陸王

著者 :
  • 集英社
4.29
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本棚登録 : 3151
レビュー : 500
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716191

作品紹介・あらすじ

勝利を、信じろ――。
足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。

埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。
チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 何度もトリハダが立ちました。

    一人では乗り越えられない高さの壁も、
    信じる仲間と力を合わせれば、必ず乗り越えられる。

    度重なるどんな試練だって、きっと大丈夫。

    そんなふうに勇気をもらえる池井戸さんとの出会いは『下町ロケット』でした。
    個人的には、一躍有名になった「半沢直樹シリーズ」よりも、
    こういった昔気質の職人物語が好きです。
    あとは巨大組織に闘いを挑む『鉄の骨』『空飛ぶタイヤ』とか。

    その根底にいつもあるのは”誇り”です。
    誠実に努力していれば、いつしか報われる。
    正直者が○○を見ない世の中だと思いたいんですよね。

    ”千里の道も一歩から”
    受験勉強をしていたとき、ずっと机に貼っていた言葉を、
    読みながらしみじみと思い出していました。

  • 著者の作品の『民王』という政治小説を連想し、本作の題名は何を意味するのかと思ったら、商品名だったとは!
    中小零細企業主が、周りの人たちの信頼と協力を得ながら、敵役の妨害を排し、様々な障害や困難を乗り越え、目標に向かって邁進。
    業種は異なるが、池井戸潤お馴染の勧善懲悪的パターンであり、結末の予想はあらかじめつくが、やはり爽快な読後感は侮りがたい。
    著者の作品は、「働く人への応援歌」とも称されるが、作中人物の言葉にもそんなメッセージが託される。
    「どんな仕事をしたって、中小企業の経営だろうと、大企業のサラリーマンだろうと、何かに賭けなきゃならないときって必ずあるもんさ。そうじゃなきゃ、仕事なんかつまらない。そうじゃなきゃ、人生なんておもしろくない。オレはそう思うね」
    「大事なのは会社の大小じゃなく、プライドを持って、仕事ができるかどうかだと思うね」
    そちこちに散りばめられた箴言に、著者の作品は、これからも目が離せない。

  • 面白かった!まさにエンターテイメントだって感じ。

    後半のあけみさんの言葉には社長ならずとも私もウルウルしちゃったよ~

    陸上選手がいる。その足にはシューズが。そのシューズを1つ作るにしてもいろんな会社、人々が携わっている。
    大手もあれば、今回のこはぜ屋という足袋業者という未知なる会社が挑んできて、紆余曲折しながらも選ばれていく。

    茂木選手の信頼を勝ち取っての勝利!
    やっぱり感動!

  • 2017年のTBSTVドラマは観なかったので今さら感がありながらの初読。100年続く中小企業の足袋屋さんがランニングシューズ作りに乗り出し事業拡大を図ろうとする物語だ。池井戸潤の小説に登場する人たちには違法スレスレの悪者も時に登場するが、今回の登場人物たちは一様に正しいビジネス競争をしているだけで、本当の悪人はいない。差があるとしたら、顧客に対する情熱の差だけだ。しかもその情熱が経営の成功に繋がるかどうかは確約されない。この物語のラストもハッピーエンドではなく成長への光が差したに過ぎなかった。それが経営というものなのだと思う。唯一、確実に成長し成功に近づいていくのは人だ。経営者宮沢の息子、大地が陸王開発と父親の背中を見ることで大きく成長していく様が嬉しい。仕事は会社を育てるのではなく、そこで働く人を育てているのだと思う。そこに涙した。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    勝利を、信じろ。足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。このシューズは、私たちの魂そのものだ!埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金操りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにある新規事業を思い立つ。これまで培った足袋製造の技術を生かして、「裸足感覚」を追求したランニングシューズの開発はできないだろうか?世界的スポーツブランドとの熾烈な競争、資金難、素材探し、開発力不足―。従業員20名の地方零細企業が、伝統と情熱、そして仲間との強い結びつきで一世一代の大勝負に打って出る!

    共感出来ない屑のような大手他社からの嫌がらせにめげず邁進する小さな会社。やる気とアイディア、人間力と友愛精神でトラブルを乗り越え大団円。みんな丸く収まり俺たちの冒険はこれからだみたいな希望溢れる状態で終わる。この本もご多分に漏れずお約束展開となっております。このお約束展開を、ここまで毎回熱く読ませる人が、他にいるのかと言われればいないです。さすがの池井戸ワールド。読む前はおなか一杯だわと思いながら結局睡眠時間削って読んでしまいました。
    トラブルが結構重篤なので、どうやって回避するんだ??とハラハラしながら読ませるのが本当に上手い。しかもそのトラブル回避の決定打と思われるところから、さらに二転三転ですから読者の振り回されは半端無しです。でもこの鼻づら引き回されるような展開がとっても気持ちが良くて、最終的には自分も一緒に問題を解決出来たような達成感を感じてしまうのでありました。
    企業小説としてはポジティブなメッセージのシャワーを浴びる感覚で、明日からも仕事がんばろうと思わせてくれるいい作品だと思います。

  • 途中で本を閉じることができなかった!

    本当にその人のためを思って行動し続けることでどんどん状況が変わっていくということ、真剣に、どこまでも真剣に打ち込んでいくということの尊さが書いてあった。
    諦めそうになっても、前を向いて走り続けたみんなが成功する姿は本当にカッコいい。

  • 作者のいつもの勧善懲悪にスポ根も入れられたら、泣くに決まっている!熱いキャラクター達もいい。
    企業の経営不振からの脱出の為の社運をかけた新規事業、資金繰りが面白い。従業員達が会社を愛して、全員で困難に立ち向かっていくところがまた、熱い!

  • あ~、面白かった~♪
    胸の中を、さっぱりと丸洗いしたかのような
    爽快感が広がっています。
    『仕事をするのはお金のためだけじゃない』
    『何より大切なのは人と人の繋がり』
    『社員は家族だ!』
    ほんの一昔前には、当たり前に言われていたことが
    今やおとぎ話のようにさえ感じられてしまうほど
    世知辛い世の中。。。
    おとぎ話だろうが、昔話だろうがいい!
    物語の中だけでも、こういう企業が、主人公が
    活躍し幸せになってほしいのだ。

    ドラマ『下町ロケット』の影響で
    足袋屋の社長が阿部寛に変換されてしまい
    脳内で阿部ちゃん大活躍でした。
    (香川照之のどなり声まで空耳で聞こえてきたぞ・・・)

  • 面白かったです。スカっとしました。
     老舗の足袋メーカーがランニングシューズを作る。勿論最初から上手くいく筈もなく紆余曲折あるのですが、最後は苦労が報われるという精神衛生上とても良いお話でした。ピンチの度に先が気になって気になって、結局最後まで読むまで眠れませんでした。休日で良かったです(笑)。
     社長の宮沢はカリスマ性のある経営者ではなく、代々受け継いできた家業を守るだけで精一杯のごく普通の人。岐路に立たされる度に悩み、揺れ動きますが、皆そうなのだろうなぁと思います。失敗した時のことを考えない経営者というのは、それはそれで先行き不安になりますし…。
    今後のこはぜ屋の活躍を頭の中で補完して楽しみます。
     元気をもらえた本でした。

  • 埼玉県行田市で、足袋を作っている中小企業の「こはぜ屋」。創業100年の歴史はあるものの、売上は年々減少していた。危機感を抱いた社長の宮沢は、足袋の技術を活かしランニングシューズ業界に参入を企てる。
    資金繰りの厳しさや大手メーカーからの嫌がらせの中、数々の仲間を得て宮沢は困難に立ち向かう。
    ストーリーの流れは、相変わらずというか安定的な池井戸節の勧善懲悪物語。人に焦点を当てて、熱い様を描くのは相変わらずうまい。
    テレビドラマになるようだし、またヒットするのかな。

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著者プロフィール

池井戸 潤(いけいど じゅん)
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部および法学部を卒業。子供の頃から本に親しみ、作家になりたいと思っていた。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。

以降、2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を、2011年『下町ロケット』で直木賞をそれぞれ受賞。他の代表作に、半沢直樹シリーズ『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』、花咲舞シリーズ『不祥事』、『空飛ぶタイヤ』『民王』『ルーズヴェルト・ゲーム』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』など。多くの作品がドラマ化・映画化されており、非常に高い人気を誇る。
2018年10月、『下町ロケット』ドラマ放送中。

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