたちのルポルタージュの取材を依頼される。そのルポルタージュは反響が良く、やがて実写化へとなり、そこで映画監督の飛坂さんと出逢い、23歳の遅い初恋を経験することになる。

    島本作品の男性っていいですよね。なんかダメなのにダメに感じさせないし、あなたとか、キミとか呼ぶ感じ。とても気持ちの良い敬語、丁寧語。そして優しいの。欲しい言葉をくれる感じがたまらない。
    はじめての贈り物で高級なアンティークの手鏡を贈った飛坂さん。それをいともかんたんに夜の交差点の真ん中で投げてアイコに渡す! うわー。痣のあるアイコに手鏡なんて、と思うけれどその後の飛坂さんの感じとかとても良い。
    あと一緒に歩いているときにアイコが痣のことを通行人の男の子に嫌な感じで言われたときにその男に向かって謝罪を要求するところ。そしてそのあとに
    「一緒のときに、あなたが悪く言われたら、反論する責任は僕にはあるでしょう。一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら、同じ場所にいることなんだからさ。それは立派な理由だし、責任だ」
    うわーうわーうわー。たまらん。
    飛坂さんだけでなく、たとえばアイコの大学院の教授や、E.T.と呼ばれる後輩の原田くんとか、みんないい。嫌な感じのひとが皆無だし、たとえば嫌な感じのひとがいてもさらっとしてるところがよい。
    よーく読んじゃうと、んんん? と疑問に浮かぶ描写とかあるけれど、あんまり考えないでただ感じるままに島本さんの作品は読んで欲しい。読んで、脳に言葉が入ってくまま、そのままなみだ止まらなくなります。やっぱ大好きです。大満足。

  • 今までに読んだ小説の中で一番泣いたかもしれない。

    普通の人で、生きていて本当に毎日が幸せで満たされている人はほとんどいないと思う。
    誰しも小さなモヤモヤを抱えたり、日々何かに悩まされていたりする。
    でも、言葉にうまく言い表せないような喜びや希望とも日々出会うわけである。黙って通り過ぎてしまうだけで。
    そんなキラキラした瞬間を、島本理生さんは決して見逃さない。すごい作家さんである。

    「よだかの片想い」は、誰かを好きになるということで人はどれだけの強さを手にし、どれだけのキラキラと出会うかを目の前で教えてくれた。

  • 16/07/11
    恋する乙女度満点の、読んでて「きゅーーーん」てする小説です。幸せな“きゅーん”ではなく、切なくていたたまれない“きゅーん”です。
    「アイコさんといると、気を遣わなくていいのに、背筋は伸びるよ」て言葉、いいなあ。わたしもそんなふうに言われたいねー

    ・その後ろ姿に、私は両腕でしがみついていた。
    腕いっぱいの大きな体が今ここにある。それだけで死にそうで、どうしてこの人に出会ったのだろう、と思ったら、もう耐えきれなくて
    「好きです」
    とうとう、言ってしまった。
    飛坂さんは小さく、アイコさん、と呟いた。
     私は遮るように声を絞り出して、好きです、好き、好きです、とくり返した。髪の毛や指先から溶けて泡になってしまう気がした。(P95-96)

  • 傷を負った主人公の話はすごく感情移入する。自分を投影するからだと思う。それだけ私は傷に人生を支配されてるんだなと思った。
    そして、自分も認めてもらえた気持ちになって胸がいっぱいになる。
    久しぶりの島本理生作品。やはり好きだ。

    主人公アイコも、恋をした飛坂も心に負った傷にがんじがらめになっていて、その描写がリアルだった。傷を負ったもの同士は惹かれ合う、だけど必ず離れる。改めてそれを感じた。

    印象的だったセリフを幾つか。

    私だって、もっと可愛くてアザなんてない顔に生まれたかったとか、弱音吐きたいときはある。でもそんなことを言ったら、親や〜もっと困難のある人たちまで、ぜんぶ否定することになるから。あなたが弱くたっていい。でもその弱さに甘えるのは間違ってる。

    アザと呼べば、まるで欠点のように聞こえてしまうけど、僕は純粋に目を奪われました。その女性が葛藤しながらも強く生きてきた証に。

    本当は全ての人間がアザを負った当事者。

  • 野武士アイコ!かっこいいよー(T_T)1度の恋から吸収する力、伸び率がハンパないです。そうゆう出会い、例え叶わなくても大事にしたいなと思った。今までまっすぐに、真摯に生きてきたアイコだから言える言葉があって、わかる気持ちがあって。。他人と深く関わることで自分がちゃんとみえるようになるんだなー。みゅう先輩も素敵!また読み返したい。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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