九十九藤

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 204
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716474

作品紹介・あらすじ

江戸の人材派遣業、口入屋(くちいれや)の女主人お藤。祖母仕込みの人を見る目と持ち前の胆力で、女ながらに傾きかけた店を繁盛させていくが……。商い、恋、過去の傷。その波乱万丈の半生を描き出す長編時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 新聞の書評で激賞されており、興味を持って読み始めたが、期待に違わず、久々に頁を繰る手が止まらない興奮を味わった。
    口入屋(江戸の人材派遣業)の差配を任されたお藤。店の手代たちの反発に一歩も引かず、自分の信じた商いを貫き、店を立て直す。
    次第に明らかになるお藤の素性と来し方。
    その生き方を象徴する言葉が『九十九藤』。
    最後に、主人公が語る。「先が見えないからこそ、生きるに値する。あたしはそう思います」。

  • 初・西條奈加
    評判がいいので読んでみた。

    日本橋本石町の口入れ業、冬屋に新しい差配が来る。
    若くもないがババアというには程遠い藤という女。
    本来、武家にその日その日の体裁繕いに必要な中間を世話する稼業に女は似つかわしくない。
    が、藤は、武家相手ではなく商家相手の事業に切り替えていこうという腹づもり。
    対するはヤクザ者より厄介と評判の崩れ切った中間頭 黒羽の百蔵。おしゃれであります(笑)

    従来からの慣習や既得権を相手の立ち回りに、哀しい生い立ちをもつ者の恋物語を絡めた王道娯楽時代小説。

    昨今人気の時代小説は、イマドキが舞台なら殺伐とするだけの社会状況を投影させて、問題点を筋立てのポイントに持ってくる。
    人材派遣業にいいようにこき使われる非正規労働者、要はカネでしかない権力争い。。
    そういうものに、おとぎ話ならではのエンディングをつけて楽しませてくえっる。

    加えて、現代の女流作家さんらしく、従来型の男女の描き方とは一線を画す。
    どこまでも媚びを売らない藤が、最後の踏ん切りをつける自分を「あさましい」と評する。
    だろうよ。。

    p.s.
    映像化するなら 百蔵は 岡田将生か綾野剛 ありきたりかなぁ...
    藤の方が難しいねぇ 媚びない女優 ガッキーか? 桐谷美玲か? 
    やってくださいね、木曜時代劇。

  • 温かい、いい物語でした。

  • 時代小説にたっぷり浸りたい時がある
    自動車もなく、飛行機もなく、PCもなく、電車も出てこない
    人が自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の耳で聴き
    自分の五感の手ごたえの中で暮らしいく
    それも絶対に命を落とすことのないスーパーマンのような剣豪モノではなく
    (それはそれで、また乙な味わいがあるのですが)
    一人の人間が己の裁量で生き抜いていく
    人が人として生きていく潔さが
    淡々と綴られていく
    人の暮らしがそのまんま綴られていく
    そんな時代小説が読みたい時がある

    まさに、その条件にぴったりの小説がこれでした。
    主人公の「お藤」を始めとして、登場する人物たちがとても魅力的でした
    「口入屋」が舞台
    今でいえば、職業案内所、少し古いけれどハローワークでしょうか。
    時代は進んで、便利になりましたが
    この「口入や」さんで「お藤」が成そうとした起死回生の秘訣を、
    今の世の中に求めようとするのは
    無いものねだりなのでしょうか

  • 口入屋・冬屋の女主人となったお藤。
    (口入屋とは今の人材派遣業)
    女主人が仕切ることをおもしろく思わない
    宿組合の顔役たちとの確執、想い人との関わりなど、
    読み終えるのが惜しかった。
    江戸に生きる、人情味溢れる人たちの様子や暮らしぶりを知るのは楽しい。

  • 人材派遣業の話。
    ハッピーエンドでよかった。
    ストーリーはふつうでも、文章がいい。
    安物感がない。

  • 人をどう動かすか、はとても興味を持った。

  • 一途な思い。最後には叶ってよかったけど、寂しいだろうなぁ〜。

  • 旅籠のお嬢様から、商家の使用人、口入屋の女差配人となる主人公、お藤。
    お藤の商人としての才能や、人柄が良かった。
    長編で、じっくりと書かれても良かったのでは?
    口入屋のあれこれを、もっと読んでみたかった。
    最後はちょっと無理なまとめ方かな。

  • 小説スバル2013年7月号〜2014年9月号2016年2月集英社から刊行。天涯孤独の女性、お藤の口入屋稼業のお話。商いだけでなく、想い人へも、考えを貫き通す生きざまは、圧巻です。口入屋稼業に比べて、想い人とのお話が、書き込み不足のように思います。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。12年に『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞を受賞、15年には『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞した。他著に「善人長屋」シリーズ、『九十九藤』『無暁の鈴』『睦月童』などがある。

「2019年 『亥子ころころ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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