怖い患者

  • 集英社 (2020年4月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784087717082

作品紹介・あらすじ

「我ながら毒気の強い作品ばかりで、あきれます」と、書いた本人もため息。
現役医師の作家・久坂部羊が描く、強烈にブラックな短編集!

区役所に勤務する愛子は、同僚女子の陰口を聞いたことがきっかけで、たびたび「発作」を起こすようになる。この世の終わりに直面したような、とてつもない恐怖に襲われるのだ。心療内科で受けた「パニック障害」という診断に納得できず、いくつもの病院を渡り歩くが……(「天罰あげる」)
介護施設を併設する高齢者向けのクリニックには、毎日多くのお年寄りが集まってくる。脳梗塞で麻痺のある人、100歳近い超高齢者、150kg近い体重で車椅子生活を送る人……さまざまな症状の利用者みなに快適に過ごしてほしいと施設長は願うが、老人たちにはもめごとが絶えず……(「老人の園」)

毒気に満ちた患者の怖さと最悪のどんでん返しが炸裂する、全5編。

【著者略歴】
1955年大阪府生まれ。医師、作家。大阪大学医学部卒業。外務省の医務官として9年間海外で勤務した後、高齢者を対象とした在宅訪問診療に従事。2003年『廃用身』で作家デビュー。以後、現代の医療に問題提起する刺激的な作品を次々に発表。14年『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞、15年『移植屋さん』で第8回上方落語台本優秀賞を受賞。著書に『破裂』『無痛』『神の手』『第五番』『嗤う名医』『芥川症』『虚栄』『老乱』『テロリストの処方』『院長選挙』『老父よ、帰れ』などの小説、『人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期』などの新書やエッセイがある。

感想・レビュー・書評

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  • いろいろな患者や医者がいるんだなと思いました。改めて思い込んで行動を起こすことのリスクは高いと感じました。

  • イヤミス短編集っぽい作品。
    現役のお医者さんが書いてると思うと 現実にありそうで怖い…

  • 5篇のショートストーリーの中でも、特に面白かったのが「注目の的」である。▶︎「疾病利得者」が話題の中心だが、この「疾病利得」は、多かれ少なかれ昔からあった。それを逆手にとって楽しようとすることは見られなかったし、多少のことは大目にみられていた。▶︎最近はどうだろう。病気であることで、免除されたり軽減されたりすることを利用する横着者がそこそこ出現している。仕方がないねと安易に許される風潮が跋扈している。▶︎ダルダルでけじめのない情けない世の中を私はせっせと生きている。

  • 嘘をつき医師を騙し、そして地獄へ蹴落とす患者。
    他人の不幸は蜜の味と言い、自分が幸福続きになると不幸を望む医師。
    悪意にまみれた手紙が届き、恐怖に苦しめられる妊婦。
    デイサービスで人間関係が崩落した老人達。
    副作用で重大な障害を負い、裁判を起こす被害者の会。

    怖い患者たち5人による5編。

    読んでいて気持ちの良いものは一つもない。
    それでも、読者を騙したり最後に思いもよらない終わり方が面白いので、手が止まらない。

    1話を読んで最後の衝撃で「こわっ」と思い、ああ、題名の怖い患者はこういう意味で、そして続く作品もなんとなく傾向が分かる。

    どれも精神的に不安定になっている人達。
    とある症状が彼ら彼女らの【存在価値】となっている。その為に他人に嘘をつくし殺人さえも惜しまない。

    好き勝手な妄想で周りを破滅に追いやる。

    著者は医師なのでこの作品を読み終えると、様々な患者を診てきたのだなとつくづく思った。

  • いくつかお話しが入っていて、どれも怖かった。
    1番怖かったのは、デイサービスの話。歳をとって、自分も行く事になると思うけど、公立の小学校や中学のように、色々な人が一緒くたになると、軋轢は生まれるだろうな。。最後は穏やかに過ごしたいけれど、今はそれが難しい時代なのかも。

  • まさに『怖い患者』のオンパレード短編。注目されること、自分の事だけ考えること、思い込みで、人間の精神は壊れていく…。読了感もモヤモヤする(笑) つまり、作者の思い通りなのだと思う、そんな小説。

  • 医療系ミステリー。ブラックな話が多くて面白かった。医療大国の闇…みたいなのを感じました。

  • 患者側にスポットを当てた5編の短編集。
    疑心暗鬼になって暴走していく怖い患者たち…対応するお医者さんも大変だ。でもそんな患者を食い物にする怖い医師もいたりして…同じようなことが実際にもあるんじゃないかと思ってしまう。悪意に満ちた「老人の園」と、薬害訴訟抗争に巻き込まれた女性の「注目の的」が印象的でした。全編イヤミス通り越して胸糞でしたがこういうのも嫌いじゃないです。

  • 本のタイトル通り、患者にスポットを当てた短編集。追い詰められ精神的に病んでいくストーリーが多い。悪質な手紙を受け取って誰も信用できなくなり心が病んでいく「ご主人さまへ」。デイサービスで君臨する悪意だらけの老人とその他の老人とのトラブルや何も対策を練らない施設スタッフの姿に哀しくなる「老人の園」が印象に残った。医師が書く小説だから「老人の園」の舞台になった施設の内部、事実に近い?健康寿命がほんと大切としみじみ思った。

  • お医者さんだからこそ書けるブラック医療短編集。どの患者も怖かった…。個人的には「天罰あげる」と「注目の的」の話が怖い。特に「注目の的」の主人公の立場に自分がなったらと思うとゾッとする…

  • 短編集なのでさほど期待する事もなく気軽に読み始めたが、なかなか黒く味わい深く余韻の残る内容だった。誰しもが気づかないまま内面に持つであろう病的な側面を、無遠慮にさらけ出そうとする作者の意図は正直怖い。小説・文章としての技量や面白さはどうかわからないが、自分の事を省みながら確実にイヤな気分を味わわせてくれる本。人間観察の切り口や着眼点と、敢えてそこに切り込む無粋さが良い。(けれど、こんな医者には診てもらいたくない…)

  • 蜜の味、ご主人さまへ、老人の園が面白い

  • 怖い患者達の話。
    医師が書いたとのことだが、ほんとにこんな患者達がいるならもう大変すぎる仕事だと思った。

  • 短編集で5つのお話があります。
    どれもブラックな感じでまさに「怖い患者」のタイトルにふさわしい。

    「無痛」というTVドラマで久坂部さんの小説が原作と知り、他の小説も読んでみたいと思い今回はこちらを読んでみました。
    また別の小説も読んでみたいと思います。

  • 読めなくはないけども、、、っていう。先に進むのが重苦しくなるし、なんかようわからん精神状態の人が多くて、わからん。

    この一点。

    感情移入するもなにも。っていう。

    でも、こういう感じなのかな、精神的にやられる人ってのは。と、考えないでもないけど、どんなしたってこれはかなり周りが迷惑だな。

    思い込みの激しいのとーりこえて、妄想過大なうえに、なんとも自分のご都合ばかりで、、、

    なんだかなぁ。なんの生産性もない発想と行動で誰の得にもならんことをいつまでも。
    ってのが、無性に腹立った、笑笑

    ダメだわ。相入れない。こういうのは。
    まえの一冊もいまいちだったから、わたしに合わない作家なのかも。

    現役医師ならやっぱ海堂尊がわたしは好きだな。

  • まああるんだろうなあと。
    タモリさんがストーリーテラーのあの番組にどうでしょうか。

  • ブラックな読み心地の短編集。病気とは身体だけではなく心にも関係するものだけれど。これって「病んでいる」のか、それとも多かれ少なかれ誰にでもあることなのか……決して他人事ではない気がして、ぞくりとさせられます。
    お気に入りは「注目の的」。薬害訴訟を巡る対立は、現実でもこういうのありそうだよなあ、という印象。どんな薬にも良い面と悪い面があるのは当然だけど、そのために切り捨てられる被害者がいるのも許せない話。とはいえ、実際の被害者そっちのけでこういうことがなされていくのはなあ、と苦々しく思えますが。それ以上にまさかこんなオチまで用意されていたとは。
    「老人の園」もなかなか凄まじい。けれど彼らの思いに気づくべきでしたね、という心情で同情はできません。むしろ痛快さを感じてしまいました。

  • 「廃用身」で衝撃的な後味の悪さを感じたのに、懲りずに手に取ってしまいました。
    人の黒い気持ちも、ここまで正面から描いてあると逆に潔く感じます。

  • イライラもやもやしっぱなしの短編集。人を羨んだり妬んだり、他人の不幸をほくそ笑んでみている、すでに壊れた内面を持つ人たち。人間の負の感情だったり嫌なところがこれでもかという感じ。

  • 短編がいろいろな意味でそれぞれこわくもあり、考えさせられた。

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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