本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784087718935
作品紹介・あらすじ
【21世紀生まれ初受賞/第48回すばる文学賞受賞作】
危険な小説だった。それでも、ここにある描写が好きだ。――田中慎弥氏(選評より)
新宿駅東口。退廃的で無秩序。
私はこの現実で、彼女のために何ができる――?
『王』と自称する男が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。
私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。
ここはつまらない奴らばっかりがいる場所だけど、七瀬だけは違う。
だから、彼女の隣にいても息苦しさは感じなかった。
薬で強制的に引きずり込まれた夢の中でも、七瀬は現れる。
もしかしたら私は、彼女とこの場所に、まだしがみついているのかもしれない。
これは、2007年生まれの若き著者が贈る、
終わってる世界で生きている「私たち」の物語。
【著者略歴】
樋口六華(ひぐち・りっか)
2007年生まれ。茨城県在住。
2024年「泡の子」で第48回すばる文学賞を受賞しデビュー。
感想・レビュー・書評
-
すばる文学賞、21世紀生まれ、初受賞
という帯の文字につられて。
著者は受賞当時、高校生だったらしい。
文章力は素晴らしいと感じた。
語彙の豊富さ、描写の細やかさや美しさ。
詩的要素を所々に感じた。
ただ、強引で人工的に感じる語尾が、それに合っていない感じもした。
内容は行き場所のない十代の、たどり着いた場所、トー横の終わりの始まりから。
ドラック&セックスを中心に、どこか既視感も。
過去のトー横の印象も覚え、主人公自身もその場所の普遍性と、終わりを感じているところが良かった。
この書きっぷりは女性なら凄いな、と思ったが、著者は男性だったと知り、己の無知を恥じるばかり。
しかし特に性的描写は、なるほどと得心した部分も。
次作はどんな物語を書くのか、楽しみな作家です。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
歌舞伎町トー横でたむろする10代の少女の声が、そのまま槍のように心を突き刺してくる。
生きづらいことをどう言ったらいいのか、わからなくて思いのままを吐き出しているようだ。
苦しいのか辛いのか限界なのか助けたいのか助けてほしいのか何処かへ逃げたいのかそのままトー横にいたいのか…
それが泡のように沸いてきた。
-
2008年生まれ、17歳ですばる文学賞受賞!
ドキュメンタリーのようなリアル感があった。
「蛇にピアス」を読んだ時の、衝撃がよみがえった。
家庭に恵まれず、環境に恵まれず、
どこにも居場所のない少年少女たち、
読んでいて、辛かった。
かといって、何もできない自分にも腹が立った。
少子化問題を解決するなら、
今生きている子たちを、もっともっとサポートしてほしい。
将来に希望が持てるように、自分を大切にできるように、寄り添ってほしい。
そして、弱みに付け込む汚い大人たちを近づけないでほしい。 -
読んでいてドキュメンタリーの様な感じが、
した
ニュースで見る世界があってそこにもう少し丁寧に文書で書かれている様な気がした
自分自身もう10年近くここにでてくる場所に
行ってないのでそれでイメージしにくいのかと思った
-
17歳ですばる文学文学賞をとった作品と聞いて読んでみたけど、自分が年をとりすぎたのか、感覚の違いからなのか、全く良さを見出せなかった。
トー横、オーバードーズ、パパ活と攻めた内容だけど、とっちらかっていて全然頭に文章が入ってこなかった… -
すばる文学賞受賞作ということで読んでみたけど難しくて脱落。昨年受賞の『みどりいせき』もそうだったので私にはあまり向いていないのかな…
-
第48回すばる文学賞受賞作であるが、むしろ「21世紀生まれ初受賞」の文言に惹かれた。作者は2007年生まれ、なんと17歳での受賞ということになる。
内容なんてろくに確認もせず図書館で借りたので、読み始めてまたぶっ飛んだ。歌舞伎町トー横にたむろする少女を主人公にした、セックスと暴力に満ちた刹那的な話だった。
文章力は相当高い。もちろん、若い著者だからという先入観もある。
冒頭、未成年淫行容疑で逮捕された“王”の逸話は、まんま同じことが数日前に報道されていてびっくり! -
こういう世界に踏みいったことがないので
とても恐ろしい話だと思った
なんでこんなに淡々と怒ってられるのか
末恐ろしい作者だと思う
ただ
これは今のこの人だから書けたんだろうな
おっさんおばさんになったら
きっと書けない
そしてわかってたことが
わからなくなって
わからなかったことがわかるようになって
そんな大人になった時のこの人の本を
また読んでみたいなと思わせる
そんな本だった
めちゃくちゃスゲェと思うけど
好みではないので
星は3つ
-
-
20251104読了。
ええ?読み終わった??なんだこれは???
はー何も考えたくない。そんなふうに思った作品。
話はひとつづきに読めるのに、作者は断片を繋ぎ合わせて書いたのだという。
OD、家出した行き場のない子たち、凌辱、薬物、ぐちゃぐちゃに生きてる。親友が孕んでも胎児は死ぬ。親友も死ぬ。美しくない私、ヒヒルは生きている。
作品には、面白いくらい「悲しみ」の感情描写がない。読んでいて思ったのは、戦争の只中で迫害に苦しみながら逃げ惑う子の姿が浮かぶということ。
伝わるのは、巧みさ。真実への探究心。練り上げられた思慮の根源は怒りだろうか。
あーつらい。つらいなあ。またすぐ読み返したくなる自分を突き放して、最後のページを閉じた。 -
やるせなさ って言うのかな
やる気なさ ではない。
ブラックホールを覗いている様な感じ -
前にも何だったかを読んで『限りなく透明に近いブルー』みたいだと思ったのだったが、それと同じ感じ。
-
トー横に生きるヒヒルはODをして援交もするが本番はしない。そんな彼女が七瀬と出逢い別れる物語りだったと思います。私個人としては感じるところがあまりなく読了、ある人々の心情をリアルに語ったものなのかなと感じました。
星3つです。 -
これがすばる文学賞受賞作なのか~、という感じ。
純文学っぽい描写や”わけわからなさ”もあったけど、いかんせんテーマが暗すぎてイマひとつで、斜め読みになってしまいました。 -
ちょっと期待しすぎたのかもしれません。
今時のトー横キッズの話を描いた作品ですが、話が色々飛んでいくので私には時系列が分かりにくかったです。ラストも少し分かりにくかったかな?読解力がなかっただけもしれませんが… -
いわゆるトー横界隈の女子が過去や酒、オーバードーズの向こうに見えているものとは。
死にたいわけではないが生きたいわけでもない、無秩序で退廃的な一端を垣間見た気がします。
常に夢うつつで、時折り現実と夢と空想の隙間から世界を見ているような、捉えどころのない物語でした。 -
トー横キッズやオーバードーズの世界が、美しく残酷でグロテスクな言葉で語られる。文学的でした。
読み終わったその日は気分が重くなります。 -
最近この手の話が多すぎて
またこの話?と思ってしまう -
2007年生まれ、すばる文学賞受賞時高校生の若い作者。行き場のない若い子のたむろするトー横を舞台とした小説。次の作品も読んでみたいと思う。
本棚登録 :
感想 :
