- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087717945
作品紹介・あらすじ
中堅ゼネコン勤務の父・陽一は仕事でトラブルを抱え、母・裕実子は勤め先の上司と不倫関係に。そして、中学生の真佐也は不登校が続く……。それぞれが秘密を抱える「家族」の行く末とは。壊れゆく家庭を描く“危険"なサスペンス長編。
伊岡瞬(いおか・しゅん)
1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー。著書に『代償』『痣』『悪寒』『不審者』『仮面』『奔流の海』など多数。
感想・レビュー・書評
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この家族は・・・、
壊れていたのか?
壊れていったのか?
どちらにしても結果的には壊れているから同じか・・・
本作は壊れた家族の話です
父親は仕事でトラブルとなり自宅謹慎
家族には在宅勤務と偽る
母親は勤務先の上司と不倫
同僚にその不倫がバレてさらに厄介なことに
中学生の息子は引きこもりで不登校
不登校の大きな原因は母親にあるのだが
父親、母親、さらには母親の勤務先の上司、同僚、息子の同級生、近所のオバハンと出てくる人物がクズばっかり!
クズのオンパレードです
そんな中、ある少女が現れる
その少女がある意味引き金となり、家族がさらに壊れていく
こんなクズの集まりと崩壊だが、初伊岡さんは読みやすく引き込まれていく内容
そして、最後には少しだけ希望の光も見えたのかな・・・ -
不登校の中学生の息子に無関心な父。
父もまた、会社でのトラブルを抱えている。
母は、息子の心配をしながらも何故か冷めた感覚が否めない。
それは、上司と不倫しているせいか…。
とにかく家族がバラバラで、言葉も交わさずお互いが
家の中で過ごしたくない様子がありありなのだ。
何のために一戸建てを購入し、引っ越ししたのかと思ってしまう。
この家族に情というものが、全く感じられない。
いつも一歩引いて、常に誰かが上から見ているような気持ち悪さがあるのだ。
そのうち近所の公園で、いつもひとりの少女を見かけるようになり…
そして、その少女の訳ありな家庭環境と騒ぎ立てる男により、じわじわと壊れかけていく家族。
その少女のせいではないのかも知れないが、何かのきっかけで、ずぶずぶと沼に嵌っていくように落ちていく…。
これは、秘密を抱えた家族に与えられた試練なのか。
イヤミスというよりもずっとザワザワとした感じが払拭できないでいた。 -
うーん、読後感が不完全燃焼。
傍目にはなに不自由なく暮らしているように見えても、みんな悩みや不満を抱えているのかもしれない。
そして不満解消のため矛先は弱者に向かう。
人として、どう生きるのか。
自分がまいた種は、自分で刈らないといけない
。
みんな、どのように刈り取るのかな
-
家族崩壊を描いたサスペンス。
夫婦と中学生の長男という3人家族の、それぞれが抱えている秘密が明らかになっていく。
表面上はごく普通な家庭の中で、一体何が起きているのかドキドキしながら読みました。
しかし大人の身勝手ぶりに呆れるやら気分が悪くなるやら…
かなり不快になってしまいました。
両親不在の日中、子供は何をしているのか。親の知らない子供だけの世界が何だかリアル。
大人も子供も色々な悪意を持った人がいて、じわじわと怖くなりました。
伊岡さん作品でお馴染みの美人弁護士と刑事が出てきたところでニヤリ。
家族崩壊三部作「悪寒」「不審者」すべて読了しました。 -
何だか気味が悪いなと思わせる表紙。そのイメージ通り、何とも読んでいて後味の悪い作品だった。
ある三人家族が新居を構え、そこに引っ越してくるシーンから物語は始まる。
スタートから距離感の感じる家族。不登校気味の息子に起きる出来事を中心に描かれているわけだが、この息子だけではなく何やら両親それぞれもワケアリというか、ちょっと何かが欠落している印象を受ける。
中盤までは大きな事件もなく、正直あまりおもしろい印象を受けなかった。
しかし中盤以降、ある人物の登場を境に物語は加速していく。次々と明かされていく家族それぞれが抱える秘密、そして確信に迫る事件が起きる。
文章が読みやすいこともあり、中盤以降は本当にあっという間に最後まで読んでしまった。300ページ以上ある作品をほぼ1日かからず読んでしまった。
しかし何とも言えない後味の悪さ。直接的な描写があるわけではなく、人間の醜い部分というかエゴイズムというか、かない汚い部分を見せられているという気持ち悪さ。そして、家族がゆっくりと、しかし確実に壊れていく様は何とも言えないものがあった。ラストもなんだかスッキリしないなぁという終わり方。
ただ、後味は悪いけど、おもしろくて読み進めてしまう…そんな不思議な魅力溢れる作品でした。
賛否両論あるんだろうなという印象を受けましたが、個人的にはアリな作品でした。
この著者の本は初めてでしたが、また他の本にもチャレンジしてみようと思います。 -
結末が気になって一気読みしたけど、なんとも後味の悪い本。
身勝手な大人達に振り回される子ども達が、気の毒でならない。 -
❇︎
家族:同じ家に住み生活を共にする人。
家族だから何でも知ってる訳はなく、
隠し事がないとか、互いを理解してるとか、
ましてや全てを共有してるなんてない。
一見幸せそうに見える家庭の本当の姿が、
一つの事件の発生によって明らかにされる。
単純なハッピーエンドでラストの一行を
終えないところが妙に現実味あって好きです。
-
秘密を抱えた家族が崩壊していく様子を描く今作。
レビューで「読後感が悪い」や「読み進めるのが大変」とかあったので、どれだけ嫌な感じかと少し構えて読み始めたけど、意外と最後まで読めてしまった。
中堅ゼネコンで働く父・陽一は仕事でトラブルを抱え、家の近くの税理士事務所でパートで働く母・裕実子は職場の人間と不倫、一人息子で中2の真佐也は不登校が続く。
まぁ、登場人物が全員クズ。
家族3人はもちろん、真佐也の友人や同級生たちもクズだし、祐実子の同僚もクズって言うか、クズ通り越して犯罪者だし、全員が堕落的で確かに読んでいて、気分は悪くなるばかり。
そんな中発生する小学生の女児の殺害事件。
犯人だと自供する真佐也だったが、事件の真相が一転二転しながら、ラストに向かっていく。
事件が発生しても、自分のことしか考えていない陽一や裕実子に終始イライラ。
親がそんな風だから・・・と息子の真佐也に感情移入出来ないのが、伊岡式のイヤミスの真骨頂と言ったところか?
あまりに登場人物が嫌な人ばかりなので、ラストで登場する弁護士や刑事にまで裏があるのではないかと思ってしまうくらい。
家族の再生でもないし、確かに読後感はかなり悪いかも。 -
あまりにも良くない登場人物ばかりで、途中読み進めるのがつらかった。でも結末は気になるので、後半は一気読み。被害者や脇役の背景が詳しく描かれていれは、もっと感情移入できたかも。
ラジャ( •̀ω•́ゞ)✧ビシッ!!
ラジャ( •̀ω•́ゞ)✧ビシッ!!
初伊岡さん読みやすかったです
私も母親に一票!
初伊岡さん読みやすかったです
私も母親に一票!