ミーツ・ザ・ワールド

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 245
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087717778

作品紹介・あらすじ

死にたいキャバ嬢×推したい腐女子

焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。
人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。
「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く――。

「どうして婚活なんてするの?」
「だって! 孤独だし、このまま一人で仕事と趣味だけで生きていくなんて憂鬱です。最近母親の結婚しろアピールがウザいし、それに、笑わないで欲しいんですけど、子供だっていつかは欲しいって思ってます」
「仕事と趣味があるのに憂鬱なの? ていうか男で孤独が解消されると思ってんの? なんかあんた恋愛に過度な幻想抱いてない?」
「私は男の人と付き合ったことがないんです」

推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は……。
金原ひとみが描く恋愛の新境地。

【著者プロフィール】
金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版されている。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。21年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 性的描写を封印した金原ひとみの新境地「無理して恋愛やセックスをするのは違うな」 - エンタメ - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]
    https://wpb.shueisha.co.jp/news/entertainment/2022/01/08/115250/

    ミーツ・ザ・ワールド | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/meetstheworld/

    ミーツ・ザ・ワールド/金原 ひとみ | 集英社の本 公式
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771777-8

  • 分かり合えなくてもいいんだと、少しだけ心がホッとなるような作品でした。
    初の金原ひとみ作品で、映画では、「蛇にピアス」を観たのですが、小説としては初見でした。
    とてもいい作品でした。オタクの腐女子と死にたい願望を持つキャバ嬢、全く正反対な2人が、あるキッカケで、ルームシェアをするところから物語が始まります。文章が読みやすくて、すぐ読んでしまいました。正反対な2人の成長物語です。

  • 自己完結の世界の中で周囲に毒を吐きながら自分を卑下することで世界を保っていた由嘉里が、
    どうしても分かり合えないライとそこから発展するアサヒ、ユキ、オシンさん達と関わることで考えが変わるで終わるなら今までにも読んだことがあるかもしれないけど、
    そんな人と関わることで自分や相手が大きく変化することは難しく、それでも一緒にいたいと思う人はいてそのためにはとてつもない努力が必要だと気づくのには
    価値観がひっくり返される感覚があった。
    そんなみんなに影響を与えるライの考えだけは見えず、
    その空っぽな感じがより周囲を魅了するようにも思う。
    ライにはユキのような絶望すら感じない。
    アサヒの言葉はすんなりと自分の心にも響いてきて、
    由嘉里にすんなり響くのもよくわかる。
    目の前に手があったら握ってしまう、互いを傷つけ合うことを孕んだアサヒの優しさはきっとこれからも変わらない。そんなアサヒが好きだった。

  • 分かり合えなさに正面からぶつかって砕けて倒れてそれでも立ち上がってまたぶつかって、そうして自分が何者であるかということもまた発見する。
    結局自分は誰かにはなれないしこの自分で生きるしかないけれど、それでも人を思えることは希望。金原ひとみの書く女女本だった。

    真っ先に「焼肉が食べたくなった」と書こうとしてやめたんだけどでもめちゃくちゃ焼肉が食べたくなる本。と言うのも主人公が推してるのが焼肉擬人化漫画でオタ活の中に焼肉も含まれているから。そんな発想どこから出てくるんだよ…と思いつつこの漫画の作り込みもすごくてちょっと笑ってしまった。

    金原ひとみは初期と今でおそらく真反対のことを書いているんだけど疾走感しかない文章はずっとそのままで、そうだよこれが金原ひとみなんだよ…と思うその文体の強度に圧倒されて惚れ惚れしてしまう。
    今作の疾走感は初期に近くて、テイストは全く違うけど『アッシュベイビー』の怒濤感があった。好き。


    『ミーツ・ザ・ワールド』のミーツってmeetsじゃなくてmeatsなんか…?と思ってしまうくらいには焼肉擬人化漫画が出しゃばってくるのでなんかもうもはや『ミート・イズ・マイン』(焼肉擬人化漫画のタイトル)読んでみたいんですけど…?という感じです この漫画で推しカプ見つけてみたい

    初期作ではあんなに「食」を忌避していた金原ひとみが今やデブ飯だのデブ活だの焼肉だの激ヤバ煮干しラーメンだのスタバのグランデフラペチーノだのめちゃくちゃ食を謳歌する人々を書くようになったのは本当に感慨深いものがある
    私も元気にご飯食べようで、焼肉食べたら腹壊すけど

  • 「ミーツ・ザ・ワールド」の「ミーツ」はmeetsでmeatsか。

    婚活を始めた腐女子と死を希求するキャバ嬢とホストの3つの生きる時間。
    人が一人で生きていくこと。そこに必要なもの。
    誰かにそばにいてもらうこと、誰かのそばにいること、大切な何かがあること、自分を大切に思えること。
    期待するから絶望がある。絶望したくないから求めなくなる。そんな中で人はどうやって生きていくのか。
    誰かに優しくするのは、自分が優しくされたことがあるからなのか、あるいは自分が優しくされたいからなのか。
    分かり合いたいと思いながら分かり合うことが怖いと思う。だったら分かり合えないままそばにいればいい。
    たとえいつかその人がいなくなったとしても、そばにいたという事実は消えない。一緒にいたその時間は一つの祈りとなって重なっていく。
    うっすらと灯る優しい光のような小説。

  • 私の思ってた幸せが、あなたの幸せじゃない。
    離れてわかり合えることもある。

    遺体で見つかるまではかすり傷。
    消えた相手は想い続けることができる。

    容姿はお金で交換できるかもしれない。

    「知り合った日に言われたんです。ライさんのこと綺麗だって言ったら、整形して私になれば?って。三百万あればなれるんじゃない?って」
    ユキがド辛辣なことを言うけれど反論のしようが一ミリもない。「顔が整ったダサい奴って、いいじゃない。太宰っぽくてキャラ的に魅力的じゃない?私は別にいいと思うわよ、センスのない美人て、アンバランスで素敵だと思うわよ。しかも整形してるなんて何だかミステリアスだし、人物像に奥行きが出るんじゃないかしら」
    恋愛に前向きになって欲しかったし結婚して子供をつくって欲しかった。友達をたくさんつくって欲しかった。私の思ってた幸せが、あなたの幸せじゃないことは分かってたのに押し付けていたことに気がついた。あなたがいなくなってくれたから」

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著者プロフィール

83年東京都生まれ。03年『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞、10年『トリップ・トラップ』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。

「2021年 『緊急事態下の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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