ラメルノエリキサ

著者 :
  • 集英社
3.29
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本棚登録 : 428
感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716511

作品紹介・あらすじ

女子高生・小峰りなのモットーは、どんな些細な不愉快事でも必ず「復讐」でケリをつけること。そんな彼女が夜道で背中を切りつけられ──。鮮烈なキャラクターが光る第28回小説すばる新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 通り魔に刺されたリナは復讐の申し子。やり返すため犯人を探す。自己愛強めに在るがままに生きる姿が痛快。「ラメルノエリキサ」謎解く鍵は錬金術。妹の過激な行動を抑止する姉。彼女の意外な行動が面白い。

  • 初めての作家さん。
    新刊「クラゲ・アイランドの夜明け」が気になったのですが、どうせなら、わけのわからないタイトルのデビュー作からということで、この本から読むことにしました。

    出だしは衝撃の連続。間違ったかなと思うくらいでした。
    淡々と短めの文章で綴られるので、より強く感じられました。ちょっと作者さん怖いなと思ったら、カバーに写真がありましたが、やさしそうな微笑みと落差激しすぎ。

    主人公を襲った犯人は誰かという謎解きなのですが、この部分は「こんなのあり?」というものでしたが、タイトルの謎解き部分は十分楽しめました。また、犯人に迫るまでのハラハラ・ドキドキ感は十分楽しめるものだと思います。

    気持ちを落ち着けてから次の作品も読んでみたいです。

  • 倍返しではなく自分の為。

    復讐をモットーにする女子高生「小峰りな」、どんな些細なこともやり返さないと気が済まない。ハンムラビ法典ってのがあるみたい、目には目を歯には歯をって奴、でも私の悲しい気持ちや周りの気持ちも考えたら同じことをやり返すのじゃ足りないと思う。 そんな私は、ある日刺された。

    復讐女子高生が夜道で刺される所から物語は始まる。 6歳の時に事故に見せかけて同級生を骨折に追いやって以来、復讐をモットーにして生きてきた彼女にとって最大の復讐劇の開幕の予感である。 犯人が残した謎の言葉「ラメルノエリキサ」を手掛かりに復讐心のもと奔走する主人公、家族や友人たちも巻き込み未成年の心の拠り所に迫る青春小説の一面も覗かせる。 色々と物騒な内容だが本作は小説としてはかなり軽い、「小峰みな」は自分の心の平穏の為に復讐を行うが、中身は案外女子高生。 夜道での犯人捜しは足が震えるし、涙も出そうになる。 復讐が生きがいなのではなく、復讐して心の清算をしないと生きてゆけないというのが正しいだろう。 そんな彼女がどう事件と向き合い、折り合いをつけるのかが本作の肝になる部分である。 斬新かつ、読んでいて過去に類のない作品なのは保証する。

  • 主人公は、正直仲良くなれないな、って子。
    復讐に執着している子。
    周りにいる子も、いるいる、な子。ノリでいじめするような。
    主人公は冷めた目で周りを評価していて、ママは完璧と言いながらもコンプレックスを抱いていて残酷な感情も持ってる。
    人の傷口をこわごわみているような小説だった。

  • 先ず、この主人公のことが私は好きになれません。
    最初から最後まで嫌い。
    こんなに嫌な主人公ってなかなかいません。
    己を貫いているという点においては良いのかもしれませんが、その割にあの終わり方……
    何ともモヤモヤ。
    ラメルノエリキサ という言葉についてはすっきりしましたが、あの姉妹を育てた両親がおかしいのでは?……とすら、思ってしまいます。
    時差的に不快感が湧いてきました(苦笑)

  • 2022/3/14

  • うん、おもしろかった。意味ありげなタイトルが途中からどうでもよくなるくらい、主人公の語りが好きだった。何だかもう清々しい気持ちにすらなった。お姉ちゃんも大好き。

  • 面白かった!!!
    通り魔に刺されたのに、強いこの子!
    でもちゃんと少女の怖がる姿や、
    怒りが描かれていた。
    ママへの葛藤もいいなぁ
    交差する意思が物語をテンポ良く
    勧めてくれてる。
    読みやすく、面白いですよ!
    熱中して数時間で読んじゃいました。

  • わりとほっこりした

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著者プロフィール

1981年静岡県生まれ。天理大学人間学部宗教学科講師。東京大学文学部卒業,東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了,博士(文学)。2011-2013年,フランス政府給費留学生としてパリ・イエズス会神学部(Centre Sèvres),社会科学高等研究院(EHESS)に留学。2014年4月より現職。専門は宗教学,とくに近世西欧神秘主義研究,現代神学・教学研究。訳書に,『キリスト教の歴史 ―― 現代をよりよく理解するために』(共訳,藤原書店,2010年),論文に「もうひとつのエクスタシー ―― 「神秘主義」再考のために」(『ロザリウム・ミュスティクム:女性神秘思想研究』第1号,2013年),「教祖の身体 ―― 中山みき考」(『共生学』第10号,2015年)など。

「2016年 『ジャン=ジョゼフ・スュラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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