霊能動物館

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 171
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715835

作品紹介・あらすじ

寺社を見渡せば、様々な生き物の造形がある。狛犬や手水舎の龍・亀、拝殿上の唐獅子。なぜ人は動物に神を見るのか? 日本に古くから存在する動物たちの起源・不思議に、独自の霊能的観点から迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の寺社を巡ると、動物たちは神様や仏様に近い存在として信仰されていることがよくわかります。
    狼や狐といった生きている動物ばかりでなく、空想の動物も、神として、ときには妖として、人々に信じられ語り継がれてきました。
    そんな動物たちにスポットをあて、信仰の起源や伝説を、怪異の体験談をまじえながら紹介してくれるのが本書です。

    三峯神社の「お犬様のお札」(これは神様から生のご眷属様をお借りするお札なのだそう)の話は、不思議を通し越して、なにやら背筋がぞわぞわして落ち着かない気持ちになりました。
    いつかお参りに行くことがあったら、絶対にこの話を思い出し、間違いなく緊張しながら手を合わせることになるだろう…と思います。

    やはり猫の章は猫好きにはたまりませんでした。
    いにしえの猫好き・宇多天皇が自身の飼っていた黒猫について綴った文章ににまにましてしまいます。
    平安時代から、猫に魅せられた人は「うちの猫が一番」と思っていたんだなぁ、と。
    もともと怖い話が苦手なせいか、猫にまつわる怪異の話よりも、猫好きエピソードの方が印象に残りましたw

  • 神社仏閣に関するかなり掘り下げた調査の情報量がスゴイ。
    ちょっと理解が追いつかないところもあるが、狼好きの私としては最初の“狼の部屋”が1番興味深く読めた。
    御眷属様の貸し出し!?
    その存在のリアルなお話がとても興味深い。
    私は…ちょっと怖くて借りられないな…

  • 狼の逸話が興味深い。

  • 神に近い場所にいる動物の話。
    説に多少強引なところはあるが
    私は読み物として楽しんでいるので
    気にならない。
    狼と狐の考察がおもしろい。

  • 学者顔負けの史料調べはさすがですね。
    狼、狐、龍蛇等々の霊能に関わる動物に関するエッセイです。
    動物を畏怖する心は現代もしっかりと根付いている。その心を忘れた時に人は人でなくなるのかもしれないな。

  • 最初の章から、興味深い日本狼の話題。
    秩父の三峯神社。
    御眷属様はオオカミ。
    泥棒除けの神だ。
    この神社、日本武尊がイザナギノミコト、伊弉冉尊を祀ったのが始まり。
    修験道の祖、役小角が修行した場所。
    弘法大師が神社境内の脇に、十一面観音像を祀った。
    霊験あらたか以上の力がありそうだ。

    表と裏のご利益があるらしく、不思議な出来事も。

    そして、狐、猫、蛇、竜、様々な動物たちの霊能のお話。

  • 三峯神社の神主さんの話をまとめた本を借りて読んだら、その三峯神社の眷属のことを書いた本があるからっていうことで、またまた貸してもらって読みました。
    神社と動物の繋がりとか、憑き物の話とか、結構はまってしまった。
    そして、なぜか、ジブリの映画を思い出したりして。特に「もののけ姫」。みたくなった。
    お稲荷さんのこと…実は実家にはお稲荷さんが敷地内にあって。そのことを忘れてたんだけど、なんか、伏見稲荷とか、縁があるとこにちゃんといったほうがいいんじゃないかと…。
    読んだタイミングなのか、とっても勉強になったし、さらに詳しく色々知りたくなってしまった。

  • 狼、狐、猫、狸、馬…etc.日本に古くから存在する彼らの起源に、霊能的観点から迫る。あなたが見た動物は―妖怪?それとも精霊?加門七海が辿る、数々の史料や体験談に残された動物達の足跡。

  • 神の眷属としてのお話が一番興味深かったです。お犬様信仰の三峯神社、行ってみたくなりました(縁のない場合は諦めるけど)。
    民話・伝承に出てくる動物、オカルトとしての動物のお話も面白かったです。

    それにしても、さすが加門さん。いくつかのお話を結びつけて考えたり、歴史的背景を踏まえた上で仮説を立てたり。なんというか、知識量と情熱がすごいと思いました。あと、人脈(特殊なお話が集まるという意味での)や行動力もすごい。
    正直に言うと私レベルでは理解できない(難しい)ところもあるんですが、それでも加門さんの著書は面白いんですよね。

  • 全国に散らばる、霊能動物について、よくもまあ、ここまで調べたと思った。
    特に、狐の章については興味深く読ませてもらった。

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著者プロフィール

加門七海
<プロフィール>
東京都生まれ。美術館学芸員を経て、1992年『人丸調伏令』でデビュー。伝奇小説・ホラー小説を執筆するかたわら、オカルト・風水・民俗学などへの造詣を生かしたノンフィクションも発表。自身の心霊体験をもとにした怪談実話でも人気を博す。小説に『203号室』『祝山』など、ノンフィクション・エッセイに『大江戸魔方陣』『お咒い日和』『墨東地霊散歩』『加門七海の鬼神伝説』など、怪談実話に『怪談徒然草』『怪のはなし』など多数。

「2023年 『神を創った男 大江匡房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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