- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087718133
作品紹介・あらすじ
ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!
直木賞受賞第一作
猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!
著者略歴
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。
2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。2021年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞、さらに2022年同作で第166回直木賞、第22回本格ミステリ大賞を受賞。
『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ3つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。さらに『黒牢城』は史上初めて4つの年間ミステリランキングを制覇した。
感想・レビュー・書評
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高校生たちの真実と嘘… 毒性をもつ押し花の栞を巡り、図書委員の二人が奮闘する物語 #栞と噓の季節
■あらすじ
高校の図書委員で司書として活動する堀川と松倉。ある日返却された図書の中に、押し花で作られた栞が挟まれていることに気づく。その花は猛毒を持つトリカブトであることが判明し、さらにその毒牙に教師がかかってしまったのだ。栞の作成者だという瀬野が二人の前に現れ、栞を回収したいと相談を受けるのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
堀川と松倉、主人公の二人が可愛いすぎで大好き。
とても高校生とは思えないほどの知識と思考力を持ち合わせつつも、自身の信条をもとに事件に向き合っていく。小気味よい会話のやりとりは、まるで禅問答みたいで、思わずクスクス笑ってしまうこともしばしば。そして決して親友ではないんだけど、お互い尊重しあっている距離感が絶妙で超イイ!
また本作もう一人の主人公ともいえる女子高生、瀬野ですよ。おそらく見た目はバリキャリ美人ですが、中身は純粋で脆弱な少女。いつも気を張って生きている様子が目に浮かんできて、キュンキュンしちゃうんですよね。
とにかく若い高校生たちの細かな心情を、丁寧に丁寧に描かれています。どこか日常が不安で、これから希望をもって生きていくことができるかわからない。若かりし頃、誰でも持つ悩みが痛いほどよくわかります。
まぁ私の場合は人間的に幼稚だったので、こんなことを悩むのは20代にはいってからでしたけどね…
そして本書の謎解きのメインテーマである「嘘」。真相が明らかになった時、当然事件は解決に向かうのですが、むしろそれはメインではない。
彼らの本当と嘘の行間に潜んでいた真相こそ、本作のメインの謎解き。あまりにもピュアで、必死すぎた一連の人間関係と背景が胸に突き刺さり、それでも彼らが成長してく姿が読み手の感動を誘うんですよね~ 是非次回作も読んでみたいシリーズでした。
■きっと共感できる書評
私が若かった頃、なんの能力も学歴も自分に嫌気がさし、自暴自棄になることもありました。それでも周りの人間に迷惑だけはかけないように、自分を取り繕い、笑顔を振りまいて生きていたのです。そんな弱い人間性を見抜いていた先輩に、ある日言われたことがありました。
周りに迷惑をかけたくなかったら、まずは自分自身がしっかりすることだ。
そして人の役に立ちたいなら、まずは自分自身を磨くことだ。
何より最初に周囲の目を気にしていた私にとって、目から鱗の言葉でしたね…
すべては自身の意識と行動から始まり、様々な経験を経て大人になっていく。本書の登場人物たちも、きっとひとつ大人になったのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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感想
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主人公の高校生2人の話し方が、米澤節と言っていい感じでした。久々に古典部シリーズを思い出しました。
で、、、最初はよかったんですが、この堀川、松倉の2人が同じ話し方をするから、だんだんとキツくなってきて、読むのがかなりしんどくなりました。
「いや、わからんが、、」とか、「聞こう」とか、その、やりとりがものすごく気持ち悪いというか、まとわりつく感じというか、2人の会話がとても多いこともあり、そこがちょっとNGでした。
ストーリーは、とても考えられていて、とても深い内容になっています。なかなかに面白い内容なんですが、とにかく、2人の会話が耐えられないぐらいにキツイものがありました。ほんと、きつかったです〜( ; ; )
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あらすじ
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図書室の係をしている堀川がトリカブトの栞を発見するところから物語がスタートします。その栞について、持ち主を探していたら、学校で人が倒れる事件が起きて、急に事件性が出てきます。忘れ物対応していたら、殺人事件に巻き込まれていくような、そんな急展開なお話でした。考察、洞察の優れた人は、かっこいいです。
要約すると,頭の回転のよい高校生2人が、謎を解明していく、学生探偵小説で〜す。
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図書館
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このお話では、学校図書館がお話にしばしば登場します。私も図書館はよく使っています。私の住んでいるところの図書館では、1人10冊まで予約できるんですが、私は常に予約がいっぱいな状態です。貸出期間は2週間なんですが、取り置き期限が1週間あり、さらに複数の図書館間の移動頻度が週2回程度のため、1ヶ月ぐらいで、やっと1人減る、というケースもあります。そのため、予約10人程度で、数ヶ月待たされることしばしば…。
返却が早い人は借りられる数が多くなり、返却か遅い人はその逆になるような、そんな仕組みを入れて欲しいと思う日々です。
この本の中では、本に挟まっていた忘れ物はクッキー缶行きでしたが、私の図書館では、ちゃんと直前の返却者用に取り置きしてあって、何度か助けられてます。ちょっと手間をかければよくなることは沢山あるわけで、そんなとこに目を向けることを意識した瞬間がありました。
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主な登場人物
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【図書委員】
堀川次郎
松倉詩門 イケメン
瀬野麗 うらら、美人
植田登 1年生
東谷理奈 ひがしや、委員長
横瀬 先生
櫛塚奈々美 くしづかななみ、瀬野友達、美人
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Manideさん、こんばんは。
すごく特徴的な話し方ですよね。
内容が面白くてどんどん読み進めましたが、慣れるまでとっつきにくかったです。
...Manideさん、こんばんは。
すごく特徴的な話し方ですよね。
内容が面白くてどんどん読み進めましたが、慣れるまでとっつきにくかったです。
米澤穂信さんの他シリーズは未読なので、同じ話し方なのか気になっています!2023/08/21 -
kikiさん、こんにちは〜
作品によって、まったく違うので、いろいろ読んでみてください(^^)
この作品は特にきつい話し方だったと思いま...kikiさん、こんにちは〜
作品によって、まったく違うので、いろいろ読んでみてください(^^)
この作品は特にきつい話し方だったと思います。
米澤さん作品で、古典部シリーズがあるんですが、その主役が同じような話し方するんですよ。だけど、ここまで、気になる感じではなかったです。
米澤さんは、面白い作品たくさん出してますよ♪
私はすごい好きです。2023/08/21
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ずっと待っていた続編。
読むのが遅くなったけど、今回も楽しめた。
松倉くんと堀川くんがまた会えて良かったよ。
相変わらず淡々と進むから、こっちも淡々と読める。
前回の内容の方が好きだったかな。
また続きが出たら読みたいと思う! -
「本と鍵の季節」の続篇。
図書室の中でおこる不可解な出来事を今回も堀川次郎と松倉詩門が、解決へと導く。
今回は、トリカブトの栞を見つけたことから物語が始まる。
誰が何のために嘘を吐くのか…。お互いに探り合いながら展開していくのは読んでいても面白い。
どろどろした感情や悪をあまり感じないのは、高校生らしさを残しているのかもしれないが、ちょっと可愛く思えた小説だった。 -
前作の「本と鍵の季節」がとても良かったので、すぐに続編が読みたくて、アマゾンですぐ買いました。 長編だったので、読み終わるのが少し時間がかかったのだが、とても読み応えが良い、青春ミステリだと実感しました。
前作に引き続いて堀川と松倉の図書委員コンビの
会話劇に引き込まれますね。
高校生の会話だなと、改めて実感しました。
そんなコンビの元に、ある本が返却されてきた。
その本に栞が挟まっていた。何気ない栞なのだが、その栞にラミネート状に加工されたある花が
ある事件を引き込む。その栞を求めて、新たな人物たちが、動きだす。誰が嘘をついているのか、誰が配り手なのか、図書委員コンビの推理が始まっていく。
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<図書委員>シリーズの2冊目。前作「本と鍵の季節」は連作短編集だったが、本作は長編となる。前作で登場した人物も幾人が出てくる。
高校で図書委員をつとめる堀川次郎と松倉詩門は、図書室の返却本の中に、押し花で作った栞を見つける。それは猛毒のトリカブトだった。誰が何の目的で、図書室の本に挟みこんだのか?
最後には、「犯人」は特定されるのだが、スッキリと解決とはならない。読者にしてみれば、モヤモヤ感が拭いきれないのだ。前作のラストもそう。あとは読者の想像にお任せしますという終わりかたなのだ。前作で感じられた「モヤモヤ」は、本作の中で予想がつくようにはなっているのだが。さらに、高校を舞台にしているが、なにかダークな香りが漂う。
自分は、こういうのはちょっと苦手だ。やはりスッキリしてほしい。このシリーズは、まだ続くようなので、次回作以降でスッキリ解決となるかもしれない。しかし、できるだけ1冊の中で解決してほしい。それに高校生には、明るく楽しく「青春」してほしいと思う。本シリーズと同様に、高校を舞台にしたミステリである<古典部>シリーズの方がお気に入りである。 -
図書委員シリーズ2作目。返却された本の間に挟まれていた栞。トリカブトの花をラミネートされていた。それから教諭が倒れて救急搬送される。重苦しい雰囲気の中、堀川と松倉が真相に迫る。読んでいて全く気づかないのにすぐ指摘できる2人の洞察力に脱帽し、自分にもちょっとあればなと羨ましく思う。 面白かった。
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松倉・堀川コンビの関係は前作同様にクールで良い感じ。学校の図書館を舞台にしているだけに静寂の中の会話は緊張感が独特で、作品の特徴になっているようです。
前半は話の進み具合がゆったりしていますが、後半はテンポも早くなって一気読みでした。
次回も期待して待っています! -
『本と鍵の季節』の続編。
前作と間が空いてしまい、うっすらとしか覚えていませんでしたが、だんだん思い出してきました。高校生の世界観と、やたら勘の良い堀川、松倉コンビで校内起きているトリカブト流布のナゾに迫っていきます。
ライトに書き上げていましたが、実際あったら怖いなという感じや警察やマスコミ沙汰にならないことって多いのかなぁと思って読みました。