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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087733402
感想・レビュー・書評
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ほろ苦く、でも、どこか晴れ晴れとした印象。人がいかに自分を、他者を、人生を、物事を知らないことか。または知ろうとしないことか。それでも手探りで進んでいくしかないのだ。亡命という特殊な状況を描きながら、人のありようを浮き彫りにしてすばらしかった。軽やかさも健在。
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亡命者の孤独。
たとえ国の体制が変わっても、亡命は終わらないのかもしれない。 -
男女関係の不条理と歴史の不条理を、哲学的に、文学的に綴ったクンデラお馴染みの手法。亡命という「物語」はつねに、故国から離れることの悲劇性と帰還の美しさを語ってきたわけだが、いざ亡命者が故郷に帰ればそこに彼らの居場所などありはしない。そうしたエピソードから炙りだされるのは、記憶はあまりにも小さく、経験や知識は常に何の役にも立たない、という人間の本質的な状況である。それが悲しくも愛すべき人間の「無知」というわけだ。
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この人の描く人物像はどうしてこんなにリアルなんだろう。自殺未遂した女性の生き様は痛いくらいだった。
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クンデラの最新小説にして、クラシックス
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