- 集英社 (2015年7月24日発売)
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感想 : 14件
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784087716207
作品紹介・あらすじ
死んでもいい。この一瞬、この快楽があるのなら。八百屋お七、大奥大年寄絵島、伊勢の遊女…江戸の世の色事を通じて、人間の奥底に巣食う欲望に迫る官能小説集。2014年に逝去した著者の遺作。
感想・レビュー・書評
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絶筆となった作品ではないけれど、これが最終出版というのは、坂東眞砂子にふさわしいと感じます。彼女が書く人物にとって生きるということは自分の体や心の底にうごめく欲求を認め、そして満たすことでした。それを赤裸々に表現しきった本作はフィナーレにふさわしい。
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八百屋お七…そういう角度での性愛はなるほど、あんまりないかもだなあ
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坂東眞砂子 著「真昼の心中」、2015.7発行。7つの短編が収録されています。尋常でない男女の愛や死が描かれています。本寿院の恋とタイトルにもなっている真昼の心中が印象深かったです。35歳本寿院の奔放な性癖、その対象となり恥辱を感じ切腹した元赤穂藩士伴野滝之進。心中して失敗し素っ裸で縛られ3日間晒されるより、亭主を殺し市中引廻しの上打ち首獄門(死装束を着て裸ではない)を選んだ娘。
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初出 2011〜14年「小説すばる」の7話で、2018年文庫化
八百屋お七、伊勢古市の遊女おこん、大奥の絵島といった有名どころの他、二人の夫を殺したおるい、尾張藩主未亡人の本寿院、入り婿の夫を殺そうとした美貌のお熊、紀州藩付け家老の娘で将軍の側室となったお廣。女性の性欲が否定された時代に、自分の恋や性欲にまっすぐだった坂東眞砂子ワールドの女性たち。
尾張藩主未亡人の本寿院の話で、尾張藩に抱えられて本寿院の「犬」になっていたた若い赤穂浪人が、討ち入りの早朝駆けつけるのが小説っぽくてよかった。 -
2018/2/28
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八百屋お七の放火事件、絵島生島事件、白子屋事件…。江戸時代の出来事に色を付けた短編が7作品収録。面白かった。事実に基づいているのでとても興味深い。将軍の側室になっても将軍が亡くなれば尼になり他の男性と恋愛もできずそのまま長い人生を生きなくてはならない哀しみ。あの時代の女性にとって何が幸せだったのか。。考えさせられた。
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男は恥じて死にたがり
女は恥じても生きたがる
「本壽院の恋」で
名誉のために死ぬ男が
バカタレに思えてきます -
八百屋お七、絵島、本寿院。
世を騒がせた女たちの性愛。
生きること、死ぬこと。
それは彼女たちの人生そのもの。
彼女たちが見て、感じた幸せとは何だったのか。
ある者は人生の端役から主役に躍り出る。
ある者は自分が暮らしていた世界から飛び出す。
共通するのは、彼女たちは周りが思う幸せを必ずしも幸せとは感じていないということだ。
正しいと言われる生き方をしていない。
だがそれでいい。
自分がしたいように生きればいい。
自分が感じたままに生きればいい。
他人は他人。
自分の尺度とは異なるもの。
「黒い夜明け」
上様お手つきとなり、幾度も懐妊。
実家の力を強くするために送り込まれた女。
それなのに、子供達は夭逝する。
「自分が孕んでいるのは、命ではなくて、ただの石なのかもしれない.....。」
ただの道具でしかない女が、命を再び得るきっかけとなったのは黒船だった。
変わることを女は、いや、名前のある一人の人間としての廣は、恐れない。
男たちが変化を脅威に感じ、それを止めようとしても、彼女は恐れない。
彼女は生きて歩いていく。
「本寿院の恋」
尼となれば、俗世と離れなければならぬ。
しかしそれは自ら望んだ道ではない。
まだ心のうちに燃え上がるものがある。
彼女の立ち居振る舞いについて誰も文句を言うものがいなくなった時、彼女はその燃え上がるものを解放する。
彼女の強さは、好色を良しとしているところだ。
欲望を受け入れているのだ。
男は忠義厚きものとして死ぬことを選んだ。
欲望のままに生きた自分を、相手を恥と罵った。
それは愚かなことだと本寿院は一笑に付す。
悦ばすことはあれど、好色は人を殺めぬ、と。
忠義のために、人を殺すことの何が正しいものか、と。
彼女はそしてまた、己のまま日々を過ごしていく。 -
表紙がエロいけど、ちょっと見た内容は江戸時代背景の短編小説だったので、会社で読んだが、エロ小説だった。。。
でも、面白かった。 -
暑い夏に読んでしまったためか、内容の熱さに疲れました。
最後の話で、ようやく、気分が晴れました。 -
坂東眞砂子氏の遺作。
史実や過去の事実や事件を元に女性心理を描いた作品群。
短編集なのでストーリーに入り込むまでに完結してしまうのがとても残念。
著者プロフィール
坂東眞砂子の作品
