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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784087718195
作品紹介・あらすじ
繰り返されるパンデミック、戦争、格差社会……。
ホモ・サピエンスは三千年間、まったく変わっていない!?
漫画家・文筆家・画家のヤマザキマリが、大英博物館の「マンガ展」担当キュレーターで美術史家のニコル・クーリッジ・ルマニエールを相棒に、歴史をひもときながら現代社会を明るく生きるヒントを探る、対談&エッセイ集。
「人類が三千年間変わらないのは業を持っていること」「不条理と孤独が人を育てる」「ユーモアにこそ知性が必要」など、ともに十代で異国での孤独を味わい、世界各地で歴史とアートを縦横無尽に学び続ける二人が導き出した、力強く普遍的なメッセージが満載。
単行本未収録の漫画「美術館のパルミラ」(ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」発表作品)も収録。
【目次】
Prologue 人類三千年の旅への招待状 ヤマザキマリ
Dialogue 失敗や破綻はすべて過去に書いてある ヤマザキマリ×ニコル・クーリッジ・ルマニエール
第一章 困難なときほど人類三千年の知性に刮目せよ
第二章 時代の先駆者は、いつの世も孤高にして不遇
第三章 人類の歴史で普遍的なのは、笑いの精神
第四章 想像力をすり減らす同調圧力
第五章 失敗や破綻はすべて過去に書いてある
Manga 美術館のパルミラ
Essay 人類を救う(かもしれない)ヤマザキマリの七つのヒント
Epilogue ヤマザキマリさんは右脳と左脳の間に立つ人 ニコル・クーリッジ・ルマニエール
【著者ほかプロフィール】
ヤマザキマリ
1967年東京都生まれ。漫画家・文筆家・画家。東京造形大学客員教授。84年に渡伊、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史、油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』で、第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。15年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。17年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ受章。漫画作品に『スティーブ・ジョブズ』、『プリニウス』(とり・みきと共著)、『オリンピア・キュクロス』など。評論・エッセイに『ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ』、『たちどまって考える』、『ムスコ物語』など。
ニコル・クーリッジ・ルマニエール
英セインズベリー日本藝術研究所の創設者・初代所長。現セインズベリー日本藝術研究所研究担当所長、およびイースト・アングリア大学日本美術文化教授。1998年米ハーバード大学博士課程修了。2019年大英博物館にて開催された「マンガ展」の主任キュレーターを務めた。
感想・レビュー・書評
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ニコルさんのエピローグを読むまで、この本が幸福論についてのものだということを忘れていた。
とにかく、2人の教養の高さ、しかも絵画や本についてだけではない、文化や生命、精神論まで及ぶものに圧倒された。
読後の反応として正しいのかわからないけど、とにかく無性に美術館に行きたい。
ここで「正しいのか」なんて考えることは、マリさんの言葉を借りると「バカバカしい」に違いない。
現在開催中の「永遠のローマ展」、仕事や家庭があって行けないだろうなと諦めていたが、行きたい!何百年、何千年経っても、人間の行動や思考はそれほど変わらないということを、目と耳と鼻で思いきり取り込んみたい!
特に自分を肯定してくれた箇所
「あなたが今、悲しみや、怒り、どうしようもない孤独感を抱えているのなら、それは精神性の生き物である人間必須の、むしろなくてはならない人生経験として受け入れるべきだと思う。その経験がいつかあなたが飛躍するときの大事なエネルギーとなって還ってくることは間違いない。」204p
巻中の『美術館のパルミラ』は一読の価値あり!
セリフがない漫画、なのに深いところに突き刺さる。
ただ、巻頭に載せて欲しかった。
読む前にマリさんがこの作品について語っていたので、それを読む前に目にしたかった。この点だけが、とても残念。 -
生きていくのに必要なのは教養なのだなと感じられるような一冊。
あらゆることに対する造詣が深くて圧倒されるように読み終えました。
自分と同じように苦しみ、そこからでも立ち上がった人たちの存在を知ることは、強さになると思います。教養の真の意味はそこにある。
個人的には家族に対する考え方がとても参考になりました。
過度な共感を求めなくてもいい。親はそもそも理不尽なものなのだと。
それだけでも救われる人が多くいるのではないかなと思います。 -
ヤマザキマリさんの本、共著ふくめてこれで40冊読みました。
毎回学ぶことが多く、面白い。
なんでかな?と考えてみたら、今回こんなのがありました。
〈テレビやラジオで、古代史や発掘調査を何十年もやってきたという学術研究者と話す機会があると、私が自分の妄想を横溢させながらしゃべるのを、みなさん押し黙りつつもにらむような目で見ている(笑)。そのあげく、創作家というのは学者と違って自由な発想が許されていいですねと言われる。
彼らの仰せのとおりです。あらゆる文献を確かめて、全部それにひもづけて推察の根拠を示さないと論文として認めてもらえない。自分が退官する前の最後の論文は全部適当なことを書いて辞めてやる、と言っていた自暴自棄な歴史学の先生もいましたけれど(笑)。論文というのは、フィクションではありませんし、読み手によってそれぞれ、というのであってはいけないわけです〉
前何かの本で、やはり学者か教授かが「塩野七生さんとは仕事したくない」と言っていたと読みました。
ヤマザキマリさんも塩野さんも縛りがなく自由だから
私なんかでも楽しく読めて、
学んだ気になり満足できるのかもしれません。
水木しげるさんの漫画や、安部公房という人(『安部公房とわたし』を読んで嫌いになった)に惹かれない私。
教祖は好きではないが一番弟子たちが好きで
宗教にはいってしまう信者に似てるかも。
今回の対談相手ニコルさんがこのように言っています。
〈私たちに与えられた人生は、働いてお金を稼ぐことではなく、社会の中で様々な価値観に触れて視野を広げ、失敗や挫折を含めて生きるとはどういうことかを学ぶことで、充実させることができます。(略)
とくに社会のルールに従わず多くの犠牲を払って自分の道を進むことは、深い孤独をもたらすということに言及しました。その孤独が何かを生み出すエネルギーになるのだというヤマザキマリさんの主張は、とても説得力がありました〉 -
歴史や文化や政治の知識があり、かつアンテナを広げている人の会話って、こんなにも巾が広く、豊かなんだと感じた。
故に、分かる箇所もあれば、難しくて読めなかった部分もあった。
愚民政策の結果のような人にはなりたくないと強く感じた。
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美術館のパルミラはマジ泣ける。
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陳腐な言い草になるが、それでもヤマザキマリの言葉はいい意味でも悪い意味でも嘘がなく、ほんとうにどん底(ブレイディみかこ的に言えば「地べた」?)を見た人だけに言える異様な説得力を感じさせる。本書は対談がベースだが、2人の言葉はわかりやすくそして濃い。いくつか異論がないわけでもないが(たとえばSNSの空気はむしろ2人の分析とは異なる、「言語化」への過剰な強迫観念から成り立っているのではないか?)、しかしそうした異論はただちにこちら側が2人のありように倣った思考を立ち上げる材料にされるべきではないか。侮れない本
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ヤマザキマリさん、強く生きていて、みんなが彼女のような強靭な生き方をできないと思うけど、意識するのは大切。
漫画が第九の芸術としてルーブル美術館で企画されていたのは知らなかった。 -
外からみる「日本」の観点は重要。
ただ、この本から新しい発見は少なかったような気がする。
河鍋暁斎を知ることができたことは収穫。
ニコルさんとの対談集だがニコルの発言が少ないことが残念。
以下抜粋~
・想像力を豊かにするのは、悲しみと孤独です。
日本の私の周りを見ていると、誰も孤独と真正面から向き合おうとしていないから、表現の貪欲さが消えてしまったように見受けられます。
・あなたが今、悲しみや、怒り、どうしよもない孤独感を抱いているのなら、それは精神性の生き物である人間必須の、むしろなくてはならない人生経験として受け入れるべきだと思う。 -
914.6
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● 2019年に大英博物館で開催された「マンガ展」現代漫画の祖先とも言われる。浮世絵から、手塚治虫などのレジェンドたち、そして現代の人気漫画家たちの作品を1つの日本の文化として紹介。
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人間は知性で自分たちの命を特別なものであり、尊く貴重なものと捉え、この地球上で最も優れた種族という意識を持っているが、地球という惑星からしてみれば私たちはその他の生物と全く同等であり、知性があるからといっていつまでも子孫を存続するにふさわしい生物という待遇を受けているわけではない。それを理解しておけば、生きるのはもっと楽になるはずだと思うのだが… 235ページ
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歴史から学ぼう。自分を、世界を、時代・文化を俯瞰できる力を身につけたい。
ネットではなく、生の体験も大切にしたい。
価値観の違う人とも語り合い、共生できるのが理想的な社会とはわかってはいれど、実際は外に出れば差別や言葉の暴力、女性蔑視、セクハラやモラハラ・・電車に乗っているだけで不快な思いをすることが多々。自分の生活を必死に保っている中で、価値観の違う人、危害を加えてくる人に自分の気力・体力・時間を割くことは、合理的じゃない。と考える人が私含めてほとんどんなんじゃないかなと。状況はわかっているけれど、せめて自分の生活の中は平和を保ちたいと。
被害者側ではなく、加害性のある人ほど学ばなければいけないのでは…と思うこの頃。 -
ルマニエール氏との対談。
自分には理解できない内容もあったが、刺激的だった。
読後、自身の心に大きな対流がおこるのを感た。 -
「いつの時代も人間は愚かで進化していない」という事実を言う意識高い人がいつの時代にいるのも同じ。
幸福/不幸とは別に、みんなが活き活きとする社会ってどんな社会で、どうすれば実現できるのか?
なんかまとまりがなく本の出来としては★3つにしてしまったけど、こういう本を読むことがきっかけになり、考える事や想像する事が社会を変える力になれば、と思いますね! -
・芸術との向き合い方
今まで義務教育を通して勉強してきた「芸術」。正直、必要ないものだと考えていた。学びたい人だけが学べば良い、などという碌でもないことを考えていた。
しかし今ならはっきりと、それが間違っていることが分かる。芸術が必要ないなど、あり得ない。芸術には様々な国の言語、歴史、文化、価値観が現れており、それが今現在も時代を超えて我々に形を持ってその意味を伝えてくれている。それが人類にとって(少なからず私にとって)必要なものではない、などと考えていた自分が情けない。芸術はその時代の人々を映した「鏡」である。それがたとえ美しいものでも、醜いものでも。「人間」という生き物を知るには最良である。今後自分が専攻したいと考えている言語と繋がるところがたくさんあることに気付かされた。
再度、謝罪の意を込めてはっきりと述べる。「芸術」は人間にとって必要不可欠である。
・西洋と日本
正直、今まで日本の様々な部分に西洋化による悪い影響が及んでおり、「西洋中心主義」は悪だと考えていた。
しかし、実際は西洋化することが悪いのではなく良い部分と悪い部分を見極めることなく、ひっきりなしに西洋の文化を取り入れてしまうことが悪いのではないかと感じた西洋と日本では言語や文化、価値観の何から何まで異なっている。それは至極当然のことである。その中で、他国を尊重して良い部分を取り入れながら、かつ日本独自の文化をしっかりと理解した上で上手に融合していくことが大切だと感じた。
そのためにも、その国に住む人々の考え方や言語性、文化が現れやすい「芸術」にはしっかりと触れておく必要があると感じた。自国についてしっかりと理解するためにも他者を理解するためにも。
・今現在生きている人間社会
自分が生きている現代社会において、私は自分を見失っていた。自分の中で作り上げた社会の偶像に怯え、理想像と比較しては落ち込み、虚像と戦って生きてきた。
しかし、ヤマザキさんの「人生なるようにしかならない」という考え方は衝撃的だった。所詮人間は高尚な生き物ではなく、歴史を振り返ってみても碌でもないことばかりしている。そんな人間に期待をしなくなれば、もっと気持ちが楽になる。これらの考え方は、私を救ってくれた。世の中の常識やら同調圧力というものに恐怖していた私を救ってくれたのだ。
さらに、ヤマザキさんは決して人間に対して悲観的になって絶望しているわけではない。達観して物事を客観的に捉えている。その姿はとても力強く感じられた。 -
心から尊敬する友人ニコル・ルマニエール教授と、ヤマザキマリさんとの対談集。
私、長年「アート」というものに苦手意識があったのですが、それがいかに大切か、社会に人にどう作用するのかをおふたりが丁寧にまた熱く語ってくださり、アートに少し歩み寄ることができた。
また、見せかけの共感より、わかり合えないけど共生し合えることの方が大事とか、爽快痛快な指摘も多く、何度も読み返したい。
ヤマザキ先生の傑作『美術館のパルミラ』やエッセイも収録されていてお得です。 -
個人的意見になるが、どうも対談本というのは理解しにくいようだ。過去の物・事・人について語り合っている二人の話がかみ合っているのかいないのかよくわからない。もとがオンラインだからなのか編集でカットされた部分があるのかわからないが、二人がそれぞれ言いたいことだけ言っているように思える。たぶん実際に話を聞いていればまた違った感想になるのだろう。そういう意味では最後の七つのヒント部分は理解しやすい。必ずしもヤマザキ氏に全面的に同意するわけではないがいろいろ考えさせられる。そしてこの本を買う大きな理由となったマンガ「美術館のパルミラ」は短いけど印象的。
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最近、色々と辛いことが多いのであるが、この本を読んで人生なるようにしかならんのだと言うことを改めて感じた次第。
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