フィオナの海

  • 集英社 (1996年6月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784087732511

作品紹介・あらすじ

“あざらしに連れ去られ"、海に消えた弟ジェイミーを捜し求める健気な少女フィオナの物語。ケルト伝説の遠いこだま、あざらしたちとの交流、家族愛…。映画化された、万人の胸をうつ感動の書。

感想・レビュー・書評

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  • スコットランド・セルキー伝説。少女は(揺籠ごと)海に消えた弟を探し求める。弟はセルキーの血筋,ロンモル島の子供,海から離れられない運命。フィオナや弟を導くアザラシ族長に感謝。心に響く一冊。

  • 好きな本を再読
    スコットランドの民間伝承セルキーとの異類婚を元にしたおはなし。
    この話はよくある、やむを得ずでもなく、元の世界へ戻るでもない。人に混じったセルキー(アザラシ族)の血はマッコンヴィル家に代々受け継がれ守られていくのだ。そして、アザラシからも見守られ続けている。
    スコットランドの北西部の多島海、霧、岩礁、ヒースの丘、草葺き屋根、暖炉の流木の炎、海藻スープ…わびしいけれど美しい世界に浸れます。
    ゆりかごに乗った弟ジェイミーが海を漂っていく。けれど一人じゃない。アザラシやカモメたちが取り囲んで見守っているのだ。
    ものがたり世界の醍醐味を堪能できます。

    弟は生きていると信じて探すフィオナが愛しく、おじいさん、おばあさん、従兄弟のローリー、アザラシたちもすべてがいい。

    映画『フィオナの海』も映像と音楽も素晴らしく、また違った良さがあります。

  • 原題は、Child of the Western Isles だけれど、『フィオナの海』というタイトルは魅力的。ケルトというと私の脳裡にまず「波」「海」が浮かぶ理由のひとつがこれ。ケルトの妖精たちには、このセルキー族(あざらしの妖精)のように、人間ととても親しいものも多い。動物、植物、そしてあらゆる自然に「人間を超えたもの」を観る感性は、むしろ八百万の神を認める私たちに近いのではないか、と時々考える。ケルト音楽の音階は、日本に伝わる「四七抜き」の5音階ド・レ・ミ・ソ・ラと同じだし(「アメージング・グレイス」しかり「蛍の光」しかり)。『フィオナの海』は、一人の健気な少女の物語。映画を観たのが先だったので、以来、「フィオナ」という名と(『かなしき女王』の著者の名は筆名らしいけれど)、主人公の彼女の、あの金色の細い髪と青い瞳が、私の中では「ケルトの女性」のイメージになっちゃってます。イラストも文字色も同じブルーグリーンの、とてもきれいな本。

  • じんわりと染みいるような幸福感のある物語でした。あざらしと人間が織りなすケルトのセルキー伝説を下敷きに、古い島での生活と幼子を失った少女の家族が、夢幻の境をあざらしと共に超えて、それらを取り戻す小さくも奇跡のような物語です。この小説には映画から入ったのですが、映画を観た時にはビックリしました!海で行方不明になった少年ジェイミー(まだ赤ちゃんのよう)が丘を駆け下るのの速いこと速いこと(笑)漁師たちの描写がしっかりしているだけに、小さな木のゆりかごに揺られてジェイミーが戻ってくるファンタジーなラストは不思議な驚きでした。主人公のフィオナの空想だとばかり思っていたのに・・・。でもその嘘のような本当?のラストは小説でも一緒でした。フィオナを手放して祖父母の元に送るのに何も躊躇しない都会の家族、都会で体を壊したフィオナと、あたたかく伝統的な島暮らしを送るおじいさんおばあさん、従兄弟のローリーの対比が、現代小説らしくありながら、かつて離れなくてはならなかったロン・モル島での生活の再生と、愛嬌たっぷりなあざらしの優しい目線がどんどん物語を「ケルトのトワイライト」の向こうへフィオナと読者を連れて行ってくれます。小さな島の描写とあざらしの姿がとても美しくて良かったです。短いけれど、幸せな気持ちにさせてくれる小説でした。また海色で印字された文字もいい!海繋がりでは、最近では鳩山郁子「ダゲレオタイピスト」収録「The widow of Fisherman can't stop Knitting」を読んだのが思い出されるけれど、(こっちは人間が海の夢幻を超えるにしてもその先は死だっだ)次はトーベ・ヤンソン「島暮らしの記録」が読みたいです。まあそれはムーミンシリーズを読み終わってからにします・・・。

  • あざらしの挿絵も魅力的。

  • ケルトの伝説をもとにした美しい物語です。出会えてよかった。もう一度ゆっくり読みたいです。

  • 大学時代にに読んだ本。

    伝承児童文学の授業で映画も見た。

  • カナダ生まれ、イギリス女性による物語。
    字が大きく、挿絵つきなので小学校高学年くらいから読める。
    挿絵が、イラストレーターで絵本も書いているという
    著者本人のものでないのが残念。

    お話は、、こういう不思議な…精霊の伝説的な物語の魅力をたたえ、自然を賛歌し、好きだ。
    語り継がれる物語の普遍さを感じるようなお話。
    ケルト伝説が下敷きだそう。

    読書感想画、コンクールなどに良いかも。
    イメージでつづる感じで、
    全編美しいし。
    そういうお話。

  • ・再読・


    スコットランドの西の群島でおきた、不思議なできごと。

    全島民がほかに移ってしまった
    無人のロン・モル島に、ときどき、灯りがみえるという。

    療養のため、故郷のロン・モル島近くの島の
    おばあちゃんの家にやってきたフィオナは、
    引っ越しのときに、波とアザラシと一緒に消えてしまった
    赤ちゃんの弟の影を追って・・・・


    伝説を織り込んだ、ふうわりと清らかなものがたり。

    紡がれるイメージがとてもきれい。

    行間、余白、文字の色も、ものがたりによくあう
    おだやかさで、ときどき、ふと読み返したくなります。

  • 自分の好きな、イメージの中の海もこんな感じで、
    それに小説で出会えたのが嬉しかったです。

  • これはとてもだいすきな映画の原作の本。アザラシと鉛色の海、白い貝殻、風にゆらめくおんなのこのリボン。そんなすてきなものがつまって、切ないストーリーをひきたててくれてました。

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著者プロフィール

東京生まれ。東京大学文学部美学美術史学科中退。著書に『架空の庭』『わたしのメルヘン散歩』、翻訳書に『おばけリンゴ』(福音館書店)、『キスなんて大きらい』(文化出版局)、「ババール」のシリーズ(評論社)ほか多数。

「2018年 『タイコたたきの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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