- 集英社 (2022年10月26日発売)
本棚登録 : 245人
感想 : 36件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784087718126
作品紹介・あらすじ
天明四年五月の十三夜。番方・幣原喬十郎は、湯島の路上で男女の惨殺体を発見する。傍らには匕首を手に涙を流す若い男が一人。喬十郎は咄嗟に問い質すが、隙をつかれて取り逃がす。やがて、逃げた男は大盗「大呪の代之助」一味の千吉だと判明。殺害された男の周辺を洗う中、再び遭遇するも、千吉は殺害を否定し、再び姿を眩ませる。十年後、喬十郎は、銭相場トラブルで一家を殺害された塩問屋の事件を追う過程で、両替商となった千吉(利兵衛)に出合う。火付盗賊改長官・長谷川平蔵に助言を仰ぐも、突然の裏切りに遭い、左遷されてしまう。己の面目にかけて悪事に立ち向かう喬十郎と、闇社会を巧に立ち回る千吉。幕政に翻弄された二人の因縁を描く、熱き時代小説。
【著者略歴】
月村了衛(つきむら・りょうえ)
1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。2010年『機龍警察』でデビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトМ1851残月』で第17回大藪春彦賞、同年『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎を受賞。他の著書に『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』『ビタートラップ』『脱北航路』などがある。
みんなの感想まとめ
運命に翻弄される二人の男の物語が描かれています。幕府の番方・喬十郎と闇社会で生きる千吉は、初めて出会った十三夜に悲劇的な事件を目撃し、互いに憎しみを募らせながらも、何度も交差する人生を歩みます。彼らの...
感想・レビュー・書評
-
ほとんどといってもいいほど時代小説は読まないのだが、月村了衛さんの小説は何冊か読んでいるので今作も手に取った。
十三夜に出会った幕府の喬十郎と闇社会で生きる千吉。
この立場のまったく異なる2人の再会。
運命ともいうべきか。
初めて出会った日から、互いに憎み合い、戦い合ってきたこの2人が、最後には百年の知己よりも親しい仲になる。
そうなるには、どちらも娘のおかげもあったのかもしれない。
最初に見た涙を最後にまた見ることになった。
その涙に温もりを感じた。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-
おつ松♪
ゼロってわけじゃないけど極めてハズレは少ないかと思われますな。特に機龍警察は言うまでもないけど詐欺系のヤツもかなりオススメ☆おつ松♪
ゼロってわけじゃないけど極めてハズレは少ないかと思われますな。特に機龍警察は言うまでもないけど詐欺系のヤツもかなりオススメ☆2023/02/14 -
2023/02/14
-
2023/02/14
-
-
十三夜の夜、惨劇の場面で相まみえた喬十郎と千吉。その後二人の人生は度々敵として交差し、お互いに憎しみを募らせる。しかし最後には、喬十郎の死に千吉(銀字屋)が涙する。
不思議な緊張感があって、想像よりも良かった。 -
月村了衛作品の時代小説は嫌いじゃないけど、読みながらイメージしてしまうのは舞台上の貧弱なセットや衣裳。
もっと迫力が欲しい!!
次は、直木賞候補作品を読む予定。 -
天明四年五月の十三夜に始まる御先手弓組・幣原喬十郎と、「大呪の代之助」一味の千吉との因縁の物語。その因縁は田村意次と松平定信の確執にまで遡り、幕府の金融政策をも巻き込む巨大なものとなる。
長谷川平蔵や遠山金四郎といった著名な登場人物が脇を固め、読み応えのある時代小説だった。 -
先手弓組の幣原喬十郎が十三夜に出くわした殺害現場。そこにはただ涙を流す盗人の千吉がいた。事件の真相を知るために千吉を追う喬十郎、しかしその手を掻い潜り姿を眩ませる千吉。やがて時は流れ、両替商の銀字屋となった千吉は喬十郎に再会することになる。読み応えのある時代ミステリです。
まるで違う出自と境遇でありながら、同じ年頃で家族構成も同じ二人が対立し、ひたすらにお互いを敵視しながら物語は進むのですが。結局のところ立ち向かうべき強大な敵は同じなのではないのかな、と思えるし、ある意味バディものとしても読めそうな作品。自らの甘さを自覚しながらも涙を見せることを厭う喬十郎と、厳しい現実を強かに生き抜きつつも涙もろい千吉との対比も面白いです。とっとと手を組んでしまえばいいのに、と何度思ったか(笑)。
時代劇でおなじみのあんな人やこんな人が登場したり、読みどころはたくさん。しかし何といっても女性陣の賢さ強さが素敵すぎます。そして彼女たちをけっして軽視しない二人の姿もまた素敵でした。 -
月村氏は時代小説も半端ない。山本周五郎や藤沢周平、池波正太郎、最近でいうと葉室麟や砂原浩太朗等々の名手と比べるのは可哀想だが、それでも素晴らしい力作で心が熱くなり響く作品。ストーリテリングの上手さは時代小説でも遺憾なく発揮されている。
-
月村了衛『十三夜の焔』読了。江戸の治安維持にあたる御先手組の武士と盗人の若者二人の因果な邂逅からその後数十年に及ぶ「強敵と書いて"とも"と読む」的な関係を主軸に据えた本筋の巧さ。作中の寛政の遺老による緊縮財政、そして政治的腐敗が過去のものには思えず、作家としての視点の鋭さに感服。
-
人生は恐ろしい。ふとした行き違いで真逆の生き方に。しかも「御公儀の御政道に対し、もの言うことなど許されぬ。それが天下の定めである限り、我らはその流れに乗って生き続けるしかないのじゃ」つまらぬことに囚われ続ける人が与る御政道なのに…今の時代は、まだ制度的には“否”の声挙げる事ができる喜び。行使しないと。弁えている場合じゃない。「貴公とわし、どちらが御上を尽くしておるか」重たいことば…。月村さん、舞台が代わっても、熱い思いが流れ込んでくる。
-
-
主人公の30年いや40年になるか、生涯の物語だ。対立する2人のそれぞれの家庭の親娘の心温まる会話等々に感動した。そして最終章では涙が滲み出、自分にも生涯の友がいることの幸せを思った感動の一冊だった。
-
最近注目している作者の1人で本作も期待をしながら読み進めたものの、今回は残念ながらいまいちピンと来なかった。
-
ひょんなことから敵同士のようになった御家人と盗人上がりの両替商が幕閣に巣食う巨悪に立ち向かう。
私腹を肥やす幕閣にしても、その手先となって余録に預かろうとする商人たちにしても、単純すぎて深みがない。
親の確執の雪解けのきっかけとなる娘同士の交流にはほっこりした。 -
江戸時代末期、ある十三夜、先手弓組番方幣原喬十郎は殺人の現場で匕首を手に涙を流す若い男千吉と運命的に出会う。仇敵となった二人、節目ごとに相まみえるが…。御上の都合、腐敗した施策、幕閣内の確執で踊らされた彼らが哀しい。現在の政治とかぶるように見えるのが怖い。
-
番方・幣原喬十郎が男女の惨殺体を発見する。そばには血にまみれた匕首を手にし滂沱する男。すぐさま追うが、自分がやったのではない、と言い残し逃げて行ってしまう。
二人の男が対立する人生を送りつつも、だんだんと真相を追っていく様が非常に興味深く目を離せないまま一気に読み進めてしまいました。
ただなんか、こう・・・結局は幕政というかそういう大きなものが相手だってもいるので巨悪と対峙というよりはただただ翻弄されていく感じが「すっきりと解決!」な気分にはならないですね。面白かったですけどね。 -
胸が熱くなる、男と男の因縁の運命の物語。
月村先生の書く物語、好きです…! -
やっぱり月村さん大好き。長谷川平蔵や遠山金四郎が出てきた。ラスト涙。
-
幣原と千吉の運命的出会い。
そして、対決。
別れ。
ふたりとも時代に生かされ、自分の道を全うしたという、感じですね。 -
長男(小5)が図書館で借りてきた本。読み始めるも好みの本ではなかったためそのまま返却。もう少し年齢が上がると楽しめるのかもしれない。
著者プロフィール
月村了衛の作品
