桃のひこばえ 御薬園同心 水上草介

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 171
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715811

作品紹介・あらすじ

人気シリーズ、待望の第二弾が登場! 小石川御薬園につとめる、のんびり屋の同心・草介が豊富な草花の知識を生かしながら、人々が抱える心身の悩みを優しくそっと解きほぐす。心温まる連作時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ二冊目。薬草がうまく使われていてほのぼのしていい。
    前巻はばれいしょ、この巻はセロリなど、外国から入ってきた植物も栽培されていて、でも食べ方がわからなくて困惑とか香りが強すぎて好まれないなどの話もあって、実際にそういうこともあったんだろうなと想像すると面白い。セロリは清正人参/阿蘭陀ミツバと呼ばれていたとか。
    薬草についてだけでなく、水草さんと対照的な堅蔵くんもいいキャラ。
    堅蔵くん土も水も花も木も人のためにある、草花は勝手だからすべて人が差配しなければ野放しにすればたちまち荒れ果て、勝手に増える、と考える。
    一方水草さんは、生きものすべてが、この地に間借りしているようなものですからと語り、葉脈の美しさに惚れ惚れする。
    ぼんやり鈍い水草さんと、跳ねっ返りのお嬢の千歳様のなかなか進まない関係も、少女マンガの世界のようなのだけど、設定の良さと、久しぶりに読む感じで楽しい。

  • シリーズ2作目。

    今回は“水草どの”こと草介と対をなすような堅物キャラ、“堅蔵”吉沢さんが登場。
    この吉沢さんや河島先生も、一見いけ好かない印象を受けますが、自分の信念をきっちり持っている素敵な人たちです(コンプレックスも乗り越えているし)。
    そこをいくと草介は、人当たりは良くてもフワフワしている印象が否めないかな。ただ、ラストで自分の気持ちや自分の目指すべきものを見つけたようなので、今後に期待です。

  • 草食系というよりは、草っぽい水草様は、薬草を育てるお役目についている。男装の麗人(ツンデレ)といい雰囲気だが、本人はまったくきづいていなくて……周囲の押せ押せムードがなかなかに(笑)。

  • 皆んなが優しい人たちで、読んでいてほっこりする。
    短編連作なので、読みやすい。
    肩肘張らずにゆったり読みたい時にぴったり。

  • 草介さんも千歳さまもさあ…
    でも、この時代の恋愛ってこういう感じだったんだろうね

  • 水草がぼんやりに見えたり大人に見えたりと、一人のキャラの色々な面が見えて面白い。
    連作短編なので読みやすく、ほっこりする内容。

  • 水草さま、前作よりぼんやり度が増してますよー!自分の指を切っても気づかないだなんて!そんなぼんやりさんも、千歳さんへの想いに気づいたみたい。どうなることかと思ったけど最後はほっと一安心。次巻が楽しみです。

  • 連作短編9編
    煮え切らない鈍感な水草こと水上草介,やっと自分の気持ちに気づいた.いろいろな草木の知識を盛り込みながら心温まる人情話と恋の行方.堅蔵氏の引き際の潔さ,短編ながら内容たっぷりの物語.

  • 草介さんも植物も好きなので今回も面白く読んだ。しかし少し端折り過ぎなところも。救荒作物を育てて、勧農して、新製品を発売して成功するには最低でも5年はかかるでしょう。その年のうちに出来るかッ!とツッコミ。まぁフィクションですからねぇ。また、ちょいちょいキャラクターの描写が漫画っぽいので、アニメ化ドラマ化を狙っているのかとうがって見てしまう。でも楽しかった。

  •  新しい生活を迎えるか、と思いきや。そこは、「水草さま」ですから~。

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著者プロフィール

東京生まれ。フリーランスライターの傍ら小説執筆を開始、2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年には『一朝の夢』で松本清張賞を受賞し、単行本デビューする。以後、時代小説の旗手として多くの読者の支持を得る。15年刊行の『ヨイ豊』で直木賞候補となり注目を集める。近著に『葵の月』『五弁の秋花』『北斎まんだら』など。

「2023年 『三年長屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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