星の王子さま (翻訳単行本)

  • 集英社
4.09
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本棚登録 : 503
レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734348

感想・レビュー・書評

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  • 皮肉的かつ諦観的なようで、どことなく慈愛も感じさせる文体で人間のいろいろな本質を突いている点が、ロングセラーの理由でしょうか。

    なんとなく物事は表裏一体ということを噛み締めさせるから。

    星々を渡り歩いて、自身の思い込みに人生を縛られている孤独な人々と出会いながら「大人というのは変だな」と何度も考える王子さまは無垢な子供の象徴のように見えて、その実、「恋人」とのこじれた関係から逃れたくて自分の星を旅立った事実を考えれば、実は登場人物の中で一番俗でひどい男かもしれないし。

    と、王子さまを貶す私の心は穢れてますね。

    今回、最も古い内藤濯さん訳の1953年版ではなく、2005年出版の池澤夏樹さん訳の新版を手にしましたが、「タイトルについての付記」がとても素敵でしたので、少し長いですが、そのまま引用しておきます。(フランス語の原題は「le petit prince」)

    「タイトルについての付記」
    ぼくの訳でも内藤濯氏が作った『星の王子さま』というタイトルをそのまま使うことになった。この邦題は優れている。実際の話、これ以外の題は考えられない。
    これには日本語の語幹にかかわる理由がある。
    原題を直訳すれば、『小さな王子さま』ということになるだろうけど、元のpetitに込められた親愛の感じはそのままでは伝わらない。タイトルなのだからもう1つ、主人公を特定する形容が欲しい。
    そして、こういう時に日本では古来、その人が住むところの名を冠した。「桐壺の更衣」も「清水の次郎長」もこのゆかしい原理から生まれた呼び名であり、「星の王子さま」もこの原理に沿った命名だからこそ、定訳となったのだ。

    池澤さんのように、他国と自国の文化の違いを巧みに感じ取りながら先人の仕事に敬意を示すことができるってとても素敵だなーと思いました。
    私も、双方の文化を尊重しつつ、色々な言葉や作品を日本人が日本語で感覚を掴めるように翻訳してくれた先人たちに感謝したいなー、と思わされました。

    • だいさん
      >人間のいろいろな本質を突いている
      でも他人からは、その本質がわからない
      っていう話じゃないの
      >人間のいろいろな本質を突いている
      でも他人からは、その本質がわからない
      っていう話じゃないの
      2016/06/26
  • 久しぶりに読んだ星の王子さまは変わらず優しく、そうして新鮮な感情を与えてくれる彼でした。
    巻末の訳者として、で池澤氏も仰っている事だが、このお話は詩的だ。
    繰り返し繰り返すことで、読み手が手元にあるその『星の王子さま』という本を「飼い慣らす」ことをして初めて深く染入ってくるようなおはなしなのだと思うのだ。
    たくさんや便利ということは悪いことじゃないけど、
    「飼い慣らす」ことでこそ愛着は湧くという特別を忘れたくない。
    それらは少しの不便と手間と時間、
    そういうものたちに依ってもたらされるんじゃないだろうか。
    情報化社会って言うけど、スマートが良しとされるけど、
    ちょっと不格好なものへの親しみの感情を忘れないように。
    素敵だと思える意味を考えることを忘れたおとなにならないように。
    ゆっくり小さな王子さまの言葉に耳を傾ける時間を今一度、と思う。

  • 絆をつくる。

  • 幾つか「そうだな」「忘れちゃいけないな」と思わされることがあり、そして幾つか「いや、それは失礼じゃない?」と思うことががあり。このしつこくて、自分の質問は答えが出るまで問い続けるけれど、人の質問にはあまり答えない王子さまと私はきっと気が合わないんだろうと思います。

  • 長年知っていたけど読まなかった作品。でも読んでよかったと思う。
    なんだか言葉では言い尽くせないが、優しさと切なさがあふれてる作品。とても暖かい。
    あと、実はとても深い作品なんだと感じた。児童文学、なめちゃいけない。

  • 不思議な魅力があって、何度も読んでしまう。小さい頃は持っていたはずの気持ち、忘れたときにこの本を開く。彼の純粋な目線が、大人たちに鋭い疑問を問いかける。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何度も読んでしまう」
      岩波少年文庫の内藤濯訳で何度も読みました。新訳では、やっぱり池澤夏樹訳かなぁ。倉橋由美子訳も気になってます!
      「何度も読んでしまう」
      岩波少年文庫の内藤濯訳で何度も読みました。新訳では、やっぱり池澤夏樹訳かなぁ。倉橋由美子訳も気になってます!
      2012/05/17
    • ユウさん
      >nyancomaruさん
      コメントありがとうございます! 
      個人的には池澤夏樹役が好きです!^^
      自分にとっては不思議な魅力がある本で、ふ...
      >nyancomaruさん
      コメントありがとうございます! 
      個人的には池澤夏樹役が好きです!^^
      自分にとっては不思議な魅力がある本で、ふと読みたくなるときがあります^^
      2012/10/26
  • 「星の王子さま」を、大切な誰かに贈るなら
    この装丁がおすすめです。
    黄金の帯に蒼が映えた綺麗な装丁。
    本棚に入れておきたい一冊です。

  • 大切でいとおしい本

  • 4.3

  • ≪quotation≫

    「きみたちはきれいさ。でも空っぽだよ。」と彼は続けた。
    「誰もきみたちのためには死ねない。もちろん、通りすがりの人はぼくのあのバラを見て、きみたちと同じだと考えるだろう。でも、あれはきみたちをぜんぶ合わせたよりもっと大事だ。
    なぜって、ぼくが水をやったのは他ならぬあの花だから。ぼくがガラスの鉢をかぶせてやったのはあの花だから。ついたてを立ててやったのはあの花だから。毛虫を退治してやったのはあの花だから。愚痴を言ったり、自慢したり、黙っちゃったりするのを聞いてやったのは、、あの花だから。
    なぜって、あれがぼくの花だから。」

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