栞と嘘の季節

  • 集英社 (2022年11月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784087718133

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!
直木賞受賞第一作

猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。

高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

著者略歴
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を受賞してデビュー。『氷菓』をはじめとする古典部シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。
2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。2021年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞、さらに2022年同作で第166回直木賞、第22回本格ミステリ大賞を受賞。
『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ3つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。さらに『黒牢城』は史上初めて4つの年間ミステリランキングを制覇した。

みんなの感想まとめ

物語は、図書室で見つかった猛毒のトリカブトの栞をきっかけに、堀川と松倉、そして新たに登場する女子高生・瀬野が織り成す青春ミステリーです。日常の中から生まれる緊迫した事件が、彼らの信頼関係や人間関係を試...

感想・レビュー・書評

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  • 高校生たちの真実と嘘… 毒性をもつ押し花の栞を巡り、図書委員の二人が奮闘する物語 #栞と噓の季節

    ■あらすじ
    高校の図書委員で司書として活動する堀川と松倉。ある日返却された図書の中に、押し花で作られた栞が挟まれていることに気づく。その花は猛毒を持つトリカブトであることが判明し、さらにその毒牙に教師がかかってしまったのだ。栞の作成者だという瀬野が二人の前に現れ、栞を回収したいと相談を受けるのだった。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    堀川と松倉、主人公の二人が可愛いすぎで大好き。
    とても高校生とは思えないほどの知識と思考力を持ち合わせつつも、自身の信条をもとに事件に向き合っていく。小気味よい会話のやりとりは、まるで禅問答みたいで、思わずクスクス笑ってしまうこともしばしば。そして決して親友ではないんだけど、お互い尊重しあっている距離感が絶妙で超イイ!

    また本作もう一人の主人公ともいえる女子高生、瀬野ですよ。おそらく見た目はバリキャリ美人ですが、中身は純粋で脆弱な少女。いつも気を張って生きている様子が目に浮かんできて、キュンキュンしちゃうんですよね。

    とにかく若い高校生たちの細かな心情を、丁寧に丁寧に描かれています。どこか日常が不安で、これから希望をもって生きていくことができるかわからない。若かりし頃、誰でも持つ悩みが痛いほどよくわかります。
    まぁ私の場合は人間的に幼稚だったので、こんなことを悩むのは20代にはいってからでしたけどね…

    そして本書の謎解きのメインテーマである「嘘」。真相が明らかになった時、当然事件は解決に向かうのですが、むしろそれはメインではない。

    彼らの本当と嘘の行間に潜んでいた真相こそ、本作のメインの謎解き。あまりにもピュアで、必死すぎた一連の人間関係と背景が胸に突き刺さり、それでも彼らが成長してく姿が読み手の感動を誘うんですよね~ 是非次回作も読んでみたいシリーズでした。

    ■きっと共感できる書評
    私が若かった頃、なんの能力も学歴も自分に嫌気がさし、自暴自棄になることもありました。それでも周りの人間に迷惑だけはかけないように、自分を取り繕い、笑顔を振りまいて生きていたのです。そんな弱い人間性を見抜いていた先輩に、ある日言われたことがありました。

    周りに迷惑をかけたくなかったら、まずは自分自身がしっかりすることだ。
    そして人の役に立ちたいなら、まずは自分自身を磨くことだ。

    何より最初に周囲の目を気にしていた私にとって、目から鱗の言葉でしたね…

    すべては自身の意識と行動から始まり、様々な経験を経て大人になっていく。本書の登場人物たちも、きっとひとつ大人になったのではないでしょうか。

  • 図書委員シリーズ第2弾

    堀川と松倉は高校の図書委員。
    図書室への返却本には押し花の栞があった。
    押し花にされていたのは猛毒のトリカブトだった。
    持ち主を探す2人に、名乗り出たのは同級生の瀬野さんだった。

    なんか、高校生ってこんなに大人びているのか。
    いや、高校生だからこその言い回しや人との距離感なのか。
    っていうか、図書委員の仕事めっちゃ真面目にしてるやん。
    図書委員の決まりをめっちゃ真面目に守るやん。
    思慮の浅い私は、たぶん、本を借りた人物をさっさとバラしそう。そして、さっさと司書の先生に丸投げしそう
    ────それじゃあ物語にもならない。残念な結果になりそうだわ~

    なんて言ってますが、登場人物はそれぞれに抱えているものがあって、それは、普段の高校生活では伺いしれない一面で。謎を追っていくうちに、それぞれの考えや事情が分かっていく。それを認め、自分達で考えて行動する。すごく引き込まれました。
    ラストの瀬野さんの物語が、笑顔で終わりますようにと祈りたくなった。

  • 前作の「日常の謎」を解き明かしていく軽やかな雰囲気から一転、本作では図書室で見つかった「猛毒トリカブトのしおり」をきっかけに物語が大きく動き出す。何気ない日常の断片が、思いもよらない緊迫した事件へとつながっていく展開に引き込まれ、一気に読み進めた。

    特に印象深かったのは、「嘘」は必ずしも悪意だけから生まれるものではない、という点だ。誰かを守るため、あるいは自分を守るため――そんな切実な動機からつかれた嘘が、新たな誤解や苦しみを生んでいく。登場人物たちが抱える割り切れない事情を知るたびに、人間の心の複雑さを痛感させられる。

    タイトルにある「栞」と「嘘」という言葉は、物語を読み終えた後にいっそう深い意味を持って迫ってくる。栞(しおり)は本来、本のページをめくる目印にすぎない。しかし本作においては、人と人との記憶や秘密、そして人生の決定的な分岐点を象徴するアイテムとして機能している。

    『栞と嘘の季節』は、巧妙な謎解きにとどまらず、人の心の機微を丁寧にすくい上げた極上の青春ミステリーだ。「人はなぜ嘘をつくのか」「真実を知ることは本当に幸せなのか」。読み終えた後も、事件の真相以上にその切ない問いが胸に残った。

  • □■□■□ □■□■□
    感想
    □■□■□ □■□■□
    主人公の高校生2人の話し方が、米澤節と言っていい感じでした。久々に古典部シリーズを思い出しました。

    で、、、最初はよかったんですが、この堀川、松倉の2人が同じ話し方をするから、だんだんとキツくなってきて、読むのがかなりしんどくなりました。

    「いや、わからんが、、」とか、「聞こう」とか、その、やりとりがものすごく気持ち悪いというか、まとわりつく感じというか、2人の会話がとても多いこともあり、そこがちょっとNGでした。

    ストーリーは、とても考えられていて、とても深い内容になっています。なかなかに面白い内容なんですが、とにかく、2人の会話が耐えられないぐらいにキツイものがありました。ほんと、きつかったです〜( ; ; )


    □■□■□ □■□■□
    あらすじ
    □■□■□ □■□■□
    図書室の係をしている堀川がトリカブトの栞を発見するところから物語がスタートします。その栞について、持ち主を探していたら、学校で人が倒れる事件が起きて、急に事件性が出てきます。忘れ物対応していたら、殺人事件に巻き込まれていくような、そんな急展開なお話でした。考察、洞察の優れた人は、かっこいいです。

    要約すると,頭の回転のよい高校生2人が、謎を解明していく、学生探偵小説で〜す。


    □■□■□ □■□■□
    図書館
    □■□■□ □■□■□
    このお話では、学校図書館がお話にしばしば登場します。私も図書館はよく使っています。私の住んでいるところの図書館では、1人10冊まで予約できるんですが、私は常に予約がいっぱいな状態です。貸出期間は2週間なんですが、取り置き期限が1週間あり、さらに複数の図書館間の移動頻度が週2回程度のため、1ヶ月ぐらいで、やっと1人減る、というケースもあります。そのため、予約10人程度で、数ヶ月待たされることしばしば…。
    返却が早い人は借りられる数が多くなり、返却か遅い人はその逆になるような、そんな仕組みを入れて欲しいと思う日々です。
    この本の中では、本に挟まっていた忘れ物はクッキー缶行きでしたが、私の図書館では、ちゃんと直前の返却者用に取り置きしてあって、何度か助けられてます。ちょっと手間をかければよくなることは沢山あるわけで、そんなとこに目を向けることを意識した瞬間がありました。


    □■□■□ □■□■□
    主な登場人物
    □■□■□ □■□■□
    【図書委員】
    堀川次郎 
    松倉詩門 イケメン
    瀬野麗 うらら、美人

    植田登 1年生
    東谷理奈 ひがしや、委員長
    横瀬 先生

    櫛塚奈々美 くしづかななみ、瀬野友達、美人

    • kikiさん
      Manideさん、こんばんは。
      すごく特徴的な話し方ですよね。
      内容が面白くてどんどん読み進めましたが、慣れるまでとっつきにくかったです。
      ...
      Manideさん、こんばんは。
      すごく特徴的な話し方ですよね。
      内容が面白くてどんどん読み進めましたが、慣れるまでとっつきにくかったです。

      米澤穂信さんの他シリーズは未読なので、同じ話し方なのか気になっています!
      2023/08/21
    • Manideさん
      kikiさん、こんにちは〜

      作品によって、まったく違うので、いろいろ読んでみてください(^^)

      この作品は特にきつい話し方だったと思いま...
      kikiさん、こんにちは〜

      作品によって、まったく違うので、いろいろ読んでみてください(^^)

      この作品は特にきつい話し方だったと思います。
      米澤さん作品で、古典部シリーズがあるんですが、その主役が同じような話し方するんですよ。だけど、ここまで、気になる感じではなかったです。

      米澤さんは、面白い作品たくさん出してますよ♪
      私はすごい好きです。
      2023/08/21
  • ずっと待っていた続編。
    読むのが遅くなったけど、今回も楽しめた。

    松倉くんと堀川くんがまた会えて良かったよ。
    相変わらず淡々と進むから、こっちも淡々と読める。
    前回の内容の方が好きだったかな。
    また続きが出たら読みたいと思う!

  • 「本と鍵の季節」の続篇。
    図書室の中でおこる不可解な出来事を今回も堀川次郎と松倉詩門が、解決へと導く。
    今回は、トリカブトの栞を見つけたことから物語が始まる。
    誰が何のために嘘を吐くのか…。お互いに探り合いながら展開していくのは読んでいても面白い。
    どろどろした感情や悪をあまり感じないのは、高校生らしさを残しているのかもしれないが、ちょっと可愛く思えた小説だった。

  • 前作の「本と鍵の季節」がとても良かったので、すぐに続編が読みたくて、アマゾンですぐ買いました。 長編だったので、読み終わるのが少し時間がかかったのだが、とても読み応えが良い、青春ミステリだと実感しました。
    前作に引き続いて堀川と松倉の図書委員コンビの
    会話劇に引き込まれますね。
    高校生の会話だなと、改めて実感しました。
    そんなコンビの元に、ある本が返却されてきた。
    その本に栞が挟まっていた。何気ない栞なのだが、その栞にラミネート状に加工されたある花が
    ある事件を引き込む。その栞を求めて、新たな人物たちが、動きだす。誰が嘘をついているのか、誰が配り手なのか、図書委員コンビの推理が始まっていく。

  • 『本と鍵の季節』の続編がこの作品…。高校で図書委員の堀川次郎と松倉詩門…前作で、このあと松倉くんどうしたのか??ってところでエンディングだったので、2人そろってまた今作でも活躍してくれたのが素直に嬉しいです。この作品では、返却本に挟まったままの栞を堀川くんが見つけ、キレイな押し花の栞は猛毒のトリカブトだったことが判明したところからストーリーが展開していく。栞は自分のものと言って返却を求めて来たのは2人の同級生である瀬野だった…。この栞はどんな意図で作られたものなのか、そしてその後に引き起こされる数々の謎に満ちた出来事に、堀川くんと松倉くん、瀬野さんが真相を追求するための奔走する…。

    前作は連作短編集で、今作は長編だったからか…今作の方が面白く読めました。ただ、前作を読んでからの方がいいかも知れません。タイトルに、「嘘」とあるように沢山の「嘘」に読み手は翻弄されてしまいます。そして、真相にたどり着いたとき…なぜか、またあとは個人的な問題だから…ってエンディング…なので、前作と似た感じの読後を持ちましたが、高校生らしい描写は健在でした。

  •  <図書委員>シリーズの2冊目。前作「本と鍵の季節」は連作短編集だったが、本作は長編となる。前作で登場した人物も幾人が出てくる。
     
     高校で図書委員をつとめる堀川次郎と松倉詩門は、図書室の返却本の中に、押し花で作った栞を見つける。それは猛毒のトリカブトだった。誰が何の目的で、図書室の本に挟みこんだのか? 
     
     最後には、「犯人」は特定されるのだが、スッキリと解決とはならない。読者にしてみれば、モヤモヤ感が拭いきれないのだ。前作のラストもそう。あとは読者の想像にお任せしますという終わりかたなのだ。前作で感じられた「モヤモヤ」は、本作の中で予想がつくようにはなっているのだが。さらに、高校を舞台にしているが、なにかダークな香りが漂う。

     自分は、こういうのはちょっと苦手だ。やはりスッキリしてほしい。このシリーズは、まだ続くようなので、次回作以降でスッキリ解決となるかもしれない。しかし、できるだけ1冊の中で解決してほしい。それに高校生には、明るく楽しく「青春」してほしいと思う。本シリーズと同様に、高校を舞台にしたミステリである<古典部>シリーズの方がお気に入りである。

  • 松倉・堀川コンビの関係は前作同様にクールで良い感じ。学校の図書館を舞台にしているだけに静寂の中の会話は緊張感が独特で、作品の特徴になっているようです。
    前半は話の進み具合がゆったりしていますが、後半はテンポも早くなって一気読みでした。
    次回も期待して待っています!

  • 図書委員シリーズ2作目。返却された本の間に挟まれていた栞。トリカブトの花をラミネートされていた。それから教諭が倒れて救急搬送される。重苦しい雰囲気の中、堀川と松倉が真相に迫る。読んでいて全く気づかないのにすぐ指摘できる2人の洞察力に脱帽し、自分にもちょっとあればなと羨ましく思う。 面白かった。

  • 『本と鍵の季節』の続編。

    前作のその後が気になっていたのだが、結局そこに触れられないまま再び二人が図書委員として交流する姿にホッとするような物足りないような。

    今回は長編。
    返却された本に挟まれていた手作りの栞には、猛毒のトリカブトの押し花がラミネートされていた。
    折りしも写真部の生徒がコンテストに入賞したという写真にもトリカブトの花があり、校内の裏庭にもいつのまにかトリカブトが栽培され、やがて前作でも問題教師として取り上げられていた横瀬が救急搬送されて…というトリカブトにまつわるミステリー。

    栞の持ち主を探す堀川・松倉コンビの前に現れたのは、栞の持ち主だと嘘をつく瀬野。彼女の突拍子もない行動はハラハラさせられるが、他にも図書委員の東谷はじめ、高校という一大コミュニティにはさまざまな事情を抱えた人間がそれなりの割合でいるのだということも知らされた。

    栞を巡る真相の追跡はハードボイルドタッチだが、その事情は前作同様、高校生が抱えるには重すぎるし苦すぎる。だがこのシリーズはそういう背景を抱えたティーンエイジャーたちが生きていく姿を描いているのだろう。彼らにとっては友情が支えであり、だがそこに縋ってはいないのもドライで、このシリーズの特徴なのかも知れない。

    事件の真相にいる人物の正体や結末については前作と同様アッサリしていた。
    だがそこに深く首を突っ込むことが出来ないのが高校生の限界なのかな。

  • 『本と鍵の季節』の続編。
    前作と間が空いてしまい、うっすらとしか覚えていませんでしたが、だんだん思い出してきました。高校生の世界観と、やたら勘の良い堀川、松倉コンビで校内起きているトリカブト流布のナゾに迫っていきます。

    ライトに書き上げていましたが、実際あったら怖いなという感じや警察やマスコミ沙汰にならないことって多いのかなぁと思って読みました。

  • 前作の内容も忘れてたけど関係なく楽しめた。図書委員のミステリーって日常っぽい雰囲気から、犯罪色が濃くなっていくのにハマっていく。
    前作からの二人がもちろん中心になっていくのだが、三人目の瀬野さんの思いが深く、その気持ちを着地点とする展開に読み進める。
    切り札。確かに力を持たない学生とかにはそれがあるだけで心強いのかもしれない。ナイフとかよりも疑われないし。学生だけでなく心が弱ってしまった人も同じく何か支え的なものも必要かも、って思ってしまった。現状の自分にはこんなおっかないものは要らないけど、頼らなくていいよう強くありたい。
    時々ぶっとばしたくなる御仁もいるが(笑)

    後は瀬野さん頑張れ。爽やかな終わり方で良し。

  • 図書館で借りました。
    やっと読めました。
    相変わらず、主人公の堀川二郎と友人(?)松倉詩門、高校2年生の二人の掛け合いが軽快で、とても読みやすかった。
    今作は、学校図書館で返却された1冊の本に挟まっていた栞の物語。
    その栞に押花として使われていたのが、トリカブトの花という設定で謎解きの話は進みます。
    そのうえ、学校の裏庭の花壇にトリカブトが植えられていた。
    あり得ない事と思うけれど、トリカブトの栞を「切り札」「御守り」のようにして持っておきたい事情がある。というのは何となくわからなくはないかな。護身のためになるものを持ち歩くという事は、ありそうだから。

    登場人物同士の関係が前作から繋がっていて、前作の内容も時々出て来る。
    残念ながら忘れているので、そこはあやふやのまま読みましたが、面白かったです。

  • 栞とは…。また地味な題材だなとぁと思いましたが。

    読んで行く中、えっ⁉︎となり、愛用中の自分の物を、まじまじと見てしまいました。

    影絵ですが、紫色のパンジー。
    ラミネート加工。
    娘が学校行事でもらって来たもの。

    もしこれが、とある押花で、意図的…と考えたら、だいぶ怖いですよ。
    盲点を突かれた感じがするのもとても嫌だ。
    なんか地味だ、と思った栞からこんなに話が大きくなるとは思いませんでした。

    今回も切れ者コンビが頼もしい。
    真面目にふざけた、、いや、大人びた会話が、読んでいて楽しい。予想の斜め上からの返答がくるのが気に入ってます。
    前作の心残りも、深追しすぎないところもこの二人らしくて良かった気がしました。

    続編、待ってます。



  • 学校図書室を平穏に運営してきた、図書委員の堀川次郎と松倉詩門。
    返却本に挟まれていた栞が、トラブルの始まりで……。

    『本と鍵の季節』の続編。

    有毒なトリカブトの栞と、自分のものだと言う、美しい女子生徒の瀬野。
    学校という閉鎖的な環境での展開で、いかにもな学園ミステリ。

    高校生たちの誰もが、妙に嘘慣れしているところが、筆者らしい。

    犯人にはたどり着くけれど、その後までははっきり描かれないため、ややもやもやした読後感。

  • 前作があるようだけれど、
    前作を読まなくても十分面白かった。

    猛毒の栞の持ち主と謎を追う、
    二人の高校生のストーリー。
    二人の絶妙な距離感、堀川と松倉のコンビが
    なかなか、かっこいい。二人の関係を表すなら、
    さしずめ、シャーロック・ホームズと
    ワトソンか?
    面白かったが、和泉乃々花がなぜそこまで
    「切り札」にこだわるのか、いまひとつ、
    よく分からなかった。それに、櫛塚奈々美に
    どんな事情があったのか、もう少し詳しく書いても良かったのでは。メリーさんがどうなったのかも
    気になる。
    いずれにしても、次回作もあるのだろうか、
    二人に会うのが楽しみだ。

  • 前作『本と鍵の季節』は連作短篇集で、サクサクと読み進めらたが、今回は長編。
    スキマ時間に楽しむというよりも、ドカッと腰を据えて読み進めた、というよりも読み進めるのを止めるのが大変だった。
    早く寝ようとしてるのに、先が気になって夜更かしともう寝なきゃ!な葛藤の末朝イチから再び読み始め一気に読了。
    あぁ、この後どう物語は展開していくんだろう…。
    前作で事情を知ったからこそ、作中で詳しく語られていない部分の「知ってる!」感が今作の裏にあり、前作を読んでいるからこそ楽しめたりもした。
    まだ更に続編がありそうで、今から図書委員シリーズ第3弾として出てくれるのが楽しみだ。

  • 前回同様最後どうしたかは、当事者の判断に…つまり読者の想像にお任せスタイル。前回の答え合わせは本作であったので、本作の答え合わせは次作で分かるのかな?本を読む人なら誰でも経験した事のありそうな、挟まれた栞からこんなに話が膨らむなんて…。まあ私なんて古本に挟まれていた出版社の栞ぐらいですが。
    本作は次郎の性善説に基づく考察と松倉の性悪説を前提とした考察に今回は瀬野のお前が生きているのは私が生かしてやってるからという、そっちが一線を越えなければ使わないけど、一線超えたら使うという切り札も加わり面白かった。ただ心配なのは次郎の優しさがどんどん擦れていかないか。次郎の生活環境を松倉が知ってしまったら、今のような関係性は保つことができるのか。やっぱり次作も読むしかないか。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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