世界地図の下書き

著者 :
  • 集英社
3.57
  • (121)
  • (385)
  • (351)
  • (69)
  • (11)
本棚登録 : 2476
レビュー : 396
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715200

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「何者」の印象がそのまま作風のイメージになるくらい強烈だったから、毒が薄めで意外だった。あまり痛くならなくて読み易かった。

  • 子供たちだけでなく、取り巻く大人たちの心の痛みが伝わってくる感じがした。
    太輔くんのご両親に対する思い。誰も代りにはならないという気持ちもすごく共感できる。
    太輔くんと佐緒里ちゃんの今後も知りたかったな。
    子供たちが作って空を舞ったランタンを見てみたいと思った。

    物語だけど、同じような施設やそこでいろんな思いを経験している子供たちは現実にいるのだよなぁと思うと、何とも切ない。

  • 2018/08/02
    児童福祉施設が舞台。子供達が主人公の話。主人公が小学生だから感情移入しにくかったけど、子供なりに一生懸命に頑張る姿は引き込まれるものがあった。
    どんな道でも同じ広さの道というような佐緒里の言葉が心に残った。

  • 養護施設に預けられた五人の子どもたち。
    それぞれが辛い環境の中でも希望を見つけようとし、それをつかもうとするけれど
    結局誰ひとり希望をつかむことができなかった。
    東京にいけず、母親の暴力は治らず、友だちを得ることはできず、自分を受け入れようとしていた人が求めていたのは自分ではなくただ「そばにいてくれる人」だった。
    それでも、次の希望に向けて、次の「私たち」に出会うために、それぞれが違う一歩を進もうとする。何かを諦めて。

    どうして世の中はこんなにも残酷なのか
    どうして小学4年生の小さい子に、頑張っても変わらないことを分からせないといけないのか

    逃げることは悪いことではない。
    5人に、それぞれの新しい「私たち」が見つかりますよう。
    それを祈るばかりです。

  • 20180508-65

  • 児童養護施設で暮らす子どもたちの物語。

    世界のどこで生きようが乗り越えないといけない壁には必ずぶち当たってしまうわけでして。

    どんな環境下であっても希望は減らないと思い込まないと生きていくのはとても辛くて。

    現実と理想の壁、生きにくい場所から逃げる事の必要性、
    現実と戦いながら生きていかなければならない人間の宿命。

    決してハッピーエンドではないけれども
    読了後は他人に対して優しくなれること間違いなし。

  • 久しぶりにジーンとくるラストシーンの本だった。施設の子たちはこんなに仲良くなれるものなのか。それぞれに壮絶な人生があるがそれを露骨に書かずにラストまでもっていくとこがいい。
    だからたんたんと静かに物語が進む、それが若干退屈に感じた。
    とにかくラストですべてです。

  • 約束を守っても、変わらない人は変わらない。
    でも、自分は変わり続けることができる。

    逃げてもいい。希望は、減らない。

  • 登場人物が若すぎて、途中どうかなと思ったこともあったけど、読み終わってみると、いろいろ考えさせられることもあって、読み応えあったと思います。

    先日NHK『ニュース深読み』でJKのスマホの話題を取り上げていて、「若い子って大変だなあ」と思った。けど、自分がその年頃なら、間違いなくそうだっただろうと思いました。

    そしてこの小説は5人中4人が小学生。
    読みながら自分の小中学生時代を思い出す。
    もちろん楽しかったこともたくさんあったけど、ぜったい戻りたくない。

    でも、みんなに、高校生ぐらいまでは、どんなに辛くても決められた集団生活の中で頑張ってほしいです。
    意味があると思うのです。

    そして、おとなになったら、とても楽しいから。

  • 児童養護施設に暮らす、小学生から高校生の子供達。じぶんのおもうようにならない、理不尽とも言える問題と戦いつつも、いくら挑んでもどうにもならないこともある。
    それぞれの事情を抱えながらも、子供達なりの知恵を働かせているが、そこはこどもで、浅はかな行動をとる。
    大人になるにつれてだんだん経験を積み、世界が広がっていく。でも、子供ってこういう思考回路だったな。目の前の世界だけがすべてだった。
    子供時代っていうのは、自分の世界の地図を下書きしている時なんだ。
    だから、圧倒的にひとりだと感じたり、 いじめられたらにげればいい、笑われたら笑わない人を探しに行けばいい、うまくいかない時には離れればいい。その先には希望がある。

全396件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

世界地図の下書きのその他の作品

朝井リョウの作品

ツイートする