九十九藤

  • 集英社 (2016年2月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784087716474

作品紹介・あらすじ

江戸の人材派遣業、口入屋(くちいれや)の女主人お藤。祖母仕込みの人を見る目と持ち前の胆力で、女ながらに傾きかけた店を繁盛させていくが……。商い、恋、過去の傷。その波乱万丈の半生を描き出す長編時代小説。

みんなの感想まとめ

物語は、江戸時代の人材派遣業を営む口入屋の女主人お藤の波乱に満ちた半生を描いています。父を亡くした彼女が継母から身売りされ、逃げ出すところから始まり、彼女の強さと胆力が試される数々の困難が展開されます...

感想・レビュー・書評

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  • 四日市で旅籠を営んでいた「小津屋」の一人娘・お藤は、父親亡き後、継母から、14の時に、身売りされ、這這の体で逃げ出した。
    女衒から追われていた時に、一人の侍に助けられた。
    その二人が、江戸で再開した時は、お藤は、口入屋の差配。侍は、仲間を取り締まる「黒羽の百蔵」と、人から恐れられる男になっていた。

    上手くいっていない口入屋を、立て直すため、武家奉公を専らとしていた商いを、商家への派遣に切り替えようとするが、多くの困難に見舞われる。

    面白く、一気読み作品。

  • 新聞の書評で激賞されており、興味を持って読み始めたが、期待に違わず、久々に頁を繰る手が止まらない興奮を味わった。
    口入屋(江戸の人材派遣業)の差配を任されたお藤。店の手代たちの反発に一歩も引かず、自分の信じた商いを貫き、店を立て直す。
    次第に明らかになるお藤の素性と来し方。
    その生き方を象徴する言葉が『九十九藤』。
    最後に、主人公が語る。「先が見えないからこそ、生きるに値する。あたしはそう思います」。

  • なんとも小気味のいいテンポで物語がはじまった。藤がはじめた、今で言う派遣業を思わせる口入屋のシステムが面白い。お品というスパイシーなキャラがちょいちょい物語を引き締めるのがまたいい。
    ページをめくる手が止まらず一気読み。
    そうじゃなきゃ!と思える落としどころも納得。
    都合良すぎというむきも確かに、なのだが
    そこにくるまでの一つひとつのエピソードから「なるほど」の感動が積み重なって麻痺してるので、都合良すぎなどと言うささいなことなんて気にならない。おもしろかった!

  • 江戸の口入屋の女主人お藤の物語。

  • 初・西條奈加
    評判がいいので読んでみた。

    日本橋本石町の口入れ業、冬屋に新しい差配が来る。
    若くもないがババアというには程遠い藤という女。
    本来、武家にその日その日の体裁繕いに必要な中間を世話する稼業に女は似つかわしくない。
    が、藤は、武家相手ではなく商家相手の事業に切り替えていこうという腹づもり。
    対するはヤクザ者より厄介と評判の崩れ切った中間頭 黒羽の百蔵。おしゃれであります(笑)

    従来からの慣習や既得権を相手の立ち回りに、哀しい生い立ちをもつ者の恋物語を絡めた王道娯楽時代小説。

    昨今人気の時代小説は、イマドキが舞台なら殺伐とするだけの社会状況を投影させて、問題点を筋立てのポイントに持ってくる。
    人材派遣業にいいようにこき使われる非正規労働者、要はカネでしかない権力争い。。
    そういうものに、おとぎ話ならではのエンディングをつけて楽しませてくえっる。

    加えて、現代の女流作家さんらしく、従来型の男女の描き方とは一線を画す。
    どこまでも媚びを売らない藤が、最後の踏ん切りをつける自分を「あさましい」と評する。
    だろうよ。。

    p.s.
    映像化するなら 百蔵は 岡田将生か綾野剛 ありきたりかなぁ...
    藤の方が難しいねぇ 媚びない女優 ガッキーか? 桐谷美玲か? 
    やってくださいね、木曜時代劇。

  • 商いを通して人の生き方を考えさせられる本だった。
    慣れない言葉が多いので、辞書引きながら。
    読むのに時間かかるだろうなぁと思ったけど、テンポがよくあっという間に読み切れた。
    仕事が行き詰まった時に読みたい本。

    ▼人にとって楽より大事なのは、気持ちの張りです。
    ▼日々の小さな不満こそ溜め込むととんでもない大きさになって返ってくる。小出しにさせることが肝心で聞く耳が多いほど薬効があがる。
    ▼考えるのをやめてごらんな。

    勉強になります。
    登場人物がみんな気風がよくてかっこいい。
    昔の人のこういう心意気が大好きです。

  • お兼さんみたいな人、世の中に必要だと思う!

  • 温かい、いい物語でした。

  • 時代小説にたっぷり浸りたい時がある
    自動車もなく、飛行機もなく、PCもなく、電車も出てこない
    人が自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の耳で聴き
    自分の五感の手ごたえの中で暮らしいく
    それも絶対に命を落とすことのないスーパーマンのような剣豪モノではなく
    (それはそれで、また乙な味わいがあるのですが)
    一人の人間が己の裁量で生き抜いていく
    人が人として生きていく潔さが
    淡々と綴られていく
    人の暮らしがそのまんま綴られていく
    そんな時代小説が読みたい時がある

    まさに、その条件にぴったりの小説がこれでした。
    主人公の「お藤」を始めとして、登場する人物たちがとても魅力的でした
    「口入屋」が舞台
    今でいえば、職業案内所、少し古いけれどハローワークでしょうか。
    時代は進んで、便利になりましたが
    この「口入や」さんで「お藤」が成そうとした起死回生の秘訣を、
    今の世の中に求めようとするのは
    無いものねだりなのでしょうか

  • 口入屋・冬屋の女主人となったお藤。
    (口入屋とは今の人材派遣業)
    女主人が仕切ることをおもしろく思わない
    宿組合の顔役たちとの確執、想い人との関わりなど、
    読み終えるのが惜しかった。
    江戸に生きる、人情味溢れる人たちの様子や暮らしぶりを知るのは楽しい。

  • 人材派遣業の話。
    ハッピーエンドでよかった。
    ストーリーはふつうでも、文章がいい。
    安物感がない。

  • 人をどう動かすか、はとても興味を持った。

  • 一途な思い。最後には叶ってよかったけど、寂しいだろうなぁ〜。

  • 旅籠のお嬢様から、商家の使用人、口入屋の女差配人となる主人公、お藤。
    お藤の商人としての才能や、人柄が良かった。
    長編で、じっくりと書かれても良かったのでは?
    口入屋のあれこれを、もっと読んでみたかった。
    最後はちょっと無理なまとめ方かな。

  • 小説スバル2013年7月号〜2014年9月号2016年2月集英社から刊行。天涯孤独の女性、お藤の口入屋稼業のお話。商いだけでなく、想い人へも、考えを貫き通す生きざまは、圧巻です。口入屋稼業に比べて、想い人とのお話が、書き込み不足のように思います。

  • 女主人公・お藤が、商いの傾いた「口入屋」(今の人材派遣業)を立て直していく様子がとても面白い。それまでの儲けの少ない武家向けの商い中心から商家向けの商い中心への転換、またただ人を派遣するだけではなく自分のところで一人前に訓練するやり方など、商機に聡いお藤の新しい発想や工夫が読んでいて楽しい。出る杭は打たれるの言葉どおり、お藤も様々な試練に見舞われるが、それらを一つ一つ乗り越えていくさまも痛快。当時の中間(武家奉公人)のことも知れてよかった。

  • 江戸で女だてらに口入屋の差配をはじめた藤が、女だからと侮る手代や旧い既得権益にしがみつく同業たちと悪戦苦闘しながらやりがいのある仕事を与え、信用を得ようと奮い立つ日々を描いている。
    口入屋や中間という言葉は他の時代小説などを読んでいてもときどき出てくるので知っていたけれど、こんなに武家とのしがらみに絡めとられたものだとは知らなかった。
    そんな中、男に頼らず自身の足で立とうとする藤の生き様はたくましく、爽快だ。

  • L

    口入屋の女差配。下働きを仕込んでから派遣に出すという新たな商法で口入屋業界に切り込んでいくお藤。どうにもこうにも、お藤の過去話は退屈。お嬢さんが堕父と継母によってゲセン売られたところを命からがら逃げのびて武家に助けられて大店の隠居に拾われる…って苦労人じゃないじゃないか!祖母の言葉を守って商いをするのはいいけど、その過去話必要なのか。ついでに武家がらみも必要なのか?過去話がなくても余裕でページ数稼げると思うんだけどなぁ、口入屋はネタの宝庫じゃないか!そういえばどこかの作家さんが口入屋の娘の話を書いていたような…。最後、残念が重なって普通の話になってた。その飛び技、そりゃないわ。

  • やはり西條さんのお話は優しい。
    途中、うそ〜〜〜と哀しくなりましたが、最後はホッとしました。
    良かった。

  • 今まで時代小説に口入屋が出てきた時はハローワークみたいなもんかなぁ?と朧気に思って読んでいたけれど、口入屋の差配さんになった主人公お藤さんの話を読んで、バッチリ(^^)vでも、この時代にお嬢さまから天涯孤独になり、生きるだけでも大変な苦労だと思うのに、祖母の口入稼業をするなんて凄い!百蔵じゃなくても、助けたいし惚れてしまう(*^^*)

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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