- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087715392
感想・レビュー・書評
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織田信長の本質を描いた作品としては、まさしく傑作と言える。
母である土田御前と織田信長との関係に注目し、どのようにして、あのような非情な魔王が出来上がったのか。
母に愛される事のない信長。生き残るには、血族であろうと容赦なく戦わないといけない宿命も、信長は背負っていた。
織田信長の切ない心情がうまく書かれている、今までにないものと言える。
ところで、土田御前は、実の兄弟の殺し合いをも目前にする事となるが、さらに、本能寺の変のあと、孫の織田信雄の代まで長生きすることとなる。自らが招いたとはいえ、切ない人生であった事であろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
信長誕生から、桶狭間の戦いまでを取り上げている。
ゲームとか、アニメとか桶狭間の戦い以後しかないものが多い中で、尾張統一までをじっくりと書き上げただけで高評価に値する。
木下藤吉郎の指六本とか、桶狭間山が出てくるあたりなどじっくりと史料に目を通したのだろうと思われる。 -
信長の初期、尾張時代の題材。
母土田御前(久子)に踊らされた弟信行との対立を軸に、妻桔梗と道三、そして対立の犠牲となった吉乃。
戦はまだ小規模だが、結構、興味深く読める。 -
人間「信長」の内面を描く力作。とても重厚な物語を読んだ満足感が残る。歴史物というより、愛憎劇。あいかわらずキャラクターの造形がうまく、魅力的。歴史には詳しくないけれど、信長がとても好きになった。あれだけのことを成し遂げた人物のエネルギーの源として、母の愛への渇望転じた憎しみ、というのは説得力があった。その物語の中で、正室である帰蝶の存在がとても効いている。お見事。
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思うに
自己チュー女が時代を変えてしまったお話
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ひりひりと窒息しそうな切なさのなか
帰蝶さんの存在だけがぽっとあったかい。
ひとはそれを愛と呼ぶのかもよ。