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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784087716498
作品紹介・あらすじ
東日本大震災により失われた日常と、得るべき希望。東北の港町に生きる人々の姿を通して、被災地のリアルを描ききる連作短編集。宮城県在住の直木賞作家が伝えたかった、3・11からの再生の物語。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
震災を題材にしたこの作品は、架空の港町に生きる人々を通じて、失われた日常と希望を描き出しています。特に、震災前後の人々の心の葛藤や再生の過程が、リアルに表現されています。登場人物は100人以上に及び、...
感想・レビュー・書評
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震災に遭った気仙沼市をモデルに、架空の市の仙河海市に暮らす人々を描いたシリーズの5番めの上梓。震災1日前までを扱った7篇の短編と震災後を扱った2篇の短編から為る。題名に初めて「仙河海叙景」という言葉を使った。作者本人が佐藤泰志の『海炭市叙景』を読んで言葉を失っていた自分が「書けるかもしれない」と思ってシリーズを始めた、と告白している。よって、今迄5冊シリーズを読んできて、この短編集が1番力が入っていたと思う。反対にいえば、他のシリーズが、ここから派生した説明版にさえ思える。実際は書いた順番から言っても違うのだろうけど。この後「揺らぐ街」を上梓して、明治時代まで時間軸を遡る。何処かで「10冊まで書けば何か意味のある仕事になっているかも」と言っていたらしいから、それも予定に入っているのだろう。
人物は100人以上に登るらしい。実際そのぐらいまでいかないと、ひとつの街は描けないだろう。
この本だけでも登場人物は多い。よって覚書。登場人物の名前と年齢を記していないと、過去と未来において、どのような関係があるかわからなくなる。年齢は2011年3月段階の歳(推測もあるので間違いはあるかもしれない)。
早坂希(35)早坂めぐみ(希の母)遠藤遼司(45)昆野笑子(35)佐藤真哉(35)結衣(若い)小野悟志(29)小野香苗(29)小野瑠維(子)小野隆志(35)村上美樹(35)菅原優人(高2)匠(高2)小野寺靖行(35)菅原幸子(中3)菅原貴之(50)菅原多香子(53)吉大(33)マスター(元文学青年)小川啓道(33)俊也(33)晴樹(31)菊田清子(81)菊田守一(86)菊田守(長男)美砂子(次女)菊田玲奈(23)真知子(守一の訳あり)村上昴樹(小4)瑛士(小4)侑実(先生)瑞希(小4)尚毅(小4)潤(小4)葉月(小4)村岡倫敏(50)小山千尋(26)村岡陸(25)渉(中3)村岡の父(81)祖父(農業・海苔)村岡晃子(53)晃子の父(仙台市役所職員)晃子の祖父(石巻で牡蠣養殖)村岡ひなた(19)翔平(中3 瑞希の兄)川島聡太(35)上村奈津子(35)
2018年4月読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ラッツォクの灯、まさかそういうことだとは思わなかった。2人の子を持つ親として、高校生の主人公、翔平の、足元が崩れ落ちそうな心細さを思うと涙が止まらない。
震災は受けてみないとわからない。東日本大震災が起きた時は、日々、ニュースに心を痛めたけど、実際、自分の故郷が大地震に見舞われて、見慣れた風景が一変することの意味を初めて理解した。
翔平くんが心安らかに前を向いて歩くことができますように。小説なんだから実在しないだろうとわかっていても、そう願わずにはいられなかった。 -
「リアスの子」以来の熊谷作品です。
仙台に暮らし続けるからこそ、描ける情景。
あれから、もう五年の歳月が流れた。
よほど意識しておかなければ、かの地の「今」は
かの地以外の人には、なかなか伝わりにくいことになっているような気がする。
そんなときだからこそ
読まれ続けてほしい作品である。 -
震災前日談。いじめられている男の子の話は読めなかったので飛ばして読む。何故か分からないが小中学のイジメの話はどの本でも拒絶反応がおき気持ち悪くなったり集中力が低下し読むことができなくなる。
普通の何気ない生活、次があると思って先延ばしにしている事など多々あるが明日はないと思って生活しなくてはいけないと考えてしまう。震災前の話が中心の小説は初めて読むので考えさせられる事ばかり。今のこの何もない生活の大切さを忘れてしまっていたのでこのなんでもない日に感謝と時間を大切に過ごしたい。 -
連作短編集。
東北の港町、仙河海(気仙沼がモデル)が舞台。スナックを経営する親子、両親の離婚に悩む女子中学生、認知症の夫を持つ老女、苛めにあう小学生、中学教師などの日々の暮らしを、震災前2編、震災後7編の全9編で綴る。
登場人物があちらこちらにリンクすることで、街の様子が目に浮かぶ。
個人的には「永久なる湊」が良かった。 -
※こりゃ 食う 寝る 出す の時間削ってでも読むべき本\(^o^)/
おもしろい! いやはやなんともこんなに読みやすい本もなかなかめづらしいのだ。
だいたい普通の本わ1ページ読むのに1分が目安。 例えばお昼休みの正味の30分で読めるのはまあおおよそ30ページなのだ。
万一その本が面白くなかったりすると20ページ読めないこともある。
ところがこの本はなんと50ページも読めてしまうのです。 そのくらい--わたしには--面白いのです。
まあ、興味を持たれた方は読んでみてくださいましまし。 すまぬ。
(※先回から昔やってた☆の評価に変えて、アナログだけど
定番文言による評価をのっけに書くことにした。笑って読み飛ばしてやって欲しい。すまぬ。) -
そこにあるのは「圧倒的な日常」。
年度末だから移動があったり母親が退院したり、兄妹は両親から離婚を告げられたり、人生の契機と言えなくもないが長い人生から見れば「そんなこともあったね」で済むようなこの日と繋がった翌日があるはずだった。
教員として赴任した経験のある著者が震災直後の気仙沼を訪れて「もはや物語は書けない」と思ったのち、旅先で手にした佐藤泰志の「海炭市叙景」にインスパイアされて標したのが本著である。
気仙沼をモデルとした架空の街「仙河海市」を舞台にした、今活きる人々の物語である。 -
地震と津波で被害を受けた東北の街を舞台に9本の短編で構成されている本だが、登場人物が次々と絡み合ってきて次第にのめり込んだ感じだった.「リオ」のママ 早坂希が出てくる「リアスのランナー」がスタートだが、翔平と瑞樹が出てくる「ラッツオクの灯」が良かった.バイトに明け暮れる翔平を見守る実は死んでいる瑞樹.泣けてきた! 両親が離婚するのを冷静に受け止めている幸子と恋人の翔平とのやりとりも面白かった.
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震災後の東北・港町を生きる善良な人々の群像劇。
家族を津波で喪った者が、それでも地元を心の拠り所にして再起していこうとする。
映画「マグノリア」を彷彿とさせるが、食い足りなさも残る。ラノベタッチの描写も飽きを生む。
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直木賞作家とは知らず
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仙河海の人間模様。
ラッツォクの灯には息を呑んだ。こんな家族のすべて亡くしたような例は実際にもある事を想像すると。 -
熊谷達也の仙河海シリーズ。仙河海という町は作者の作った東北地方の架空都市。物語は今回も東北を襲ったあの震災が時間軸になっている。今回の主人公は希、多分これで主要メンバーが一周したはず。調律師の後半以来、震災が時間軸になっている作品が続いているが、希も元の様に走り出したしシリーズ最終作かもしれない。
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1948年宮城県生まれ、気仙沼市の中学校で教員をされて、作家に、現在は仙台市に在住です。今回、気仙沼市をモデルにした仙河海(せんがうみ)市における様々な家族の生き方を描いた作品を出されました。2016.3発行「仙河海叙景」です。短編・連作9話、1~7話が震災・津波前、8~9話が震災・津波後の話です。リアスのランナー、早坂希(のぞみ)が悲しみを超え、希望に向かって走り出します!
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東日本大震災により失われた日常と、得るべき希望。再生の物語全9編。「あの日」を描かない連作短編集。
震災の日の午前、前日、前々日の被災地での人々の普通の暮らしが、地震と津波を境に突然奪われた。
被災し肉親を亡くした人たちが、希望を見つけようと前を向く。
著者プロフィール
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