桃のひこばえ 御薬園同心 水上草介

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715811

感想・レビュー・書評

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  • まさかこんな切ない展開になるとは。

    相変わらず気の強い千歳に押され気味の、頼りない草介。
    そこに生真面目で几帳面な見習い同心がやってきて、更に賑やかさを見せる御薬園。

    今回の見所は、草介と千歳の恋の行方。
    突如千歳に持ち上がった縁談話で、揺れる心に戸惑いを隠せない二人。
    色恋沙汰に疎い朴念仁である草介も、さすがにこれには平静ではいられない。

    マンサクの木の下で交わす言葉。
    想いを寄せているのに本心を打ち明ける事が出来ない二人の姿が切なくもどかしい。

    なかなか距離の縮まらない二人が歯がゆくもあり、微笑ましくもあり。そして現代で言うところのツンデレである千歳が可愛くもあり。

    でも今回の事でお互い自分の気持ちに気付けたんじゃないかな。それは大きな前進だと思う。
    嗚呼今後の二人が気になるわ。あとついでにタラヨウの文の内容が気になる。一体何を書いたのか。そこで渡さないところが草介だよなぁ。

    なんだかんだで一番のイイ男は、吉沢だった。
    なんでもかんでも定規で測ったようにきっちりなのは、困りものではあるけども。

  • 剣術が苦手だけれど、植物のこと薬草の効能には詳しく勉強熱心!ほのぼのしたお話でよかった

  • 御薬園同心シリーズの2作目。キャラがきちんと役をこなして笑わせてくれるんだが、それぞれ少しずつ成長していて思いがけない展開が新鮮なのは連作作品の楽しさ。
    水草同心草介はぼんやりに輪をかけて朴念仁。しかし、植物の知識で騒動を解決するただものなさもあいかわらず。
    中でも「くららの苦味」が好きだ。第1作で目をつけた剪定ばさみを苦労してやっと手に入れる。たかがはさみを遊女の落籍にみたてて恋焦がれるんだから恐れ入る。しかも手に入れたと思ったらたった三日で失せてしまう草介に親近感覚えることしきりだ。
    いつも御薬園で土いじりをしている草介も、たまには日本堤を歩く姿も見てみたいw

  • この ほんわかした感じ
    この しみじみとした語り口
    この 心地よい脱力感
    その都度 登場する その章にちなんだ 植物
    そして 登場する魅力的な人物たち

    どこかで この体験をしたなぁ
    と 思っていたところ
    突然 思い出しました
    「家栽の人」です
    そう あの桑田判事さんが登場する
    植物の名前が 各章になっている
    あの作品です

    一話一話
    味わいながら ページを繰るのが
    楽しみです

    そして
    読み終わった瞬間に
    次の一冊を
    待ち望む

    これも また
    読書の至福です

  • L 御薬園同心水上草介2

    シリーズ2作目とも知らずに読み始めたが、小説すばるに掲載されていた作品だということで問題なし。
    水上草介。周りからは水草様と呼ばれて慕われている御薬園同心。うまい。なんですか、このぴったりハマる感じ。
    広大な敷地、幕府御薬園を御薬園預かりと御薬園奉行が管理し近くには小石川養生所がある。
    御薬園に関わる人は限られるので小石川養生所もちょっとメイン。キャラが立っているからだろうか、読みやすいしわかりやすい。御薬園同心だけに、草木がらみでうまくまとめるのは鼻につくけど仕方ないか(笑)

  • シリーズ2作目。
    相変わらずのんびりな草介。
    様々な植物についての知識がたくさんで詳しくなった気になる。自然の移ろい、時間の流れがゆるやかでほっとする。
    千歳との関係は動き出しそうで動かない。。最後、葉っぱに書いた文が気になるところ。
    引き続き続編に期待。

  • 園丁からも水草さまと慕われる御薬園同心・水草草介
    薬草への愛情や知識には長けていても、女心にはにぶちんなのが歯がゆくも微笑ましい
    お園さんの気持ちがよくわかる
    その後が気になります

  • 前回からとは方向性が変わったのか今回は恋愛メイン?
    それでも、良い人の話は気持ちが晴れやかになって私は好きでした。

  • おっとりしていてテンポの遅い草介。千歳との関係がとてももどかしく、縁談ももちあがる今回、ドキドキながら読みました。マイペースではあるけれど植物や樹木への真摯な姿勢は読んでいて好感がもてます。身分の違う千歳との関係も上手く結ばれるといいなと思う。続編に期待。

  • 小石川の植物園には、学生時代足を運んだ事がある。友達のアパートが、近くにあり、広大な敷地に驚かされた。日々の季節の移り変わりや自然の変化に目を向けられる事の幸せを感じさせてくれる作品。のーんびり。ただ、あまり、内容が私には、あったなかった。

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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