不審者

著者 :
  • 集英社
3.58
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716733

作品紹介・あらすじ

長年行方不明だった義兄の登場。
崩れ始める、平穏だった家族関係。
ある一つの悲劇をきっかけに、
すべての景色は一転する。

会社員の夫・秀嗣、五歳の息子・洸太、義母の治子と都内に暮らす折尾里佳子は、主婦業のかたわら、フリーの校閲者として仕事をこなす日々を送っていた。
ある日、秀嗣がサプライズで一人の客を家に招く。その人物は、二十年間以上行方知れずだった、秀嗣の兄・優平だという。現在は起業家で独身だと語る優平に対し、息子本人だと信用しない治子の態度もあり、里佳子は不信感を募らせる。しかし、秀嗣の一存で優平を居候させることに。それ以降、里佳子の周囲では不可解な出来事が多発する。

『代償』の著者が贈る、渾身のサスペンス&ミステリ。

【著者略歴】
伊岡瞬(いおか・しゅん)
1960年東京生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー。著書に『145gの孤独』『瑠璃の雫』『教室に雨は降らない』『代償』『もしも俺たちが天使なら』『痣』『悪寒』『本性』『冷たい檻』など。

感想・レビュー・書評

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  • 『朽ちゆく庭』『代償』を読んですっかり"クズ"に魅了されています!

    クズに魅了されているってやばいかな…w

    次はどんなクズが出てくるか楽しみにしながら手にとった伊岡さんの三作目は『不審者』

    読みました!

    はい!その結果、ちょっと…

    なぜなら、過去二作品のクズが凄かったので本作のクズは小粒ですね
    (クズで作品の評価をしているのかいって!w)


    折尾里佳子は、会社員の夫・秀嗣、五歳の息子・洸太、義母の治子と平穏に暮らしていた
    秀嗣がある異物を家に連れてくるある日までは…
    その予想もしなかった異物は、二十年以上行方知れずだった、秀嗣の兄・優平
    この優平の登場、そして居候させることになって以降、里佳子の周囲では不可解な出来事が多発する…

    あきらかに怪しい存在の優平が気になりながら読み進めていくと、あれっ!?
    残りページがあと少し!
    やっぱり黒幕は優平なのかって思っているところで、一家のさまざな秘密が怒涛のように押し寄せてきたーーーヮ(゚д゚)ォ!

    最後にお腹いっぱいになる、そんな作品でしたw

    • 1Q84O1さん
      かなさん、お疲れ様です!
      勝手に「伊岡作品=クズが出てくる」というイメージが出来上がってますw
      大物のクズを求めて参りますー( ̄ー ̄)ニヤリ
      かなさん、お疲れ様です!
      勝手に「伊岡作品=クズが出てくる」というイメージが出来上がってますw
      大物のクズを求めて参りますー( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/10/23
    • ゆーき本さん
      1Qさん 堂々と「クズ推し」していきましょ
      (๑•̀ㅂ•́)و✧
      伊岡瞬さん好きなお友達が『痣』が面白いって言ってました〜。こないだ次男くん...
      1Qさん 堂々と「クズ推し」していきましょ
      (๑•̀ㅂ•́)و✧
      伊岡瞬さん好きなお友達が『痣』が面白いって言ってました〜。こないだ次男くんは『瑠璃の雫』買ってたなぁ。どうやら伊岡作品にハマってるみたいです。
      2023/10/24
    • 1Q84O1さん
      ゆーき本さん
      クズ推し!w
      お友達も次男くんも伊岡作品に!Σ(゚Д゚)
      クズ仲間が増殖していくかな…
      ゆーき本さん
      クズ推し!w
      お友達も次男くんも伊岡作品に!Σ(゚Д゚)
      クズ仲間が増殖していくかな…
      2023/10/24
  • 2020年の吉川英治文学新人賞候補に挙がった作品。
    最初から最後まで、ずっと不気味な空気が漂う。
    伊岡駿さんは読んだことがなかったが、
    イヤミスというのは、こういう小説のことかな。

    校正・校閲の仕事をする知的な主婦、里佳子。
    夫はゴルフに出かけていて、一人で机に向かう日曜日。
    ベビーベッドで眠る一人息子。
    静かに始まる冒頭の序章から、不穏な世界に誘われる。

    それから数年後、夫の兄と名乗る人物が現れる。
    両親の離婚で生き別れになって21年間会っていないという。
    里佳子の目線で語られる義兄は、何とも不気味だ。

    そして、里佳子が校閲中の小説の内容描写から、すーっと
    想像もしなかった事実の暴露へと向かう。
    あれれ?…と、展開について行けずに二度読みした。
    おやおや、そういうことですか。
    理解するのにしばし時間がかかる。

    かつて、『代償』を世に出した後に伊岡氏自身がこう語っている。
    「本音を言えば、物語にメッセージはいらないと思っているんですよ。
    読んだ人が、読んでいる時間を充実させてくれればそれで満足なんです」

    たしかに、ページをめくる手は止まらなかった。
    でも、心が弱っている時のイヤミスは 要注意かも。

    • しずくさん
      >「本音を言えば、物語にメッセージはいらないと思っているんですよ。
      読んだ人が、読んでいる時間を充実させてくれればそれで満足なんです」
      ...
      >「本音を言えば、物語にメッセージはいらないと思っているんですよ。
      読んだ人が、読んでいる時間を充実させてくれればそれで満足なんです」

      伊岡さんは「悪寒」と「本性」の2作しか読んでいませんが、ダークな印象が強くて3作目を読もうという気持ちにはなれませんでした。でも最後まで読者を引っぱる牽引力には感服。なるほどそういうことだったのですね。

      2022/03/13
    • yyさん
      しずくさん

      コメントありがとうございます。
      私は、初めて伊岡瞬さんを読みました。

      不気味な雰囲気を感じながらも最後まで読んでし...
      しずくさん

      コメントありがとうございます。
      私は、初めて伊岡瞬さんを読みました。

      不気味な雰囲気を感じながらも最後まで読んでしまう
      そんな作品でした。
      まさに、しずくさんのコメントどおりです。

      でも、小心者の私は、今は二作目に挑戦する勇気がありません。
      好みの分かれる作家さんですね。

      2022/03/13
  • 背後から襲われた気分、の一冊。

    一気読みサスペンス。

    ある日突然平穏な自分のテリトリーに心ざわつかせる人が侵入してくるこの不快感。このざわつく不快さで読み手の心を引きずり込んで離さない、なんとも魅了されるストーリー展開だった。

    みんなどことなくズレを感じるし、とにかく不気味な出来事に心がどんどん支配されていく。

    そんな支配の最高潮期にいきなり背後から襲われた気分。

    え…⁈確認して一瞬、時が止まった。

    あぁ、そういうことでしたか。最初から最後まで素直に面白かった。

  • 伊岡瞬さんの作品を読むのは、初めて。

    伊岡瞬さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    伊岡 瞬(いおか しゅん、1960年 -)は、日本の小説家・推理作家。東京都武蔵野市生まれ。

    広告会社勤務を経て、2005年に『いつか、虹の向こうへ』(応募時のタイトルは「約束」)で第25回横溝正史ミステリ大賞の大賞とテレビ東京賞をW受賞し、作家デビュー。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    長年行方不明だった義兄の登場。
    崩れ始める、平穏だった家族関係。
    ある一つの悲劇をきっかけに、
    すべての景色は一転する。

    会社員の夫・秀嗣、五歳の息子・洸太、義母の治子と都内に暮らす折尾里佳子は、主婦業のかたわら、フリーの校閲者として仕事をこなす日々を送っていた。
    ある日、秀嗣がサプライズで一人の客を家に招く。その人物は、二十年間以上行方知れずだった、秀嗣の兄・優平だという。現在は起業家で独身だと語る優平に対し、息子本人だと信用しない治子の態度もあり、里佳子は不信感を募らせる。しかし、秀嗣の一存で優平を居候させることに。それ以降、里佳子の周囲では不可解な出来事が多発する。

    『代償』の著者が贈る、渾身のサスペンス&ミステリ。

  • 伊岡瞬、ー「悪寒」「痣」「もしも俺たちが天使なら」に次ぐ4作め

    わぁ出会ってしまった。伊岡瞬ロードまっしぐらだね。今「罪の声」林真理子、他にもいろいろ並行して読みながら、伊岡瞬に入ってしまった。まさに一気読み。面白い、とにかく文句なしにおもしろい。
    娯楽要素満載。

    Aを怪しい、腹が立つと思いながら読んでるうちに
    Aが怖いこわい、それに神経に触る、精神衛生上良くない。
    こんなバカな私は単純で、他の思考にいかない。

    それでも、ちょっと待てよ。
    これは思い込みの怖さで正確な判断をしてるかと少しだけ気付いた。
    Aが果たして悪いか?と〜

    いつでもその作品に触れるときには
    いつも白紙を心がけている、なにも先入観なしに
    自分の考えだけで進む、だから
    人様にもお勧めもしない。それぞれだから

    最後にこの作品の宣伝文句を見た。
    「ハマるぞ!伊岡瞬。」
    その通り。そのとおりです。

    ここから始まる。
    「お前が長く深淵を覗き込むとき、深淵もまたお前を覗き込む」

    この文の

    前半は「怪物と戦うものは、それが故に自身が怪物にならぬように用心せよ」ニーチェの言葉。
    ふーん。なるほど
    まさにそのとおり。

    最後に読んで、いかに自分が相手に誘導され
    思わぬ方向に行くか思い知らされた。
    理性的からは程遠い、桑原クワバラ。ふるっ。
    犯罪起こさないとも限らない。
    情としては自分も同じ思い、行動を犯すだろう〜。

    これはもうFail in loveだね。
    他の作品が目に入らない。中毒。

  •  読み始めた時から喉の奥に小骨が刺さったような嫌な違和感がずっと付き纏っていた。
     それは、彼が登場してからはさらに色濃くなっていったが、なるほど、そういうことだったか。

     校閲者の里佳子は夫と義母、そして息子の洸太との4人の生活に多少の不満は感じながらも平穏に暮らしていた。
     ある日、夫の兄という男が21年振りに現れてからというもの少しずつ日常の歯車が狂っていき・・・。

     平凡な日常に少しずつズレが生じていくという、なんとなくモヤモヤな感じを上手く表現している。頼りない夫。ワガママを言う息子。ボケが始まりつつある姑。そして、我が物顔で振る舞い始める夫の兄。なんとも不気味な物語である。そして最後には恐ろしい真相を知ることになる。

     違う結末を想像しながら読んだが、こちらの結末も十分に想像できた結末。もう少し捻りが欲しかった。

  • 長年行方不明だった義兄が突然現れることで、日々の暮らしが崩れ始めていく…
    そんなあらすじに惹かれ、読んでみたが、最初から最後まで途中で読みたくなくなるほどの不快感を感じた。
    フリーの校閲者として働きながら、幼稚園の息子と平凡な会社員の夫、そして義理の母と暮らす里佳子。
    小心者でちょっとした変化や、他人の態度をいちいち気にする里佳子は子供の頃から「リトル」と呼ばれるほど。
    その里佳子が暮らす家に、21年ぶりに夫の生き別れた兄が現れる。
    その義兄の存在を異様なほどに恐れる里佳子。その背景に何があるのか?
    不快感はあれど、やはり気になるので、最後まで読んでみたら、そういうことだったのか!となる。
    そこではまるかどうかは微妙なところで…
    トリックは面白かったけど、とにかく主人公の里佳子が気味悪過ぎで、嫌悪感しか感じない。
    イヤミスの書き手からしてみれば、完全に手中にはまっているけれども、個人的にはイヤミスは好きになれない。
    あと1冊、伊岡作品が手元にあるけど、読むかどうか、悩むぐらい、読後感は最悪…

  • 主人公のこと、
    こんなママ友はいやだな。知人にいたら避けてしまうな…と読みながら思っていたら
    本当に嫌な奴だった。

    年少期の性虐待と息子を亡くす辛い経験からあんな性格がひん曲がってしまったのか、
    だけどやっていいこと、悪いことの判断ができないなんて
    捕まって良かった。

    だけど、3人の殺人プラス殺人未遂した妻なんだからとっとと離婚するような気がするが…
    この旦那さんがいちばん理解できなかったし
    元凶な気がした。

  • 全然何も考えずに読んでいたので後半になってきてからの違和感というか、気味の悪さを感じながら話の展開に驚きました。
    なんとなく理解が難しくなってきて何回も行ったり来たりしながら読んでいました。
    それでも一気に読めました。
    伊岡さんの作品を読んだのはこれで2作目ですが、はまりそうです。他の作品も必ず読みます!



    最後に出てきた弁護士の人は『代償』の奥山先生かな、??


  • 伊岡瞬さん小説の、闇を抱えた主人公の
    語り口や流れるようなストーリーは
    スイスイ読めるので好んで手にします。

    不審者の主人公 里佳子は自分を[リトル]と
    表しているが、読んでると小心者というより
    慎重で神経質。
    強いものに逆らえないのが悩みの種としてる
    自己評価とは反対に窮地に噛みつく小動物のよう。
    リトルと自分を言う卑屈だけど陰湿な感じが
    読んでて不快感な印象でした。
    でもそれが話の核だったんだな、が読後感。


    ニーチェ
    怪物と戦うものは、それが故に自身が
    怪物にならぬように用心せよ
    お前が長く深淵を覗き込むとき、
    深淵もまたお前を覗き込む

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(『約束』を改題)で、第25回「横溝正史ミステリ大賞」と「テレビ東京賞」をW受賞し、作家デビュー。16年『代償』で「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、50万部超えのベストセラーとなった。19年『悪寒』で、またも「啓文堂書店文庫大賞」を受賞し、30万部超えのベストセラーとなる。その他著書に、『奔流の海』『仮面』『朽ちゆく庭』『白い闇の獣』『残像』等がある。

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