教室に並んだ背表紙

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  • 集英社 (2020年12月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784087716948

作品紹介・あらすじ

「わたしは欠陥品なのかもしれない。自分が大人になれるって、無条件で思い込めるみんなが、羨ましい」(本文より)

中学校の「図書室」を舞台に、クラスへの違和感や未来の不安、同級生に対する劣等感など、思春期の心模様を繊細に描き出す全六編の連作短編集。

【著者略歴】
相沢沙呼(あいざわ・さこ)
1983年、埼玉県生まれ。09年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。11年3月「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作となる。18年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補に。19年『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が国内ミステリランキングを席巻し、大ヒット。その他の著作に『雨の降る日は学校に行かない』『小説の神様』など。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

思春期の心の葛藤や生きづらさを繊細に描いた連作短編集は、図書室を舞台に、さまざまな少女たちの苦悩や成長を描き出します。登場人物たちは、友情や劣等感、未来への不安に直面しながら、図書室という安らぎの場所...

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作家さんの作品なのだが、いわゆる『生きづらさ』を抱える少女たちの話なので読んでいて痛々しい場面が多かった。

    特に最終話の三崎衿子の話は辛かった。今も昔もこういう女王様みたいな子がいて、彼女に逆らうと教室にいられなくなるなんていうことが繰り広げられているのか。
    しかし私が学生時代のウン十年前とは違って、今は学びの場も学びの形態も多様化している。情報発信も受信の方法も色々あり様々なフォローもあるのだから学校に行くことだけが全てではないだろうと思う。

    図書室の司書である『しおり先生』が言うように、『学校を過ごした時間で、すべてが決まってしまうなんてこと、絶対にない』し『苦しいなら、逃げたっていい』と思う。
    ただ当事者としては自分が惨めな目に遭わされ教室から逃げ出すしかなかったという敗北感、屈辱感、プライドをズタズタに踏みにじられた心の傷というものは大変なものだろう。
    だからこそ『学校に行かなくても大丈夫なようにするのが先生たち大人の役目』なのだろう。

    皆と同じように騒がしくおしゃべり出来ない子、親との関係が上手くいかずにスマホだけに頼る子、二次元の男の子に恋をしている子、名前にコンプレックスを抱いている子…。

    様々な『生きづらさ』を抱えている女の子たちの駆け込み寺的な図書室。司書の『しおり先生』は押し付けがましくはないものの、本を読むことについては何度も勧めてくる。

    本の種類は何でも良い。小説でも漫画でも雑誌でも、読んでいればそれは『読書』。
    学校の宿題になるような『読書感想文』を書くことだけが感想ではない、『課題図書』を読むことだけが『読書』ではない。面白くなかった、私の好みではなかった、それもまた感想。今まで読んだことのないジャンルでそれほどのめり込まなかったけれど、この部分だけは印象に残っている。それもまた感想。

    本の世界は現実世界とは違うけれど、だからこそそこを通して視界が少しでも広がってくれたら。少しでも多くの感性を育み、様々な考え方や価値観があることを知ってくれたら。
    『しおり先生』のそんな思いが伝わってくる物語だった。

    私の学生時代は避難場所と言えば保健室だったが、図書室も良い。こんな穏やかで細やかに見てくれている先生がいてくれればもっと良い。
    最後にちょっとした仕掛けがあったことに気付く。

  • もう何十年も前になるけれど、私は一時期こちら側の人になってしまったことがある。
    何をしたわけでもない普通に生活をしていたら、いつの間にか除け者にされていた。
    そうなると学校での私はもの凄く萎縮してしまって、周りの目を顔色を気にしながら生活をしていた。
    当時、担任教諭とクラス全員が交換日記をしていて、そこにちょっと相談をしてみた。帰ってきた言葉は「優しすぎるのよ」と書かれていて、中学生だった私は、自分が責められたように感じて悲しくて傷ついたのを覚えています。

    この作品に出てくる司書の「しおり先生」は、とても温かくて優しい人です。そして図書室に来る生徒のことをとてもよ〜く見ています。

    こんな人が学校にいたら

    しおり先生との出会いで、学校が辛い、居場所がないと感じている女の子たちが、少し、ほんの少しだけれど、そういう思いから放たれていく。安心していく。
    子どもだって大人だって辛いときは「助けて」と言おう。
    涙無しでは読めません:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。
    苦しいけれど心が温かくなる作品でした。




  • 物語から持ち帰れることって、たくさんある

  • 大人しくて繊細な主人公が唯一の 居場所である図書室でいろんな経験を積み成長していく物語。
    陽キャに対する苦手意識や思春期 特有の多感さが見事に描かれている。
    感情のコントロールが未熟で過度な比較意識から僻んでいる感じがあるあるだなと共感。
    人間関係で悩んでいる時や自信をなくしている時に読むとどこまでも寄り添ってくれる優しい作品。
    学校に居場所がない子、劣等感を感じている子におすすめしたい。

  • 2021/12/8読了
    #相沢沙呼作品

    連続短編集。
    図書館で繋がる学生の物語。
    艶っぽい作品が多い著者だが
    学生の淡い心の表現も良い。
    ココロ・ファインダの図書館版
    みたいな感じでした。

  • 読書を始めてよかったって思うような心温かくなる物語でした。
    自分の中学生時代を思い出して懐かしい気持ちになったり読書の世界にのめり込む前の自分はこの子と同じ気持ちだったなと思ったり。
    本を読んでいる時、読んだところの内容が頭に入らないと次に進められないから何回も同じ行を読んだりして(笑)
    授業の課題として選択された本を読むように言われても、かまえてしまって良い読書感想文を書かなきゃ!ってプレッシャー感じるよねって共感したり。
    しおり先生の言う言葉めっちゃ分かるってなってうんうん頷いていた。
    自分が小学6年だった頃にこの本と出会いたかったな。

    【印象に残った・心に刺さったことば】
    大人になっても、やっぱりたくさん泣いちゃうことに変わりはないんだけれど…。けれどね、嬉しかったり、感動したりして、涙を流すことも増えてくるの。優しい気持ちに包まれて、胸が温かくなって、じんじん心が揺れ動いて…。そうして流す涙は、とても優しい温度をしているんだよ


    読書のスピードは、遅い方だった。気に入った文章を口の中で転がしながら何度も読み返してしまうからなのだろう。好きな歌を口ずさむみたいに、心に入り込んできた文章を眼でなぞっていくのは、思いのほか心地いいから。

  • 学校に馴染めない少女たちが図書室で…謎解き&仕掛けにも注目の短編集 | ananニュース – マガジンハウス
    https://ananweb.jp/news/335637/

    教室に並んだ背表紙 | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/sebyoushi/

    教室に並んだ背表紙/相沢 沙呼 | 集英社の本 公式
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771694-8

  • 『おすすめ教えてノート』図書館とかでも取り入れられればいいなぁ。
    星野さんたちのその後がどうなってるのか…先生たちはどう対応するのか、その先を見てみたくなる。
    しおり先生のように、寄り添いながら生徒たちの心の支えや居場所となれるって、これからの時代とても重要になりそうだ。

  • 最初に文庫の青い装画に惹かれたのだけど、
    背表紙があるこちらを装丁買い
    タイトルも背表紙だしね

    学校に通う異なる主人公の6つ短編集
    様々な悩みに直面する学生たちの話

    5章の漫画を描くのが好きな子とギャル系の子の話が一番好きだった

    6章は凄く嫌な話だったけど、描写はないけど
    最後は5章の子達や先生らが動いて変わったんだと願う
    ある登場人物の名前で、自分があることを勘違いしてたことに気づき、
    そしてその姿に感動した

  • 中学校が舞台の図書室物語。レビューを拝見しても実に多くの方が同じような思いや経験をしている事が窺える。それだけここで語られる家庭や学校生活、カーストやいじめ、将来への不安や恋愛事情などが日常であり、誰もが経験しうることであるのだ。その只中にいる人にも、なんとか乗り越え大人になり回想する人にもそっと寄り添う本であろうと思う。

    流す涙のネガティブなイメージからの変化。「優しい気持ちで流す涙で、…」

    気づき。「誰も助けてくれないのは、助けてって声をあげなかったからだって。…」

    なにもない、ただ好きなものがあるだけ。「いくつになっても、好きを始めることはできるもの。人間は、人に出会って…」

    私の琴線に触れたフレーズである。読者一人ひとりに寄り添い、語りかけてくれるフレーズがあるでしょう。
    言葉は生きていると感じます。現代小説ですから『若者言葉!?』(こう書く時点で私は古いのだが…)が使用されるのもわからないわけではないが(私なりに理解して読むも本意はあやしい)、数年後、その言葉は使われなくなりきっと「?」となるのかなと思ったりもしました。

  • とても良かった。私は「雨の降る日は学校に行かない」よりもこの本の方が好き。
    私も本を読むことが好きだから、しおり先生の言っていることはよくわかる。「本を読むことで得られることはたくさんある」ということを改めて感じられた。しおり先生が本当にいてくれたらなあと思う。ラストの仕掛けに驚いた。
    優しい気持ちになれる一冊。

  • 最、高…。
    あれ、おかしいな。話すべきことが多すぎて、文字に起こすことさえ困難。この本は読書好き同士で語り合いたい。(読書仲間がいないのが悲しい笑)

    「読書」をテーマにした本って、やっぱりどれもすごく癒される。メモしたい言葉がたくさん並んでる。

    私も読書ノート書いてみよう。ブクログもいいけど、もっとこう手書きで、自由に、好きなだけ。

  • カバー絵にひかれて読んだ
    自己肯定感かを低い少女たちが
    図書室と司書のしおり先生に出会い
    ありのままの自分を認め、友だちに一歩近づいてゆく
    明るくコミュ力高いしおり先生がまさかあの人だったなんて
    ステキな伏線もあって、陰湿なイジメが絡んでつらいが、最後まで読めた
    「MEDIUM」よりも好きな作品

  • 連作短編。
    とても良い本だったけど、大人の私でもちょっと読むのが辛いお話だなぁ。
    小中高生なんて、学校が全ての世界で居場所がないのは本当に辛いことだと思う。
    お弁当を食べる場所がなく、お昼休みに食べる場所を探してうろうろするなんて。
    本当に逃げてもよくて、そこから先は大人の役割だと思った。
    しおり先生の正体はあの子だったのね。
    表題の話が1番辛いけど、一番良かった。

  • mediumを読み終えて、同じ作者とは思わずと図書館で借りた順で読みはじめました。
    中学生の女の子独特の雰囲気、中心からは外れている、外された子、それぞれ思うこと、感じることは、さまざまで、心理描写がよかったです。
    中学って特に、学校がすべてだと思うときだったな。と思いました。

  • 読みやすい作品ではあったけど、盛り上がりには欠けるかなぁ。

    いじめの内容とすればよくあるものだったけど、その心情が細かく書かれていることで、より残酷なものに感じる文章だった気がする。

    共通の話題で盛り上がることができる相手がいるっていうことは幸せなことだ。

    素晴らしい本に出会えることは、素晴らしい友人に出会えることと同じくらい貴重だと思う。

  • "物語を読むこと"に対する感性、読書観が似ている作家さんはそれだけで信頼に値するけど、また新しい物語との付き合いかたを教えてくれた。
    モラトリアムのいま、読めてよかった。大人でも子どもでもないいま、これが刺さる感性のいま、読めてよかったなぁと思う。たぶん昔読んでたらはここまで刺さらなかったし、これが刺さる感性の大人になりたいと思う。

  • 良かった良かった。
    登場人物が頭の中でごちゃごちゃになったけど、書き出して整理してわかりやすくしたらスッキリ(*´꒳`*)
    相沢沙呼さん初めて読んだけど、なかなかいいんでないのー(´∀`*)
    また違う本を読んでみようと思う(*´︶`*)

  • 最近お世話になっている“図書館”を舞台にした作品だったので読んでみることに。
    ミステリー要素?があると思っていなかったので、しおり先生の正体が分かったときはビックリ。ちょっと違和感あったよな~っと読み返す…
    読んでいて心が辛くなる部分も多くあったが、しおり先生の優しく寄り添いつつ、しっかり守ってあげて中学生達が前進していく様子が良かった。しおり先生のようになりたい。
    そして、やっぱり読書良いなと思える本でした。『おすすめおしえてノート』素敵だな。

  • とある中学校の図書室と、司書のしおり先生を繋がりにして描かれる様々な女子中学生たちが主人公の短編が6編。各話の繋がりを発見するたび、おっ!と楽しくなる。
    きらきら!部活!青春!みたいな題材が苦手だったり(苦手じゃなくても)、学校生活とかに悩んでいる(悩んでなくても)中高生にぜひ読んでほしい本。きっと世界が広がると思うし、救いがあるかもしれない。もちろん大人にも。

    中学生って、みんな多感で、だからこそ居づらいとか、大人に近づきつつある、でもほとんど子どもらしい心で、なかなか自分の本心が分からなかったり、何か分かっててもうまく言葉にできなかったり、クラスメイトや友人とうまくいかなくてモヤモヤすることもある。そういうところの描写がとてもいい。それぞれのお話ごとに、主人公の悩みや考え方やモノローグに個性というか、その子らしさがしっかり詰まっていて良き。
    読みながら、なんか寄り添われてるなぁって感じられる。
    学校生活って、キラキラしてて楽しい!だけなことってなかなかないよね。人によってはつらいことの方が多かったりする。そんな時にキラキラした物語を読むのは苦痛だって子が本書の主人公の中にいて、たしかにそうだなぁ…と思い返した。
    中学生までの頃って、ほんと(親の協力次第だけど)学校以外に行くとこがないんですよね、行動範囲が狭くて。だからそこに居場所がないと「終わった」と思っちゃう。そういう感覚も読みながら思い出しました。
    困った時大人になかなか頼れないのも。
    私が中学生の頃に読んでいたらもっと共感していただろう。なんせクラスメイトや先生とうまくコミュニケーションが取れるような中学生ではなかったので…いわゆる陰キャってやつですね。まあ、あまりそういう区別の仕方をするの好きじゃないんですけどね。最初からそういう区別をしちゃうと、相手や自分を見る目が曇りますから。

    表紙イラストや装丁も派手すぎずかわいらしくて、各話の最初にあるそのお話に添ったイラストを見るのも楽しい。 

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著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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