大きくなる日

著者 :
  • 集英社
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716542

作品紹介・あらすじ

子供も、親も、保育士さんも、先生も、心をつなげば大きくなれる──。四人家族の横山家の歩みを中心に、人間の成長を描く九つの連作短編。『おれのおばさん』シリーズの佐川光晴が贈る感動作!!

感想・レビュー・書評

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  • 介護、外国人家族、少年サッカーの指導、保育現場の課題、部活、恋、PTAなど、様々な問題にもがきながらも解決に向け頑張る人たちの九つの連作短編。
    私にはみんなちょっとまぶしかったかな(〃∀〃)ゞ

    あ〜男の子ってこんなに可愛いんだ。保育園から中学卒業までの太二くんを色んな角度から見守って、気分はすっかり太二くんママ(⁎˃ᴗ˂⁎)

    介護の問題には不安になった。自分の親の介護をする時主人に迷惑をかけずにどこまでできるのか…時にはこの夫婦みたいに喧嘩になってしまうのかな。
    色んな問題を家族で乗り越えていきたいそう思える本でした。

    「ぼくのなまえ」太二くんの卒園式。

    「お兄ちゃんになりたい」介護問題。旦那さんが怒ってビックリした。これが現実か。

    「水筒の中はコーラ」文化の違いって大変。コーラはお茶みたいなもの?

    「もっと勉強がしたい」母は父の味方であるべきか子供の味方であるべきか。

    「どっちも勇気」サッカーチームの指導者の大変さ。

    「保育士の仕事」保育の現場はどうなっていくのか、今まで考えたこともなかった問題。

    「四本のラケット」部活の人間関係はいつの時代も難しい。グーパーじゃんけんはよくないね。

    「本当の気持ち」ちょっと、えっと思った。中2の女の子が好きの気持ちが最高潮になったとしても片思いの人に対して「いつかあのひとの子どもを産みたい」とは思わないような…。

    「みんな笑顔」受験前後のPTAは特に難しい。親も子も大変なのだ。

  • 初めての作家で
    初めて読んだ作品が
    自分の中でヒットであれば
    その日は とてもいい気分になってしまう

    図書館で何気なく
    手に取った一冊でした
    これが 上記の条件そのまんま

    どこにでもあるような
    等身大の日本の家族の営みが描かれる
    とくにそんなに大きな出来事が起こるわけでもなく
    とくに超人的な主要人物が大活躍するわけでもない

    それでも、最後まで
    うん あるよねぇ こういうこと
    うん あるよねぇ そういう気持ち
    うん あるよねぇ そうなってしまうこと
    それらが
    適度な緊張感とどうなっていくのだろう
    の見事なストーリーテーリングで
    最期には ほっ とさせられる

    優れた日常小説ですね

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00631335

    「おれのおばさん」シリーズの佐川光晴が贈る、最新作。
    四人家族の横山家の歩みを、周辺の人々の姿を交え描いた九つの連作短編。

    横山家の長男・太二を、保育士の星野先生が温かく見守る(ぼくのなまえ)。
    太二の小学校同級生で一人っ子の健人が、祖母の病気を契機に、家族について考える(お兄ちゃんになりたい)。
    子供の運動会に参加したフィリピン出身の母親が、文化の違いに戸惑う(水筒の中はコーラ)。
    念願の私立中高一貫校に入学した太二の姉・弓子が、急速に学習意欲を失った理由(もっと勉強がしたい)。
    少年サッカーチームのコーチを引き受けた川村家の父親が思わぬ苦境に立つ(どっちも勇気)。
    保育士の満里子から見た、変わり行く保育の現場(保育士の仕事)。
    中学テニス部での人間関係のもつれを、太二が思わぬ形で解決する(四本のラケット)。
    太二に恋する良子が、改めて亡き母の事を思う(本当の気持ち)。
    夫の転職で多忙を極める横山仁美が味わう、太二の中学卒業前の一騒動(みんな笑顔)。

    親、保育士、先生等々、子供たちの成長に関わるすべての人に読んで欲しい感動作です。(出版社HPより)

  • 2022/08/16

  • 読まなければ良かったとは思わないけれど、読んで良かったとも思わない作品でした。決して悪くないのですが・・・

    作り終わってすぐの、冷ましていない卵焼きのお弁当で食中毒になる流れじゃなかったのは良かったです(←そこが気になってヒヤヒヤしていたらしい)

  • うまくいっている時も、
    何をやってもうまくいかない時も、
    うかれずくさらず。(6話)
    <第6話 保育士の仕事>
    <第3話 水筒の中はコーラ>
    <第7話 4本のラケット>
    の3本が好きだった。

  • こんな感じのストーリーは初めて読んだ。
    途中モヤモヤもしたけど、その分読了感が爽やか。
    太二たちのその後が気になる。

  • 子育て遂行している時は、がむしゃらに、成長を望みながら、大きくなって、手にかからなくなったら、これは、これで、寂しいものである。

    この小説は、四人家族の普通の家庭。
    その太一が、保育園から高校受験まで、、、心身ともに、成長して行く過程と、その家族の周辺での出来事など踏まえて、皆
    体験していくいくつかの問題が、提示されているように思える。
    保育園問題、外人の友達、サッカー部の顧問、PTAの役員、受験問題、親の介護・・・・

    子供が、膝に乗って来ている間、親は、一番至福の時間かもしれないと、、、、

  • 太二の保育園から、中学卒業まで。
    いろんな目線で、時に主人公、時に脇役。

    ほんとうの気持ち
    がよかった。
    中学生の女の子の恋心や、母を想う気持ちに涙。

  • 【収録作品】第1話 ぼくのなまえ/第2話 お兄ちゃんになりたい/第3話 水筒のなかはコーラ/第4話 もっと勉強がしたい/第5話 どっちも勇気/第6話 保育士のしごと/第7話 四本のラケット/第8話 本当のきもち/第9話 やっぱり笑顔

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著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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