騎手マテオの最後の騎乗

  • 集英社 (1993年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (128ページ) / ISBN・EAN: 9784087731828

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本です。

    競馬にはもともとそんなに興味はないんですが(ゲームとしては競輪・競艇のほうが高度だと思う)、独文の書棚で気になったもので。モノクロの激しいタッチで描かれた、ジョッキーの姿がカッコいい表紙なのにー…どうしてデータがないのー?

    オーストリアが舞台の、タイトルどおりの騎手の短編物語です。騎手と雇い主のやりとりやディテールが、いかにもヨーロッパ競馬だ(情報が乏しいですが:笑)。雇い主の伯爵に愛称で呼ばれたことが、「もう飽きがきて別れようと思う女を、最も幸福だった時期につけた愛称で呼ぶようなもの」と形容されているのは強烈ー!「おまえを抱えてるって、道楽なんだよ」とかなんとかいうダイレクトな台詞よりも残酷な、甘美な残酷さが突き刺さる〜。

    「最後の騎乗」という題材と導入から、大筋はちょっと読めてしまうかな…と思わないでもありません。でも、「レースには必ず勝ちます」という騎手の台詞の源が、ただの自信ではないようでいささか不穏。それに、騎乗を許可する伯爵の、レース直前までの逡巡と葉巻をせわしなくくゆらす姿が、思い切りが悪くていいです(笑)。

    わずかな登場人物と2分少々のレースという、限られた状況が克明に描かれており、ドライで緊迫感もあって、しかも幸薄い空気が蔓延していて(笑)、実にヨーロッパっぽい作品だと思います。でも、なんだかハマらなかったなぁ…解説は面白く読めたのに。やっぱり、馬に興味が薄いからかしら?ディック・フランシスのシリーズや『シービスケット』がお好きなかたは、ちょっと違う楽しみかたができると思いますが…ごめんなさい。

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