世界地図の下書き

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 395
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715200

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  • 朝井リョウさん「世界地図の下書き」読了。幻想的なランタンが夜空を漂う「蛍祭り」そんな祭りがある地域の児童養護施設「青葉おひさまの家」を舞台にした子供たちの物語。中三でまとめ役の佐緒里を始め、関西弁の麻利、淳也兄妹、大人びている美保子、主人公の太輔の日常が描かれる。様々な理由から親元を離れることになった大輔たちは、親への愛情、慣れない環境、過去のトラウマを抱え、不安に押し潰されそうになりながらも互いに絆を深めていく。。
    物語が進むにつれ、子供たちに愛着が湧き、避けられない問題の数々に一緒に悩む。そしてラストは期待通りの展開ながらも、温かい気持ちで読み終えることが出来た。物語を通じ、今はまだ、子供たちの世界を構成する地図の断片、その下書きでも、きっと未来には鮮やかな世界地図が出来上がるだろう。「がんばらなくてもいいんだよ」「きっと道は開ける」と優しく励ます朝井さんのメッセージが伝わってくるようでした。学生さんなどにオススメしたい作品です♪

  • 2013/11/25読了。

    太輔、淳也、麻利、美保子、佐織里。
    児童養護施設で過ごす5人はそれぞれの事情を抱えている。

    傷も失ったものも多い。

    そんな太輔たちが施設を巣立つ佐織里のために、実行するアリサ作戦。

    人のためになにかをするということ。
    努力で叶えられること、叶えられないこと。

    きれいごとばかりじゃ
    生きていくことはしんどい。
    偏見や考え方の違いや…
    いろいろな試練に晒されて、5人は成長していく。

    自分が納得して選んだ道ならば、
    どんな道でも後悔しないはず。

    それが逃げることになっても、
    その決断をしたことが強いと思う。

    朝井さんの答えは、優しい。

    がんばりすぎて、折れてしまうよりも
    自分が心地よい場所を見つけることが大事なんだと。

    ラスト、とても素敵でした。

  • 読んでると何度も何度も実家近くの児童養護施設を思い出す。
    洗濯機が何台もあって、広いお風呂と食堂と玄関があって、そんなきれいじゃなくて、4人部屋で。
    そこに住んでた同級生のことばも。思い出す。思い出す。

    後半からは一気に読んで、どんどんこの子達に惹き込まれた。
    そして少しだけ泣いた。

    たぶんこれは映画化するだろうな。映画化しやすそう、という意味も込めて。

  • じ〜ときました。さすが若手実力作家。作品ごとにメキメキと腕をあげています。後半は一気読み。幼い子供のころの孤独、迷い、年長者への思慕、母性にたいする求愛などを見事に表現していると思う。子供たちの成長を見守る施設のリーダーや年長者が若年者を支える構図も見事。暖かく、優しく、強い。心が温まりました。

  • 朝井作品は実はお初^^メディアとかで見かける朝井氏の雰囲気や喋り方と同じでさっぱりとして判りやすい文章はとても好感が持てる。中盤までは淡々としたイメージだったんだけどラストがとても良かった。いじめられたり、嫌悪感を抱く存在に無理に立ち向かって行こうとしなくてもいいんだ。逃げてもいいんだよ。・・・っていうメッセージ。子どもたちだけじゃない、全ての人にも通じる強い著者の思いがが伝わってきてジーンときた。できるだけ小学生とかにも手にとって欲しいと思ったからこんな表紙絵にしたのかな。

  • 「逃げていい」ということを卑屈でなく、温かく教えてくれる話。「銀の匙」でも語られていた、「生きるための逃げはアリ」ってやつですね。
    カバーイラストがなんかもう絶妙すぎます。彼らの人生に幸あれ。

  • 「逃げたっていい」は最近の感覚だよね。逃げることで広がる道もある。どんどん道は続いていて、行きどまったりしない。

    希望は減らないー。
    そう考えたら生きやすくなるかな。

  • 児童養護施設での子供達の話。幼いながらも厳しい現実と向き合わなければならない少年少女の姿をリアルに、そして残酷に描いています。朝井リョウの世界は決して優しくはないけど、どこか希望を持たせてくれます。

  • 朝井リョウの描く世界はあまくない。やさしく残酷だけど、希望が持てる。最後の数ページに全ては集約されている。

  • 虐待、両親の離婚など、さまざまな理由で児童養護施設で暮らす子供たちの成長物語。

    子供たちが良い子すぎる、養護施設の現実としてはちょっとリアリティに欠けるなどなど、気になる点はいくつかあるが、でも引きこまれた。
    終始切なく、そして子供たちがあまりにも健気。
    泣けました。
    彼らのその後が読みたい。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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