- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087733761
作品紹介・あらすじ
彼は、1932年1月、私の人生にはいってきて、それからは一度も立ち去ることはなかった。あのときから四半世紀あまりが過ぎた。そのひとのためには喜んで生命さえも投げだしていいと思う少年の日の友情。第二次大戦前の暗い雰囲気を背景に、貴族の美少年とユダヤ人医師の息子の友情と別れと悲劇的な「再会」を描く必読の青春の書。
感想・レビュー・書評
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なぜかこの訳書では全く触れていなかったが1989年公開の映画「リユニオン~再会」の原作。
(リユニオンは再会とかクラス会の意味で、まさに”衝撃の”リユニオンであるのだ・・・)
映画では冒頭が墓参場面であるが、本は最後の一行が圧巻。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1932年ドイツの冬の日、ユダヤ人とドイツ貴族の少年たちは出会い…の表紙見返しのあらすじ冒頭でもう結末は予想ができるので、どんな風に出会ってやり取りをして別れるのか、の経過を見守る心持ちで読んだ。
それほど重要ではなかった自分の中にある「国」という要素が突如重い意味を持ち始め、大人も子供も周囲がすべて掌を返していく中、聖域とは成り得なかった二人の関係は、形を変えて時代を経ても有り得る。大切だったものが壊れた後には、そうでなかったものより視界に入れたくなくなる。けれど、心に打たれた楔は何十年も抜けず、捨てることもできた筈のものにいつか向き合わざるを得ない。
終わり方が簡潔だからこそ、そのラストに至るまでの部分に何があったかを読者に委ねる広がりがある作りだなあと思いました。 -
美しい少年達の友情と、そこに影を伸ばす人種、宗教、そして戦争。
なんともその年代しか築けない関係ってある。そして、もう会わなくても一生忘れないそれ。別れたからこそかもしれない。 -
ヒトラーが登場した頃、学校で出会った金髪貴族の少年とユダヤ人の少年。古典的で何となーく展開が見える小品なのだけど、ラストの一文がここまでインパクトが強く、多くを語っている小説も珍しい。うっかり病院の待合室で読んでいて、思わず本で涙を隠す羽目に……。
序文を書いてるのは、あの"Darkness at Noon"のArthur Koestler。 -
時がそうさせた
悲しいけど
幸せな一時があった -
お涙頂戴的なおセンチな本と言われようが、これを読んで涙したことは事実。もう一度読み返したいが、どこの段ボール箱に入っているか不明。
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忍び来る戦争の足音の中で芽生える民族を越えた友情。
短めで残酷なシーンの無い戦争物語なので読書感想文やその手のレポートにもオススメ。
どうか友情があまりにも遠くなる前に読んで下さい。