おれたちの故郷

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 160
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715637

作品紹介・あらすじ

東日本大震災より1年。耐震基準が問題とされ、存続の危機にある児童養護施設・魴ぼう舎を守るため、仙台から陽介、青森から卓也が駆けつける。けれど、主宰の恵子おばさんは…。シリーズ第一部完結編。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズが終わってしまった。
    すごく楽しく読めたシリーズでした。
    サラッと読めちゃいました。

    内容は楽しい話もあるけど施設のこの話で、生い立ちとかはキツいものがあったが。

    シリーズ最後は、自分達が過ごした施設の存続危機の話。
    恵子おばさんは、今までの様に何があっても続けるって気持ちもない。
    それを、みんなで支えて行くお話。

    もう続きは読めないのかと思うと寂しい。

  • 「おれのおばさん」シリーズ4冊目 第1部完結編となる
    全4冊とも装丁は、抜けるような青空で、この装丁にも惹かれていたのだが、この巻の一節にこんな描写があった

    「三年前の五月に初めて札幌に来た時、おれは空の広さに心を奪われた。おれはこの街に救われた。あこがれて北海道にやってきたわけじゃないけど、おれは札幌の空に救われたんだ。この広い空があるから、おばさんだってなにがあってもへこたれなかったんだ」

    青空の装丁は、ここからきているのかなと思った
    札幌の広い空は陽介やおばさんの生きていく拠り所なのかもしれない

    相次ぐ地震で魴鮄舎も耐震基準を満たしていないということで、取り壊しの危機が・・・

    「わたしたちは、魴鮄舎があったから、恵子おばさんがいたから、親と暮らせなくても強く生きていこうと、心の底から思えるようになったのです。誰だって家族と暮らしたい。でも、家族と暮らせない不幸をおぎなってあまりある喜びを、魴鮄舎は与えてくれました
    広い海を泳ぐ鮭がいつか故郷の川に帰ってくるように、わたしたちは決して魴鮄舎を忘れません。わたしたちにとっては、魴鮄舎こそが故郷なのです!」

    魴鮄舎を守ろうという一大ムーブメントを起こす陽介や卓也たち

    NHKの朝の連ドラみたいな話だった
    4冊続くと、毎回前のおさらいみたいな重複するところが多く、ちょっとしつこい感じは否めないが、人々を惹きつけてやまない恵子おばさんのパワーは半端ない



  • 魴鮄舎がなくなるかもしれない!

    突如持ち上がった閉鎖問題に陽介と卓也は…。
    かたや仙台の有名進学校で首席を争う、陽介。
    かたや日本の高校バレーボール界の期待の星、卓也。
    そんなたくましく成長しつつある二人が、
    自分の生活もおぼつかなくなるほど動揺する。

    彼らには恵子おばさんがいてくれる魴鮄舎が、
    故郷であり心のよりどころだったんですよね。

    ”故郷”って生まれ育った所ばかりではないのだと思います。

    つらいとき思い浮かべる顔。
    ふと帰りたくなる場所。
    まわりがすべて敵のように思える時も、
    きっと守ってくれると信じられる場所。

    彼らにとってのそんな大切な場所が守られて、本当に良かった。

    いつも清々しい気持ちにさせてくれる作品です。

  • おれのおばさんシリーズの第一部完結編。スポーツドラマの要素もあり楽しめた。ただ、毎回これまでのあらすじを読まされるのは、最初から読んでる読者としては正直まどろっこしい感じもある。結論としてはシリーズ全体を通して大変優れた青春小説だった。第二部があれば是非読みたい。

  • 曲がったりゆがんだり逃げたりしないで、こんなふうに生きられたらいいのにな、と思う人たちが登場人物。
    朝ドラになりそうな物語。

  • 『おれのおばさん』シリーズの中で一番おもしろかった。陽介と卓也の成長が感じられて、この先もきっと自分の人生を切り開いていけるんだろうなという安心した気持ちになった。陽介の父親との今後の関係が気になる部分ではあるけれど。
    自分の大切な故郷、ほうぼう舎が無くなってしまうかもしれないと聞いて、それぞれが知恵を出し、行動していく過程が良かった。卓也の高校生ならではのつまづきと回復力、吸収力の高さがまぶしく感じた。こういう仲間がいれば、この後の人生でも「あいつも頑張っているから」と心の中で支えあっていけると思う。

  • 今後の魴鮄舎がどうなっていくのか…早く続きが読みたい。

    • aida0723さん
      確かに役読み終わったときに、早く続きを読みりたくなりました(笑)
      確かに役読み終わったときに、早く続きを読みりたくなりました(笑)
      2017/05/16
  • だんだん登場人物が超人化して読んでてリアルな感じがしないと言うか
    全校生徒の前で父親の犯罪を告白とか十代の子が携帯の電源は切れとか大人が考えるカッコいい子供って感じです

    卓也も自分の居られる場所を探して屠殺場を真剣な目で見ていた時は身につまされる思いで読んでいたけど
    現在の居場所である学校をほうぼう舎が無くなるという関係のない事で簡単に手放してしまおうとするのに閉口した

    絶対に見放されないと自信ある子供並に大人に甘え上手に育ってるような
    それもほうぼう舎のおかげ?

    第一部完なので大学生編、社会人編と続きそうです

  • さすがに飽きた。
    最後まで読まないと思う。

  • みんなの成長が微笑ましい。

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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