世界地図の下書き

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2473
レビュー : 395
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715200

感想・レビュー・書評

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  • 映画のヒット&直木賞で定着しかけていた朝井リョウのイメージを見事に塗り替えられました。これはすごい。

    最初の数ページで空気感と状況説明をバチッとキメられた時点で「おぉ…これは凄そうだ」と思ったけれど、最後までグイグイ来ました。
    孤独感とか裏切りとか勇気とか、ぎゅーっといろんな感情が詰まっていました。
    「希望はあるんだよ」ではなくて、「そう思わないと負けそう」というところまで書いちゃうんですよね。すげえ。

  • 2階書架 : 913.6/ASA : 3410160192

  • 社会や周りの大人に翻弄され、生きづらさを抱え戸惑い苦しみつつも、一所懸命に生きていこうとする太輔たちの心情がとても丁寧に描かれていました。
    大衆に流行りそうなドラマやマンガと違い、相手に逆らって、正しい方向に矯正しようとするのではなく、目の前の現実は変えることができないものだと割り切ってあったことで、派手なストーリーにはならなかったかもしれないけど、一人一人の孤独感やつらさがとてもリアルに感じられました。
    とてもいい作品だと思います。

  • ビニールシートごしの、土のボコボコした感触など、小さい頃の感覚を思い起こさせる文章が、ところどころに潜んでいて、あぁ、いいなぁと思いました。

  • 大阪であったサイン会に行けなかったので、代わりにサイン本購入。今までは若者を書いてきた作者が今回書いたのは子ども。児童養護施設の子どもたち。そしてこれは前向きな逃げの作品でもある。今いる場所が全てじゃない、逃げるのは恥ずかしいことじゃない。子どもたちに辛い時は逃げたっていいんだよ、と確かな道筋を示してくれる作品でもある。「情熱大陸」を見てから読んだので、ワンシーンワンフレーズにこめられた作者の想いの重さを知る。朝井リョウまだまだでっかくなりそうだ。この装画もいいけど雑誌連載時のスカイエマさんの挿絵も見たかった…2013/207

  • 読み終えて表紙を見ると誰が誰なのかよく分かった。
    みんなのいる場所がバラバラになるときに「私たちは、絶対にまた、私たちみたいな人に出会える」という佐緒里の言葉がいい。

  • 朝井さん、本当に起用です。
    こんな作品も書けるんだと思いました。
    それも、結構丁寧に描かれていて
    綺麗すぎるとは思ったけど、たまに感じるピリッとするようなリアルさに泣きました。

    ただ、終盤に進むにしたがって、ぱたぱたと慌てた感じがあって惜しいなと思いました。
    ラストのクライマックスを盛り上げようと思ってかもしれないけど、少しまとまりがない気がしました。

    でも、朝井さんのメッセージは伝わってきました。

  • 児童養護施設で暮らす5人の子供たちの話。

    変えようと思っても変えられないこと...
    大人の事情に振り回されたり
    子どもだけの力じゃどうにもならないことに直面したり。


    逃げてもいいんだよ
    その先にも同じだけの希望があるはずだから

    っていう言葉が心に残った。

  • ちょっと小説気分でつまみ食い…。
    なんか、他の作品とちょっと違う?う~ん。溢れてきちゃって書いたというより、きちんと「書こう」と思って書いた感じ?
    入り込むまでに、ちょっと時間がかかった。
    でも、後半イイね。切なくってね。強くってね。
    そりゃ~、君とがいい。君たちとがいい。でも、それが叶えられない年齢ね。
    きっと同じくらい大切な人に出会えるよ…って未来に希望を託すしかないお年頃の蒼い悲しみ。
    うん。良かった。

  • 両親が交通事故で亡くなり、引き取られた先で伯父さんに暴力を受け、太輔は児童養護施設へと移った。小学校三年生のときだった。

    母のようで大好きな存在の一番お姉さんの佐緒里。
    同じ年の優しい性格の淳也。
    気が強くてませている美保子。
    おてんばで好奇心旺盛の淳也の妹の麻利。

    ずっと一緒にいてくれる人を探して
    自分のために太輔を求めてきた伯母さんを突き放し
    それぞれ個人や家庭の事情を抱える養護施設の兄妹たちと一緒に
    成長していくなかでランタンと通じて今しか出来ないことを
    協力してやり遂げて見つけたもの。

    大学受験を諦めざるを得なかった佐緒里。
    本当は学校でいじめられていた淳也と麻利。
    大好きなお母さんに虐待され突き放された美保子。
    みんなバラバラになっていくのが寂しかった太輔。

    逃げてもいい。その先で、自分を受け止めてくる人が、必ずいるから。

    子供は無力~。
    最後がこういう展開になるとは思わなかったけれど、逃げてもいいっていうのは、それでいいと思った。

    逃げてばかりはよくないけれど、すべてのことに立ち向かっていくのも大変だしね。

    著者の本はリア充なので、読んでいて偏屈な気持ちに囚われて素直に物語を受け入れられないんだけど
    今回のは比較的、著者らしく(?)、キレイ事すぎず、暗すぎずに、
    多少リア充に打ちのめされそうになりながらも、特に何の感情も湧き上がることなく淡々と読める。

    いいのか悪いのか。でも面白かったかも)^o^(

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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