黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様

  • 集英社 (2015年10月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784087716276

作品紹介・あらすじ

これは、この世のことならず──。画家を目指す青年・槇島風波(まきしまふうわ)と、さまよう魂を絵で成仏させる天才画家・穂村江雪華(ほむらえせっか)。変わりゆく帝都に漂うさまざまな怪をふたりが追う大正怪異事件帖、第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 物悲しく切ない雰囲気ただよう連作短編集でした。

    一冊目を読んだのが、おそらく3、4年前だったので記憶を探りながら読みました。
    大正時代と言われてもなかなか雰囲気や暮らしぶりと言ったものが想像しにくいと個人的には感じるのですが、前作と同じように雪華や主人公の生きた時代、彼らの見たもの感じたもの、運命に翻弄されたことに対して、最後に2人が語った内容など、情景が目に浮かぶ丁寧な描き方をされているなあと。

    前回はなんとなくみれいじゃが軸になって話が進んでいたような気がしたので、前回感じた奇譚といいますか、不思議な雰囲気は今回薄れたかなぁと感じてしまいました。でも、雀蜂のお嬢や、惣多の結末など一言で言えば人の世の無常を感じました。

    続編はもう無いかなぁ。もっと読みたいなあというこちら側の思いと、主人公が雪華との“青春の日々”を惜しむように語る形での物語の進み方がリンクして、なんともいえない、切ない読後感でした。

    • chie0305さん
      この本、はるのさんの本棚にあったんですね。さっき読み終わりました。朱川湊人さん、お名前も知りませんでした。いい本を紹介していただいて感謝です...
      この本、はるのさんの本棚にあったんですね。さっき読み終わりました。朱川湊人さん、お名前も知りませんでした。いい本を紹介していただいて感謝です。好きな作家さんに追加します。
      2017/04/27
  • シリーズ2作目。雰囲気は好きだけど、推進力がほとんどなかった。

  • 「鏡の偽乙女」の続巻。前巻の冒頭にもあったので、風波と雪華の別離が訪れるのだろうな。その時雪華の正体が分かるんだろう。知りたいけど知りたくない。
    この二人の掛け合いが面白くて、声を出して笑ってしまう。「みれいじゃ」の三郎も
    いい奴だし、西塔も(憎まれ役?)好きだな。惚多が残念なことになってしまうが。
    どの話も、美しく悲しい。続きが気になる。

  • 久しぶりの再読。
    シリーズ第二作は、死者の様々な形や想いを描いた前作と逆に、生者の妄執や危うさを描いていた。
    前作にあった『みれいじゃ』や『みれいじゃ』を創る蒐集家(コレクター)の本質に迫る部分がなかったのは残念だが、それは次回へのお楽しみということか。
    今回出てきた人々も一歩間違えば『みれいじゃ』になっていたかも知れない(実際、そうなりそうだった人もいる)わけで、こういう想いや危うさはハラハラさせられる。
    一方で風波と雪華との友人関係も更に深くなっていくが、雪華の秘密は明かされないまま。風波の生活も一変し、いよいよ次がシリーズ最終作となるのか。
    個人的にはお欣との関係もまだ続いて欲しいとも思うが、さてどうなるか。

  • 謎が残ったままなのだが、主人公の絵描きがただのルサンチマンでなくて、地に足のついた身の処し方を選ぶ結末を歓迎したい。
    雪華はおそらくみれいじゃだと思わせる部分がある。大正期の雰囲気がよく表現されているし、描写力もある。

  • このシリーズは、好きです。でもこれで終わりですか?

  • 怒涛の終盤。これで終わりなのかな?
    前巻の懸案事とか色々何も解決してないけど…。
    これで終わりなら何か打ち切り漫画っぽい。

  • 裕福な家を出て、風変わりな友人・穂村江雪華と同じ下宿に暮らす画家の卵・槇島風波
    。雪華は天才的な画力で、
    さまよう魂を絵で成仏させる不思議な力の持ち主。
    この2人が遭遇する浪漫的幻想ミステリィ、
    大正怪異事件帖、第二弾。
    前作が面白く私好みの話だったので
    待ちに待ってた第二弾!!ヾ(≧▽≦)ノ
    その割に前の内容を半分も忘れてて
    読んでいて?となる事もしばしば…残念な頭の私。

    思い描いてたのと話の内容が違い
    最初戸惑ってしまったけど風波の青春の終わりと
    大正時代の哀愁感漂う物悲しい1冊で
    読んでてやるせない気持ちに…。

  • 前作の冒頭から、昔の友、雪華を懐かしんでの語りという体裁をとっているから、もう戻らない時の話であるとは分かって読んでいるのだけれど、何とも切ない気持になる幕切れだ。
    前作は、怪しい体験も、なんだか若者の冒険ぽく、楽しげな要素も多かったのだが。

    『鬼蜘蛛の讃美歌』
    夢二経由で…西塔光児との出会い

    『汝、深淵をのぞくとき』
    のぞきからくりの世界
    眠りの中で見る夢、将来の希望とか「望み」と言い直せる夢があるが、どちらにも該当しない第3の夢が、人にはある

    『黒のコスモス少女団』
    こういう子供たちは、この時代、多くいたらしいです。
    今回の本は、女性の境遇を扱ったものが多い

    『幽鬼(おに)喰らい』
    闇水のような画家も、モデルがいそう

    『銀座狼々』
    結局狼の正体である念が誰のものなのかは分からない

    『白い薔薇と飛行船』
    出て来なくなったなあ…と思っていた、平河惣多との再会と別れ。
    惣多のモデルは、村山槐多ですね。
    風波が読まされた、人肉を喰らう小説は、「悪魔の舌」
    今でも読むことができます。

    竹久夢二や、芥川龍之介、夏目漱石などの超有名どころは実名で出てきますが、私の知識がないだけで、モデルがハッキリしている登場人物も他にいるのではないかと思われます。
    前髪の惣三郎は、ちょっと違う使いようですが…

    ついに雪華の正体は分からずじまいでした。

  • シリーズ第二弾。さまざまな人外の存在をめぐる幻想小説、という印象だったのだけれど。今作は「みれいじゃ」などの存在の登場は少なめかもしれません。だけどたしかに恐ろしいものは人間なのかも、と思わされてしまうのでした。それでも怖いというよりは物悲しいという印象の方が大きいです。
    お気に入りは「汝、深淵をのぞくとき」。一見なんでもないようなことに思えるのだけれど、これって想像してみるととっても恐ろしい情景が見えた気がしました。

  • 朱川さんらしい不思議なお話。
    雪華と風波、どちらも魅力的。
    雪華の謎が、少しは明かされるのかと思ったけど、彼はあいかわらず謎のまま(笑)
    夢路のような実在の人物が登場することで、なんだかこの不思議な現実と確かに地続きのような感じがする。
    登場人物を、どんどん検索してみたりしちゃった(笑)
    西塔は、とんでもなくヤな奴だ~。
    三郎は、その後、どうなるんだろ。
    シリーズの続きがとっても気になる。
    風波は、あんなことがあって実家に戻ってしまったけれど、、、
    あの、「最期の言葉」は、雪華の言葉と勘違いしてしまったのは、私だけかな~。

  • シリーズ2作目。1作目のほうが、もっと不可思議感があって、好きだったなぁと・・・ 。そういう部分での物足りなさはちょっとあるんですけど、この時代の持つ雰囲気やどことなく哀愁漂う感は変わらずで、その辺は今作もよかったです。風波の事情も変わり、これから、絵のことや雪華との関係など、どうなるのでしょう。続きはあるのかしらんね?雪華が言った白鳥がどうのって言葉も気になります。

  • 画家を志す青年、槇島風波。彷徨う魂を己の絵で成仏させる天才画家、穂村江雪華。闇に浮かぶ幽鬼、死してなお現世に留まる未練者…。大正の東京を舞台に描く怪異幻想譚、第2弾。

    1作目を読んだのは4年半前。面白かった記憶があるし、本ブログには「続編を期待したい」と書いてあった。にもかかわらず記憶が怪しく、「みれいじゃ」って何だったっけ?と思う始末。残念がら1作目ほどの魅力を感じなかった。
    (C)

  • 所謂、怪奇譚というやつか。
    図書館の新着図書で見つけて、趣味に合いそうだと思って借りて読んでみたが第2巻。
    短編集なので、第1巻を知らなくても読めたが、やっぱり、第1巻を読みたくなった。

  • 連作短編6編
    「みれいじゃ」という哀しい存在になりたいという破天荒な画家惣多を見つけてしまう風波.なんとも言えない気持ちになった.1話1話話が進むうちに,時が過ぎ事情も変わり,いつまでも青春をしていられなくなる.
    雪華の過去が少しわかりかけてきたので,次巻が出ると信じてます.

  • 2016 1/23

  • 鏡の偽乙女の続編。
    大正妖異譚。

    正直、前の巻読んだのが昔過ぎて、ああ、こんな狂言回し主人公と謎の美青年の話だったな、ということしか覚えていませんでした。
    本気で「みれいじゃ」ってなんだっけ?となった。
    でも、面白かったのは覚えているので、そのうちに読み返そうかと思います。

    しかし、この続刊は望めそうもないなと思うと寂しい。
    大正時代というものは、ほんの一瞬だけでしたが時代としてはとても興味深いのですよね。
    いや、明治も好きですけどね!

  • 竹久夢二や森鷗外を目にすることができる大正時代と人外のみれいじゃが存在する世界を同時に描くから本当に不思議な雰囲気になります。
    雪華さんのことが知りたいのでまだお話の続きを待ちたいです。

  • あれ?前作読んだっけ???
    記憶が…

    面白かったです。
    もう終わりかな?
    続くのかな?

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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