- 集英社 (2021年9月24日発売)
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感想 : 97件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784087717679
作品紹介・あらすじ
変な予感がするんだ。
扉の向こうで、何か恐ろしいものが、僕を待っている気がして――。
目を覚ましたら、なぜか無人の遊園地にいた。園内には僕をいじめた奴の死体が転がっている。ここは死後の世界なのだろうか? そこへナイフを持ったピエロが現れ……(「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」)。
僕らはこの見張り塔から敵を撃つ。戦争が終わるまで。しかし、人員は減らされ、任務は過酷なものになっていく。そしてある日、味方の民間人への狙撃命令が下され……(「見張り塔」)
など全7編を収録。
現代日本、近未来、異世界――様々な舞台で描かれる圧倒的絶望。
この物語に、救いの「カミサマ」はいるのか。
見たくない、しかし目をそらせない、人間の本性をあぶり出すダークな短編集。
【プロフィール】
深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。
みんなの感想まとめ
様々な舞台で描かれる短編集は、圧倒的な絶望感と不安感を巧みに表現しています。全7編から成る物語は、それぞれ異なる時代背景や文体を持ちながらも、共通して人間の本性に迫るダークなテーマを扱っています。特に...
感想・レビュー・書評
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ちょっと感動の涙を流したり(宇宙兄弟)、口から砂糖が溢れ出る経験をしたり(3月のライオン)青い春に心を打たれ、図書館で借りたけどどうしても手元に欲しくて購入したり(風が強く吹いている)作品が続いたので、心が癒され過ぎまして。
トラウマになるような本を読みたいなぁと思って手に取ってみました。
初・深緑野分さんの作品でした。
以下、ネタバレを含むかも知れません。わかりませんが…。
7つの短編からなる物語で、時代背景や語られる国も文体もバラバラでアンソロのような印象を受けましたが、どれもそれぞれ色の違う絶望。
読んでいて、目を背けたくなるような表現はないと思いますが、読後のなんとも言えない不快感。気持ちが何となく不安、不穏になるような…。気持ちが悪いとか、胸糞が悪いとはまた違う。
この物語の先に行き着くところは…というざわざわ感を最終的に残していきました。
あまり読まないタイプの内容なので、ちゃんと世界観を理解しきれていないかも知れませんが。
一つ一つのお話が短編に止まらない、確立された世界があって。違和感と不安をもう少し詳しく読んでみたい気持ちと、これ以上は入り込まない方がいいのかも…という気持ちになりました。
トラウマになる程の衝撃的な内容ではありませんでしたが、なんだろう…すっごく不安な気持ちになる!
レビュで書かれている方がいますが、そう、世にも奇妙な物語的な感じ!(語彙力…)
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現代日本の話から近未来、異世界で起きる奇妙な話を集めた短篇集。同居人が実家に帰る途中で消えた「伊藤が消えた」は話の展開が読めるが、舞台が現実とは離れて行くに従って奇妙の風味が強くなり薄気味の悪い読後感が残る。戦争中の監視塔での話「見張り塔」や異世界の中で異世界に迷い込む「饑奇譚」での風の動きが感じられる世界の描き方でそういえば「オーブランの少女」もそうだったなと思いだした。海に侵食された世界で音楽を求める少年の小さな冒険「新しい音楽、海賊ラジオ」が世界観と未来を感じる締め方が好み。兄が魅入られたのは神様か魔か「朔日晦日」の雰囲気も好きだ。
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深緑野分『カミサマはそういない』を杉江松恋が読む「人生のほろ苦さを色とりどりの紙に包んで」 | レビュー | Book Bang -ブックバ...深緑野分『カミサマはそういない』を杉江松恋が読む「人生のほろ苦さを色とりどりの紙に包んで」 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
https://www.bookbang.jp/review/article/7041992021/09/26 -
【今月の一冊】深緑野分の紡ぐ物語たちに震撼する傑作「カミサマはそういない」|@DIME アットダイム
https://dime.jp/gen...【今月の一冊】深緑野分の紡ぐ物語たちに震撼する傑作「カミサマはそういない」|@DIME アットダイム
https://dime.jp/genre/1286098/2022/01/05
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「世にも奇妙な物語」に近いのか、少しだけゾッとするお話が七つ。舞台設定がたくみだ。作者の創り出した世界は時代や国を飛び越えて存在している。
でもなんだろう、文がばらばらっと散らばっているような気もする。それによって読書の集中力が途切れる。無駄な情報・描写が多いような。もう少しエッセンスを抽出してほしかった。
印象に残ったのは「饑奇譚」。
蜂の巣のような場所を浮かべた。虫が色々出てくるし、ひたすら奇妙だ。最後までわからなかったが「大放出」って結局なんだ?とにかく不条理を絵に描いたような話。 -
初読み作家さん。
色々な世界観でこれだけの短編が書けるのがすごい。明るい話ではないけれど、大人のファンタジー。 -
ダークなお話は苦手だけど、ベルリンは晴れているかの深緑野分作なので、信頼できるとおもい読んでみた。
7つの短編集。それぞれがなんだか知っているような、わかるような気がする世界で魅了された。「見張り塔」が一番印象に残った。
最後の「新しい音楽、海賊ラジオ」が希望を感じられるラストで、読後感は後味が悪くない。と、個人的には感じた。
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どれもなかなかの絶望をもたらしてくれる、なんともいえない後味の7編を収めた短編集。
舞台が現代日本で読みやすくだんだんまさかと思わせてくれるテンポのよくキャッチーな「伊藤が消えた」を先頭に置いて、急にガラッと現代日本ではなく幻想的でアメリカホラーチックな雰囲気を醸し出す「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」が続く構成が、個人的にうまいなぁと思った。
ガラッと世界観変えてきてさあついてこれるかな?みたいな。
いろんな世界観を用意してくれているので、好みの短編が人によって分かれそうなのも面白い。
ちなみに私は「潮風吹いて、〜」と「見張り塔」が好きです。「飢奇譚」もなかなか。
基本的に全部絶望的な終わり方をしているんだけど、最後の「新しい音楽、海賊ラジオ」はある意味異色というか、ディストピアではあるんだけど、最後に相応しくどこか爽やかで希望の見える印象を与えてくれる。
ただ、最後の一文をどう解釈するかで希望があると見做せるか絶望的と見做せるかが分かれそうで…また私はこの一文がどう意味なのかよく分からなかったので、わかる人こっそり教えてください…と思っちゃう。
この最後の一文の意味次第でこのお話の印象変わりそうなんで…
備忘録がてら各話タイトル
・伊藤が消えた
・潮風吹いて、ゴンドラ揺れる
・朔日晦日(ついたちつごもり)
・見張り塔
・ストーカーVS盗撮魔
・飢奇譚
・新しい音楽、海賊ラジオ -
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伊藤が消えた
潮風吹いて、ゴンドラ揺れる
朔日晦日
見張り塔
ストーカーVS盗撮魔
奇奇譚
新しい音楽、海賊ラジオ
深緑野分さんの小説で読んだことがあるのは、
『この本を盗む者は』だけなのでこの本で
2冊目でした。
今回も大筋は荒唐無稽な話。
でも、胃に嫌な感じが残る話ばかりで
個人的にはイヤミスの短編集という感想です。
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【収録作品】伊藤が消えた/潮風吹いて、ゴンドラ揺れる/朔日晦日/見張り塔/ストーカーVS盗撮魔/饑奇譚/新しい音楽、海賊ラジオ
救いのない、絶望を描いたディストピア小説。 -
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意外にも初読である深緑野分さんの短編集。
近未来や異世界が舞台となっているダークファンタジーやホラーで、不思議な世界に巻き込まれてしまった主人公を追うようにその雰囲気を存分に楽しめました。この読後感は世にも奇妙な物語っぽさも感じさせる。
次はずっと気になり続けてる「戦場のコックたち」読もう。 -
収録されているのは全部で7編。初っ端から暗鬱な気分になる話が続くので、一気読みするとしんどそうだなと思い、毎日少しずつ進めることにした。救いのない展開に、なるほどだからこのタイトルかとうなずいたが、確かにカミサマは「そういない」けれど「絶対にいない」わけではないかもしれない――本を閉じたときにそう感じられる流れだった。
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ちょっと現代とは違うSFの世界(だけど現代に限りなく似ている)の世界で起きる出来事。
幸せなことは起こらず、でも決してものすごく酷いことも起こらない(多少は起きる)日常が描かれている感じ。
感動も救いも別になくて、ほんと読んだ感想は「まぁ神様ってそういないんだな」という感じ。
一つ一つの世界をもっと掘り下げて書かれた世界を読んでみたい。 -
かつて、いじめられっ子の言いなりになったために一人の少女の恨みを買い、苦しみの連鎖に囚われてしまう「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」ほか7編のホラー短編集。
いつも違う角度の物語で楽しませてくれる深緑さん、この本は少し不思議な世界を舞台に、人間の心の闇を覗き込むようなホラーチックなお話を中心に、いくつかまとめたものです。個人的には「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」が非常に恐ろしくて楽しめました。「新しい音楽、海賊ラジオ」は恐ろしい要素というよりも新しい明日を切り開く希望のような終わり方で、こちらもよかったです。
深緑さんは、なんというか、人間の闇を暴くときの文章の切れ味が鋭くて容赦がないのが迫真に迫っています。男性の著者ではなかなかこういう容赦のなさは出せないのではないかな、と思いながらいつも読んでいますが、本当に幅の広いお話を書くので次に読む本も楽しみになります。
ところで最後の章に出てくる「本」はエンデの「はてしない物語」だと思うのですがどうでしょうか。いや、そんな本はたくさんあるとは思うのだけど。
自分がなんのために誰と戦っているのか分からない戦争を描く大友克洋監督の「メモリーズ、砲台の町」と一緒にお楽しみください。ワンカットと言われる映像もそうだけどテーマも面白いのです。あれ。 -
短編集。なんか恐かった。いろんな国、日本?アジアっぽいとこアメリカヨーロッパいろんなどこともわからない国、そしてちょっとずれた世界の話。異世界っていうかなんかずれてるって言ったほうがしっくりする。そしてどれもなんか救われない話。全部読むと結構疲れます、メンタルやられる。
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自分が初めて読んだ深緑野分さんの作品が今作のようなダークでゾッとする話だったので、お帰りなさいという気持ちで読みました。戦場のコックたちやベルリンは晴れているか的な話を期待しているとあれ?と思うかもしれないけど、こういうダークな作品ももっと読みたい。全話世にも奇妙な物語でドラマ化されてもおかしくない。
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ホラーやサスペンス、少年冒険もの、そんないろんな風味を含んだ物語が味わえる短編集でした。おおむねざらつく重たげな読後感が多いので、少し癖のある風味ですが、私は好きな方でした。
この短編集では、少年を軸に据えたお話が私は好きです。「見張り塔」では「戦場のコックたち」を思い出す少年兵のやるせない戦いの行く末を、「饑奇譚」では怪異譚で絶望の先の仄かな希望を目指す少年の姿、そして「新しい音楽、海賊ラジオ」ではディストピアめいた世界でかけがえのないささやかなものを手に入れ新たな未来を切り開いていく冒険を、それぞれ苦みを混ぜながらも抒情性のある筆致で描いていて印象的でした。
「伊藤が消えた」や「潮風吹いた、ゴンドラ揺れる」ではホラー風味が強く、泥沼に引きずり込まれたような重苦しさですが、こういうのも書けてしまうんだという新鮮さがあり、楽しめました。 -
ショートショートストリー的な短編集、最後の一行のどんでん返しや戦争の無情さSF的な近未来的なお話読み手の心をつかんで離さないお話ばかりダークゾーンの世界へあなたもぜひ入ってください。
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短編7話。
現代っぽいのもあれば、昔話っぽいものもあり。
短編ごとに世界観が違うので、どれが好みなどわかれそう。
私は『伊藤が消えた』と『潮風吹いて、ゴンドラ揺れる』がじわじわくるホラー感が良かった。
『見張り塔』は戦争話だから何かしら別で戦争の話を読んだことがないと世界観がつかめなそう。
著者プロフィール
深緑野分の作品
