パワナ くじらの失楽園

  • 集英社 (1995年5月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784087732191

作品紹介・あらすじ

「母鯨が子を産み、老鯨が死ぬために帰る」という伝説の楽園を発見した少年水夫。だがその日を境に、そこは鯨たちの殺戮の場となっていく。美しく壮大な海を背景に描く鯨と人間の哀しい物語。

感想・レビュー・書評

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  • パワナ
    くじらの失楽園

    メキシコ湾に面したとある潟湖にくじらの楽園があったという。
    前半の主人公は、アメリカインディアンの血が入った捕鯨船の乗員ジョン。熱気にあふれたアメリカ開拓時代。西海岸のゴールドラッシュと同様に、捕鯨で一山当てようと集まってくる人々。
    そして、乱獲によって寂れてしまった捕鯨基地のうらぶれた様子。短い期間を隔てた捕鯨基地の今昔が語られます。ジョンはくじらの楽園が見たかっただけで、壊したかったわけではありませんでした。
    後半の主人公はスカモン船長。一山当てようと伝説のくじらの楽園探しに乗り出します。運良く見つけたくじらの楽園でのくじらの殺戮、熱狂、一攫千金。スカモン船長はそんな中で、ジョンの冷ややかなまなざしに気づきます。そして、晩年には後悔と自己正当化の狭間で思い悩むことになります。
    現代では、こういった自然や動物からの搾取は非常に洗練された形で私たちの目から隠されていますが、未だに続いています。持続可能な社会の実現!でも、欲望という壊れた心を持ってしまった人は、持続可能な社会など作れるわけがありません。行き着くところまで行くしかない。先進国(この言葉も大嫌いですが)で環境保護に熱心な人には、「一番の環境保護は環境負荷がものすごく高いあなたが死ぬことです」と教えてあげたい竹蔵でした。
    本編はなかなか味わい深い短編ですが、これを一冊の本にしようとしたためか訳者の余計な解説が延々と続くのにはうんざりでした。残念。

    竹蔵

  • 2012/12/16購入

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著者プロフィール

1930年生れ。東大仏文卒。東大名誉教授。日本フランス語フランス文学会名誉会員。著書に『ステファヌ・マラルメ』(読売文学賞)、『永井荷風巡歴』(やまなし文学賞)、『変容する文学のなかで』(全3巻)など。訳書にクロード・シモン『ファルサロスの戦い』、ミラン・クンデラ『不滅』、ル・クレジオ『アフリカのひと』など多数。

「2020年 『遠藤周作 神に問いかけつづける旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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