- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087715736
作品紹介・あらすじ
「東の都市」へと流れて来た猫と、震災の年に生まれた少女・雛(ひな)。それぞれの目で見た「新しい世界」とは。キュリー夫人やエジソンによるエネルギーの歴史を織り交ぜ、時空を自在に行き来する未来小説。
感想・レビュー・書評
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歴史をしりたいと思った。今までぼんやりしたイメージしかない電球の発明家のことや、それからずっとあとの広島のピカドンのこと、点と点が結ばれて絡まって解かれていく過程は魅力的で、歴史をしりたいと思った。本当のことがしりたいな。
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この人の本はじめて読んだけど、ジャネット・ウィンターソンの系譜という感じした。フクシマ以後のマジック・リアリズムとでも言うのだろうか。
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小林エリカさんの他の作品にトライしたい。テーマや内容ではなく、この作品での描写が(猫目線での光の見え方表れ方など)あまりスッと入ってこなかった。
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光が全ての事柄を留めているとしたらどうだろう?光を辿り、光が留めた光景を、この目で見ることができたとしたらどうだろう?… 原発事故により人のいなくなった街に生まれた一匹の猫は放射能が光に見えた。
例えばラジウムの半減期は1600年、それだけの期間の事柄を留めれば猫の目には時代が走馬灯のように駆け巡るだろう。
着想は素晴らしく大傑作の予感がしたが残念ながら前半戦で失速、その後に至っては作り手のテンションばかりが盛り上がり読み手がおいてけぼり…ちょっと盛り込み過ぎたようである。
しかしもう少し追いかけたくなるような不思議な読後感、次作に期待 -
原発 猫 光 動物実験
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3.11後の東北と思われる町での猫たちや、人間の少女の観察眼が交互に現れる。
マダムキュリーの愛読した料理本から、卵料理を作りつつ原子力を考える。 -
(2015/11/27読了)
大好きな作家・西加奈子さんのエッセイ「まにまに」の中で紹介されていた作家さんと本なので、初めましての作家さんだけど、読んでみようと思った。目次から見ると料理本みたいだけど、そうではない。
東日本大震災による原発事故。目に見えない恐怖。
全般暗く、読書中も読後も暗鬱な感じ。最後まで読んだのは、話の到着点が見たかったから。残念ながら、西さんと同じような気持ちにはならなかった。
(内容)
「東の都市」へと流れて来た猫と、震災の年に生まれた少女・雛。目に見えないはずの“放射能”を、猫は「光」として見、少女の祖母は「声」として聞く―。キュリー夫人やエジソンなど、実際のエネルギー史を織り交ぜながら時空を自在に行き来し、見えないものの存在を問いかける。卓越した想像力が光る、著者初の長編小説。
(目次)
一 卵を茹でる
二 鶏を焼く
三 果実を煮る -
主人公のネコと女の子のエピソードが放射能というものを介して、それぞれ語られていくスタイルは幻想的で感覚的に読めて、すごく好きなんだけど、後半になるにつれて作品が軽さを失って窮屈になっていく印象があるかなぁ・・・。
著者プロフィール
小林エリカの作品





