あのころの僕は

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  • 集英社 (2024年9月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784087718805

作品紹介・あらすじ

自分でも分からなかったあの頃の感情に、この小説は居場所を与えてくれる。
私たちは、切実に生きていた。
西加奈子(作家)

停まった時間の内に、再び歩き始める生の兆しをみた。
古川真人(作家)

いつかきっと、いろんなことがわかるようになる。
母を病で失った五歳の「僕」は、いくつかの親戚の家を行き来しながら幼稚園に通っていた。大人たちが差し出す優しさをからだいっぱいに詰め込み、抱えきれずにいた日々。そんなとき目の前に現れたのは、イギリスからやってきた転入生のさりかちゃんだった。自分と同じように、他者の関心と親切を抱えきれずにいる彼女と仲良くなった「僕」だったが、大人たち曰くこれが「初恋」というものらしく……。
コンビーフのサンドイッチ、ひとりぼっちのハロウィン、ひみつの約束、悲しいバレンタインデー。
降り積もった記憶をたどり、いまに続くかつての瞬間に手を伸ばす。
第36回三島由紀夫賞候補作、第45回野間文芸新人賞候補作となった『息』に続く、注目の若手による最新中編。

【著者略歴】
小池水音(こいけ・みずね)
1991年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2020年「わからないままで」で新潮新人賞を受賞。2022年発表の小説第三作「息」が第36回三島由紀夫賞候補となる。同作とデビュー作「わからないままで」を収録した初の単行本『息』が第45回野間文芸新人賞候補作となった。

感想・レビュー・書評

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  • <菊地貴子のすご腕書店員のつぶやき>幼い二人 かけがえのない日々:北海道新聞デジタル 会員限定記事 2025年2月16日
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1123464/?test=0003&source=title

    『あのころの僕は』刊行記念インタビュー 小池水音「「思い出す」ことは、自分自身を支える方法だと思う」 | 集英社 文芸ステーション 「青春と読書」2024年10月号
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/anokoro_boku/

    あのころの僕は | 集英社 文芸ステーション
    https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/anokoro_boku/

    あのころの僕は/小池 水音 | 集英社 ― SHUEISHA ―
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-771880-5

  • 「僕」は五歳の時、母を病気で亡くした。以来、2軒の祖父母の家、叔母さんの家を行き来して過ごす。
    ある時、通っていた幼稚園にイギリス帰りの「さりかちゃん」が転入してくる。
    両祖父母も叔母さんも、何不自由なくこの上なく僕を慈しみ、大事にしてくれる。
    そんな生活の中のにさりかちゃんが入ってきた。
    外国暮らしが長く、あまり周囲に溶け込めないさりかちゃんとの距離は徐々に縮まり生活の大半はさりかちゃんと過ごすようになる。
    5歳から6歳にかけての半年ほどの期間の出来事やその時の気持ちなどを大きくなった(高校生くらい)の僕が回想している。
    その時々、思っていたこと、考えてきたこと。
    優しく接してくれる大人たちに対する思い、妻を亡くしなかなか立ち直れない父に対する態度、少し大人びてしっかり者のさりかちゃんと過ごす楽しい時間とだんだんずれていく感覚。
    5歳や6歳にしたら決して大人が思う無邪気さもなく、5歳や6歳だから気持ちや思いは十分に言葉にできず、伝えることができないもどかしさ・・・
    そういうすべてのことを大きくなった僕は思い起こしている。
    それはどんな気持ちだろう。
    後悔ではないだろうし、肯定もしないし、当時に戻りたいわけだもないだろうし。
    まだまだ続いていく未来につながるものであって欲しい。

    あの頃の僕は若すぎて
    君の気まぐれが許せなっかた
    そんな君のやさしさは
    大人びていました
    (作詞・伊勢正三)

    こんな歌がずっと頭の中で流れていました

  • お母さんはなくなってしまったけど、たくさんの愛情で育てられた主人公。子どもの心情が繊細に描かれていて、文章に惹きつけられた。朝焼け前の青の描写も素晴らしい。あの場面は感動した。
    ゾウのおばあちゃんの娘に対する愛情も切なくなった。
    ラストはさりかちゃんに会えたのかな?どんな話をしたんだろう。

  • いまだに忘れられない言葉があって
    いまだに忘れられない視線がある
    この本を読んでいて、そんなことを思い出した

    胸なのか頭なのか分からないけど
    身体のどこかに眠る記憶
    忘れはしても
    大事でなくなったとは違うのだ

  •  冒頭から物語の世界を表して、面白そうだなと読み始めた。
     しかし、だんだんと語り手と主人公の二重の視点が、受け取り手の私には混乱が生じてしまい、さらにエピソードが弛れてきているように感じてしまった。
     ラストで、あぁそう言うことだったのか、と納得はした。
     私の好みに合わないだけで、この世界をちゃんと捉えることができる人は楽しめるかもしれない。

  • 幼くして母を亡くした天は、父だけでなく、えり叔母さん、ゾウのおばあちゃんそして父方の祖父母達の家で過ごす。幼いながらも自分の今の状況を観察する天。5歳の時イギリスから来た、さりかちゃんとゲームの世界に没頭するのだが。小池水音さんの作品、今回もとても良かった。



  • 書き出し数頁で鷲掴みにされ書き写しては読み返した。年長の園児の心の内がこんな風に描かれるのもゲームに打ち込む心の内を丁寧に綴られるのも新鮮だった。時間軸が少し延びて息継ぎが許される隙間が静かな尊い居場所に思える。ずっとこの本に留まっていたい。

  • 大人が思っている以上に、
    子どもはたくさんのことを感じている。
    言葉にできないだけなんだ。と、改めて気付かされた。

    凍って動けなくなった天の前で
    ゲームの主人公のように颯爽と手本を示してくれた、さりか。
    ゲームのなかで7年が過ぎるように、
    天とさりかの間にも時が流れたけれど、
    次はきっと天が、さりかの心を溶かすのだろうなと、温かい気持ちで読み終えました。

    言葉のキャッチボールの代わりに
    本物の(よりもさらに簡単な)キャッチボールで
    親子らしさを取り戻していくシーンが、とてもよかった。

    ゲームはあの有名な時のオカリナなんだろうと思うけど、プレイしていたらもっとこのストーリーに没入できたかなと思う。


  • 繊細な話。
    5歳の子どもらしい未整理な心の中を16歳となった天が振り返るだけなのだが、5歳の天の心の揺れや成長、周囲の大人たちへの距離感、踏みだすまでの逡巡などが見事に表現されていて、心を揺さぶられた。読みながら、父で、ゾウのおばあちゃんで、叔母さんで、様々な立場から天を見まもるような気持ちだった。そう、いつかきっといろんなことがわかる日がくるよね。
    さりかの大人びた子どもらしさに胸を打たれた。
    終わり方も良かった。

    他の作品も読もう。

  • 母を失った5歳の天(テン)。辛い悲しいといった感情もよくわからないまま、父、叔母、祖父母に囲まれて暮らしている彼が、転入生のさりかと出会う物語りでした。幼少の言語化が拙い時期の気持ちを描いた美しいストーリーと思いました。星3つです。

    #美文

  • 優しい文体。他の作品も読みたい

  • 作中に出てくるコンビーフのサンドイッチが美味しそうで作ってみた。さりかちゃんのお母さんの味には及ばないけど、けっこう美味しかった!

  • 子どもの頃、心の中で思っていた気持ちを言葉にしていて、子どもの自分に戻ったような懐かしい気持ちになった。

  • 目の前の出来事が全部だった子供の頃の気持ち。逃げようもなく、言葉にもできず、もどかしく、受け止めざるを得ない現実。さりかちゃんと天は笑って会話ができただろうか。

  • 河合隼雄物語賞受賞作品と聞いて、読みたくなった本。
    すごく純粋な気持ちになる。
    なんか色々感じてたんだろうけど、それを言語化する力がなかった幼い頃の自分を、懐かしく思い出すような感じがするお話だった。



  • ふむ

  • 自分が幼かった頃の気持ちを思い出す作品。

    大人もそうなのかもしれないが、子ども時代にどのような人と出会うかということは、その後の人生に大きく影響を与えるものだと思える。

    天くんもさりかちゃんも、そのときに出会って、濃密に過ごした時間は、貴重なものだったのだろう。

    ただ、私にはこの方の文章は少し苦しくなるな…

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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