地面師たち ファイナル・ベッツ

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  • 集英社 (2024年7月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784087718737

作品紹介・あらすじ

シンガポールのカジノで元Jリーガーの稲田は全財産を失い、失意のどん底にいた。一部始終を見ていた大物地面師・ハリソン山中は、IR誘致を見込んだ苫小牧の不動産詐欺メンバーの一員として稲田に仕事を依頼する。日本に戻り、稲田はディベロッパーの宏彰、支援者の菅原と共に準備に入るが、予定していたプランが突然白紙となる。一方、警視庁捜査二課のサクラは、ある不動産詐欺の捜査過程で地面師一味の関与を疑い、捜査を続けていくうち、逃亡中のハリソン山中が趣味の狩猟で頻繁に北海道を訪れていたとの情報を掴むが――。

前作『地面師たち』がNetflixにてドラマ化! 2024年7月25日(木)より世界独占配信スタート。

【著者略歴】
新庄耕(しんじょう・こう)
1983年、東京都生まれ、東京都在住。慶応義塾大学環境情報学部卒業。2012年「狭小邸宅」で第36回すばる文学賞を受賞。著書に『狭小邸宅』『ニューカルマ』『サーラレーオ』『地面師たち』『夏が破れる』などがある。

感想・レビュー・書評

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  • 最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュな欲望がここに!

    Netflixでドラマ化された小説『地面師たち』の続編。不動産詐欺を目論む悪党たち。

    率直にいうと・・・前作を超える衝撃はなかった。

    前作では実際にあった積●ハウスの詐欺事件がモデルで、リアリティと緊迫感が大いに感じられ、最後まで手に汗握る展開に興奮した。
    加えてNetflixドラマによる期待値爆上げの反動で、今作は全てにおいてスケールダウンを感じてしまった。

    しかし、前作を読んだ方ならば同じ感想を持つのではないか。

    詳しくは述べないが、主人公に必然性が感じられず、展開はやや平坦、脇役陣も弱く感じられた。騙すほうも騙されるほうも。
    逆に言えば、ハリソン山中(首謀者)がひとりだけ強すぎる。前作をお読みの皆さんなら「ああ、この連中じゃハリソンには敵わない…」と感じるはずだ。

    とはいえ、詐欺が完結するかどうかのヒリつきは健在。そして、「どうせバッドエンドなんでしょう….?」からの「ファイナル・ベッツ」。
    一気読みするほどには面白かった。

    「もう後がない」人たちの最後の勝負。それがどんな結末になるのか、ぜひ読んでみてください。

  • エンタメ小説で一気読みでした。
    儲け話に、現実にもありそうと思わせるリアリティがあって、ドキドキしながら読めました。
    なんとなく展開が読めちゃったところも、ありましたが、それでも面白かったです。
    それにしても、ハリソン山中、怖すぎ。。
    これもネトフリで映像化するんだろうなぁ〜。

  • 前作ともどもメチャ面白かった。
    ドラマ化も興味深いけど、小説でもヒヤヒヤドキドキ、
    決済取引の場面では手に汗握ります。
    最後は・・・、なるほど、納得!

  • 図書館の順番で1年近く待った。
    前作2冊の内容はもうすっかり忘れてしまった。
    (アノニマスを読んだのは、ほんの2ヶ月前だというのに)

    まどろっこしいところは結構飛ばし読みした。

    全く内容には影響しないが、ユアンマクレガーの『ブラス!』(映画)の表記があったのは嬉しかった。
    モデルとなったグライムソープコリアリーバンドのCDを2枚持っている。
    もう一度観たい映画のひとつ。


    【ネタバレあり】


    道警にたれ込んだのは誰?
    ハリソン自身?
    女性刑事がひとりで入り込んでいた場所に、いつの間にか他の刑事達が沢山乗り込んで来ているけれど、到着前っぽいのに、どうやって?
    表記は無かったと思うが、到着してたのかな?

    本書が発行された後、私がこれを借りられた現在の少し前に、実際にヒグマの件があっただけに、そこは読むのが辛かった。

    続編を匂わせる終わり方だが、私はもう本書で終わりでいいかな。

  • 読みながらNetflixの俳優さん達が
    浮かんできました
    映像も良かったですが小説も良かった
    心理描写が丁寧でドキドキしました

  • 元Jリーガーの稲田がギャンブルにのめり込んで行くのがリアルに感じました。
    その分、地面師の部分が薄かったのかな。
    ハリソン山中の印象も慣れたせいか前作に比べると無かったですね。

  • 「地面師たち」を読むつもりが、間違えてファイナルベッツを読んでしまった。
    前半は少し長い感じだったが、後半はどんどん物語が進み、ハラハラドキドキでした。契約のところは少し雑(?)な気がしましたが、とにかくハリソン怖すぎる。

  • 『地上師たち ファイナル・ベッツ』
    新庄耕(著)

    ### あらすじ
    シンガポールのカジノで全財産を失い、どん底に落ちた元Jリーガー・稲田。彼の転落の一部始終を見ていた大物地面師・ハリソン山中は、IR誘致を見込んだ苫小牧の不動産詐欺計画の一員として稲田をスカウトする。帰国後、ディベロッパーの宏彰、支援者の菅原とともに準備を進めるが、計画は突如として白紙に。一方、警視庁捜査二課のサクラは、不動産詐欺の捜査中に地面師グループの関与を疑い、さらに逃亡中のハリソン山中が頻繁に北海道を訪れていたことを突き止めるが──。

    ### 感想
    新庄耕さんの作品は以前から読んでおり、『地面師たち』の一作目も拝読しました。不動産業界の闇をリアルに描く作風は非常に興味深く、今回の作品でもその魅力が存分に発揮されています。

    Netflixでドラマ化されたことで、シリーズの人気はさらに高まっています。原作ももちろん面白いですが、映像化によるスリリングな演出は見応えがあり、Netflixのクオリティの高さを改めて実感しました。本作も続編として映像化される可能性が高そうですが、国際的な登場人物が増えたことで、キャストがどのように選ばれるのか気になります。

    詐欺という行為は、騙す側も騙される側も極限の心理状態に置かれ、欲望がむき出しになるものだと本作を通じて強く感じました。第三者の視点で読むと「なぜこんなことで騙されるのか?」と思う場面も多々ありますが、当事者になれば視野が狭まり、冷静な判断ができなくなるのでしょう。人間の心理の脆さを突く犯罪のリアルさが、この作品の大きな魅力のひとつです。フィクションとしては非常に面白いですが、現実ではこうした詐欺がなくなることを願うばかりです。

  • Netflixのドラマ「地面師たち」は観ていないが、5年前に小説が出た時には真っ先に読んだ。自分の仕事的にこのモデルとなった積水ハウスが騙された事件を元々知っていたので、余計に読みたくなって当時買って読んだ。
    それに続く第二弾!Netflixのドラマを観てないので、最初の導入部を読んだときに、これはドラマでは描かれていた話なのか?とか気になって、思わず周りのドラマを見ていた人たちに確認してしまった笑。
    第一弾に比べるとかなり力技のような展開のような気がしてしまう印象です。第一弾の方がより手が混んでいたと思う。第二弾はなんか直球勝負感が強い。ハリソン山中と言うキャラを知っているからかもしれないが、読みながら展開が読めてしまうところが多々あった。
    ハリソン山中が主人公となってしまってるので、当然かも知れませんが、根っからの“悪”なのに今回も唯一逃れているあたりが、なんか複雑。。。“悪”にはやっぱり天罰がくだらないとアカンでしょ!てことは天罰をくらうまで物語は続くのか?でも地面師という犯罪の性格上、ストーリー性には限界があるでしょうしねー。

  • 地面師としてのストーリーは前作よりも描かれ方が少なく物足りない部分はありました。
    ただ、強烈な個性のハリソン山中の立ち居振る舞いが興味深く面白かった。

  • ドラマも話題! 新庄耕・著『地面師たち ファイナル・ベッツ』が発売即重版決定 | 株式会社集英社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000611.000011454.html

    道内舞台 人間の欲望生々しく
    <訪問>「地面師たち ファイナル・ベッツ」を書いた 新庄耕(しんじょう・こう)さん:北海道新聞デジタル
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1063554/

    『地面師たち ファイナル・ベッツ』刊行記念インタビュー 新庄 耕「釧路がシンガポールになる、というあり得なさで「いける!」と」 | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/zimenshi-final/

    地面師たち ファイナル・ベッツ/新庄 耕 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-771873-7

  • 前作が面白かったので続編も読んでみた。
    ハリソン山中の相変わらずの恐ろしさも健在。
    登場人物が前作に比べてインパクトがあまりないけど、話自体はかなり入り込めた。

  • シンガポールのカジノで元Jリーガーの稲田は全財産を失い、失意のどん底にいた。一部始終を見ていた大物地面師・ハリソン山中は、IR誘致を見込んだ苫小牧の不動産詐欺メンバーの一員として稲田に仕事を依頼する。日本に戻り、稲田はディベロッパーの宏彰、支援者の菅原と共に準備に入るが、予定していたプランが突然白紙となる。一方、警視庁捜査二課のサクラは、ある不動産詐欺の捜査過程で地面師一味の関与を疑い、捜査を続けていくうち、逃亡中のハリソン山中が趣味の狩猟で頻繁に北海道を訪れていたとの情報を掴むが――。




    前作に引き続き、ハリソン山中の自分だけが助かるというやり方が 悪どくて気分が悪くなる。
    IR誘致を見込んだ不動産詐欺の話なんですが 大阪のIR誘致で私の住んでる関西圏でも何年後かにはもっともっと盛んになるんでしょうね。
    大阪万博の開催で 大阪駅前はずいぶん変わりました。インバウンドの影響で外国人だらけ…
    猛暑と外国人だらけで 出掛けるのも億劫になる。
    この話は続編があるみたいなので 近々読みたいな!

  • 地面師としての交渉に関するシーンは一作目から少なくなったように感じたが、全体のストーリーの完成度は高いと感じました。続編もによわせる感じがして、これからの新庄さんの作品が楽しみです。

  • Netflixで地面師を見てどハマりしたばかりだったので、今作を透かさず読んでみました。
    ドラマでも感じた、相手を騙している時のドキドキ感がとても感じられ、ページを捲る手が止まりませんでした。
    次作がありそうな終わり方でしたので、出版されるのが待ち遠しいです!

  • 地面師の続編。「地面師たち」を読んだのか4年前なので記憶がネトフリの内容にすり替わっている。今作もハリソン山中は豊川悦司としか考えられないし、稲田は誰が演るのかとか映像化にばかり気が入ってしまった。内容は軽めで前作程人は死なない。

  • 前作から見ていて最後はハリソン山中にしてやられるのだろうと思いつつ読み進めた。バレるかどうかのやりとりにハラハラする。

  • 2025.04.26
    どこまでも突き抜けているヤマナカ !
    騙されるほうが悪いという一言に集約される振る舞いに感心するしかない。だから、エンタメとしての読後感は最高!

    2025.04.27
    感想書いて一日経っても悪の権化、ヤマナカのキャラクターが強く思い起こされるので星を一つ増やして星5つに。

  • 2024年
    シンガポールにて、カジノにはまっていた元サッカー選手の稲田に、ハリソン山中は声をかけた
    その後舞台は北海道へ


    前作と同様に進む
    前回が強烈だったため二番煎じが拭えない
    それでも北海道の地理を生かし、新鮮さがあった
    そして刑事の浜さんから取材ノートを受け取ったサクラは、ハリソン山中を逮捕するべく奮闘する
    これは応援したくなった
    こういう伝承系は好きだな

    稲田はあらすじにもあるように現金が必要で仲間になる
    存在は目立ちすぎだ
    捨て駒のパターンなのかとざわめく
    また美人局にみんなひっかかる
    単純だ
    あと北海道にはヒグマがいて、地面師の仲間2人が犠牲になる
    怖いね

    前作の感想に書いた、ハリソン山中の弱点は見つからなかった

  • Netflixで高評価だった地面師たち。
    地面師詐欺で55億円を騙し取られるという。
    映画やドラマで描かれそうな話しだが、積水ハウス地面師詐欺事件。2017年6月1日に、積水ハウスが地面師グループに土地の購入代金として55億5千万円を騙し取られた実話である。

    その事実を知ったのはつい先日。

    興奮冷めぬうちに事実を確かめるべく、森功の著書(地面師)を読後。
    Netflixで描かれるキャストがどハマりしているなと思い好奇心に火がついた。

    物語を非現実的な世界に飛び込みたいと思い、新庄耕の著書(地面師たち)(アノニマス)(ファイナルベッツ)を貪るように味わった。

    特に印象的な描写はハリソン山中の紳士的外見や、にべもない振る舞いに登場人物は翻弄されて行く。ハリソン山中と出会い、自発的に金の欲望に支配され溺れてゆく。しかし、それは組織の駒でしかなかった。実際ハリソン山中の背後にも暗躍した組織に翻弄されているのだとしたらと思うと...ハリソン山中の生い立ちも気になるところだ。

    スリリングな描写と物語の一抹は実際に起こった事件と合わせて腹に収めるのがおすすめです。

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著者プロフィール

1983年、京都市生まれ。神奈川県在住。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2012年「狭小邸宅」で第36回すばる文学賞を受賞しデビュー。著書に『狭小邸宅』『ニューカルマ』、近刊に『カトク 過重労働撲滅特別対策班』がある。

「2018年 『サーラレーオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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