ペテロの葬列

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2955
レビュー : 488
  • Amazon.co.jp ・本 (690ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715323

感想・レビュー・書評

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  • 昨年末に単行本化された、宮部みゆきさんの小説です。図書館で半年以上待ってやっと順番が回ってきました。大部(600ページ以上)で、読むのにも時間がかかりましたが、この1週間楽しい思いをさせていただきました。

    この本を通して感じたのは、昔は個人の力では大したことはできませんが、今はネットの力を利用することで凄い復讐ができることがわかりました。

    著者の宮部さんは、一時期世間を騒がせた豊田商事事件や、ネットワークビジネスの被害者のことを詳しく調べられているようですね。ネットワークビジネスの会員にも勝ち組と負け組みがいることが書かれていて驚きました。

    ネットワークビジネスが破綻した場合、当局に捕まるのは上層部の経営者のみ、会員で良い思いをしていた(会員間で融資をして儲けていた)人は、お咎めなしだと思います。この本では、この部分がお話のポイントになっていました。

    当然、この本はフィクションであり、本の最後はその旨が記されていますが、私はある程度の事実に基づいて書かれていると感じています。この本を通して、それらのビジネスの裏が垣間見えたように思いました。

    2014年10月20日作成

  • 杉村三郎シリーズ三作目。導入部で、バスジャックに遭遇したときに何を考えていたか、と問われて何も考えていなかった、と回想するシーンを読み、二作目を読んでから時間が経っていたため「前作にそんな事件起こったっけ、嘘つき女性の話じゃなかったけ」「これ三作目じゃなくて四作目?」としばし混乱してしまいました。時系列をずらして書かれていただけとわかったときはちょっと気が抜けてしまいました。そのせいもあってか、イマイチ乗り切れず、そして扱われている題材がいわゆるねずみ講でどこの誰でもひっかかってしまいそうな、作中で言うところの”入り口は被害者でも出口は加害者”、というやりきれない種類の悪行だし、すっきりしない気持ちで、でも宮部さんの文章なのでどんどん読み進む。中盤を過ぎ雲行きは怪しくなるばかり、そしてバスジャックを起こした動機もイマイチぴんと来ない、終盤にはかなしい出来事と杉村家に問題が起こるし、、、
    その割には事件にまつわる不明な点は不明なまま残されていて、不完全燃焼。退職した杉村が私立探偵行につくかも、という予告めいたものもあったので、四作目にもこの事件の謎は引き継がれるのかもしれません(図書室蔵書)。

  • 今度は杉村さんがバスジャックに?!みたいなことが帯で書かれてて「帯でネタバレすんなよ」と思いましたが別にそこがクライマックスとかそういうことでもなくあくまでも冒頭の話なので大丈夫でした。自分と同じくネタバレを嫌悪する方のために。

    ていうか。
    メインのストーリーは普通に面白かったんですが、他の方のレビューもこれ一色ですが、ラストがなあ・・あれはどうかと思う。
    「以前のあなたを取り戻してほしかった」みたいな感じのことを言われて浮気って。それはないわ。取り戻すもなにも、実家も家族も仕事もなにもかもなくして放り出された悲惨な末路にしか見えん。都合のいい浮気の言い訳のテンプレにしか見えなかったんだけど、女性目線でみたらまた違う評価なんだろうか?
    最後が衝撃的すぎてメインとなる事件が吹っ飛んでしまった印象。

  • 久々の超長編にトライ。
    バスジャックの話からここまで話を膨らませられるのがすごいなというのが一番。終盤に向けて伏線が回収されていくのが、毎度のことながら気持ちよかった。
    オチはなんとなく気づいた。

  • 希望荘と読む順番が逆になってしまったのが痛恨でした...。

    詐欺の社会問題とその被害者をテーマにした話だったんだけど、なんというか、やはりこういう社会問題をテーマにした作品だと「火車」と比較してしまって、少し低い評価に。

    結局最後のくだりで素人探偵を卒業してわけですが、ただの探偵小説に合流して終わりということもないと思うので、今後の主人公の動向に期待したいです。

  • 老人によるバスジャックから始まるミステリー。
    老人は何者なのか、何を目的にしていたのか。
    徐々に明らかになっていき、物語の終盤を迎える。
    と思いきや、そこから二転三転。
    いやミスになりました。

  • 杉村三郎シリーズ第3弾。
    最初はまた犯罪に巻き込まれてるわ~と軽く読んでたんだけどね。
    最後の最後に「え?」って仰天。
    まさかの別れ?浮気?ウソでしょ?
    急に生々しくなってびっくり。
    犯罪に巻き込まれて家族愛を再確認するストーリーだと勝手に思い込んでたから衝撃度半端なかったです。
    結局女って寂しいと浮気するんだよね。
    この生々しさにびっくりしました。
    今度は探偵シリーズとして生まれ変わるのかな。

  • 今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める杉村三郎はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。事件は3時間ほどであっけなく解決したかに見えたのだが―。しかし、そこからが本当の謎の始まりだった!事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた!あの杉村三郎が巻き込まれる最凶最悪の事件!?息もつけない緊迫感の中、物語は二転三転、そして驚愕のラストへ!『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ待望の第3弾。 (「BOOK」データベースより)

    そうか!シリーズものだったのね。知らなかった。バスジャックという非日常から、詐欺事件、セクハラや不倫と、緊迫感ありありでしたが、うーん・・あんまり現実味がなかったなぁ。主人公がいい人すぎるのかなぁ。私もこの人だったらつまんないなぁと思った(笑)。ドラマ化されていたんですね。ドラマとか映画とかにはいいと思う!!

  • 話の盛り上げ方はうまいけど、種明かしになると、とたんに残念な感じになる。
    臨死体験で改心しましたって言われてもね。
    それに、菜穂子さんの離婚の決意も、お嬢さんは気分屋としか思えない。

  • バスジャック事件に遭遇した人質メンバーの繋がり。犯人の残した言葉が実現し、彼ら自身がその秘密を探っていく中で、様々なことが判明し、次の事件が。この著者の推理小説は「推理」する楽しみというよりも、次々起こってくる事件のストーリーの意外さを楽しませるとともに、社会の問題を浮かび上がらせるもののように思う。マルチ商法事件の闇を抉っていく内容は現実であるだけに、この問題の社会へ与えた大きい傷跡を辛い思いで読まざるを得なかった。

著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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