アウシュヴィッツの図書係

制作 : 小原 京子 
  • 集英社
4.24
  • (102)
  • (82)
  • (37)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 1135
レビュー : 131
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087734874

作品紹介・あらすじ

1944年、アウシュヴィッツ強制収容所に作られた秘密の図書館。本の所持が禁じられているなか、図書係をつとめる十四歳のユダヤ人少女ディタは、命がけで本を隠し持つ。実話に基づいた感涙必至の大作!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 図書館は今や薬箱。シロップをちょっぴり子供たちの口に入れてやろう。

    1944年、アウシュヴィッツ強制収容所内には、国際監視団の視察をごまかすためにつくられた学校が存在し、そこに秘密の“図書館"があった。命がけで本を愛し、本を守った、図書係少女ディタの実話に基づく物語。

    今まで映画や本で見てきたものの中で1番凄まじいアウシュビッツだった。
    繰り返される命の選別に何度目を閉じただろう。どれだけの命が簡単に残酷に奪われたのか。
    読むのが辛い毎日だった。

    彼女たちの罪はただ、ユダヤ人だということ。どうしてそれが罪になるのだろう。
    本を持っているだけで処刑。どうして本は危険なものとされるのだろう。
    戦争は戦場だけで行われていたのではない、もっとひどい戦争がアウシュビッツでは行われていたのだ。

    「ここには紙の本が八冊と『生きた本』が六冊あります」
    「生きた本」子供たちのグループを順番に回り、ほとんど暗記している物語を話して聞かせること。

    私も「生きた本」になって物語を話せたら。その為にもこれからもたくさんの本を読んでいこう。そして、拙いながらも感想を残していこう。

    ディタの母親の気持ちがよくわかり泣けてくる。娘の幸せだけを願う。こんな時こんな所だからこそ強く願う。

    平和、自由の大切さ、命の重み、そして、本の持つ力と素晴らしさ。「本を開けば世界のどんな所にだって行ける」事をディダに思い出させてもらった。

    著者のあとがきがまた凄い。物語の続きのようである。その後の人々やディタの知りたかった真実もあり。

    • けいたんさん
      うさちゃん♪

      こんにちは(^-^)/

      これはきつかったね。
      どんなに頑張っても頑張ってもって感じ。
      とてもリアルでね、私何...
      うさちゃん♪

      こんにちは(^-^)/

      これはきつかったね。
      どんなに頑張っても頑張ってもって感じ。
      とてもリアルでね、私何にもわかってなかった。
      こんな私が読んだからって何ができるのだろうって落ち込んだよ。

      そんな中「生きた本」って言葉に救われた気がする。
      本当にいい言葉だよね。
      いつかパワーがある時に読んでね〜

      映画は親に愛されない子供たちの話で。
      でも、ホームは園長をはじめとても暖かくて、愛してくれるのは親じゃなくてもいいんじゃないか、素敵な居場所があればいいんじゃないかって思ったよ。
      あのお人形が映画にとてもあっていたよ。

      うさちゃん、読むのが速いから感想がたまるよね。
      私も本と映画の感想で時々わちゃわちゃしてしまうよ(笑)
      wowowでも結構映画見てるのでね。
      「AX」の感想楽しみ〜♪

      それでは、またねー
      2018/04/08
    • ひとしさん
      けいたんさんこんにちは!
      けいたんさんのレビューを読んでこの本を読みたいと思い、昨日やっと読み終えました。長かった(^^ゞ
      楽しい内容で...
      けいたんさんこんにちは!
      けいたんさんのレビューを読んでこの本を読みたいと思い、昨日やっと読み終えました。長かった(^^ゞ
      楽しい内容ではないので、読むのが辛く、時間がかかってしまいました。
      普段あとがきは読まないのですが、けいたんさんのレビューを読んであとがきを読むとびっくり!絶対あとがきを読まないと損してしまいますね!
      2018/05/09
    • けいたんさん
      ひとしさん♪

      コメントありがとうございます(^-^)/
      私のレビューからというのが嬉しくてたまりません。ありがとうございます♪
      ...
      ひとしさん♪

      コメントありがとうございます(^-^)/
      私のレビューからというのが嬉しくてたまりません。ありがとうございます♪
      長く辛かったですよね。わかります。
      こんなことが本当に起こっていたのですね。
      あとがきびっくりですよね!色々考えてしまって苦しかったです。
      いつもはあとがき読まないのですね。それはお役に立ててよかったです!
      また良き本で出会えるのを楽しみにしています (^o^)
      2018/05/10
  •  独裁者は、本を取り上げる。
    考える力は、どんな武器よりも怖いから。
     本を守るということは、考える自由を守るということ。
     ディタは14才でそれをやり遂げる。
     私がいるのは、戦時なんかじゃない日本。でも考えたくないことから目を背けてる。今まで何度も本に力をもらってきたけど、この本は、ほんとに強く、背中を押してくれます。

    • けいたんさん
      はじめまして(*^^*)♪

      突然すみません。この本購入しているのですが、本の厚さ、字の小ささから本棚からなかなか出てこられません。この...
      はじめまして(*^^*)♪

      突然すみません。この本購入しているのですが、本の厚さ、字の小ささから本棚からなかなか出てこられません。この本は読むのにパワーがいるでしょうか?

      nohohonさん感想からは本へ対する愛情が感じられてとても素敵です。
      2018/03/17
    • nohohon08739さん
      はじめまして。本が本当に好きなので、とても嬉しいコメントです。ありがとうございます。

      背景が重いので、読み始めるのにはパワーが必要かと...
      はじめまして。本が本当に好きなので、とても嬉しいコメントです。ありがとうございます。

      背景が重いので、読み始めるのにはパワーが必要かと思います。ただ、読み始めてからは、自転車の変速機の一番重いギアでこぐのと同じように、加速しはじめたら巻き込まれるように最後まで行ってしまいます。読んで後悔しない本だと思います。
      2018/03/17
    • けいたんさん
      早速の返信ありがとうございます。

      背景重いですよね…アウシュビッツの話は映画「ライフイズビューティフル」を見てから少しずつ追っているテ...
      早速の返信ありがとうございます。

      背景重いですよね…アウシュビッツの話は映画「ライフイズビューティフル」を見てから少しずつ追っているテーマなので頑張ります。

      今日から読んでみようと思います。
      しばらくは重いギアですが、最後はすごいスピードで走り切れるように、楽しんで読みます♪

      本当にありがとうございました。フォローさせてください。
      2018/03/18
  • いつも評価の星を付けるけれどこれはちょっと付けるのに躊躇してしまう。
    所々に年月日が書かれていてその都度「早く45年になってくれ」と思いながら読んでいた。
    読んでる私から見たら戦争は45年で終わる。という事を初めから知ってるからこういう読み方になってるのだけど、当時の人からしたら終わりなんてみえない、いつ終わるか判らない状況の中あの想像を絶する環境に身を置かされていた。「1秒でも長く生きる」その事がどれだけ難しい事か。
    その中で主人公の少女は8冊の本を守り抜いた。
    たかが本、されど本。
    生きる希望・精神的な支柱になっていた本。
    ディタのヒーローであるフレディ・ヒルシュ。
    あんな別れが待ってるなんて。
    ディタとマルギットの友情。
    解放された時2人が交わした「またね」の言葉が本当の意味で使えた事がとても嬉しかった。
    戦争は根こそぎ奪って行くものでしかないね。
    得るものなんて何もない。

  • 真っ暗闇のひどく辛い状況の中でも、本を開きその世界に入り込むと灯りが灯った。
    彼女の小さな図書館はマッチ箱だ。

    ユダヤ人が大勢収容されているアウシュヴィッツ強制収容所。
    過酷な監視下にあったにもかかわらず秘密の小さな図書館が存在した。
    そこにあったのは8冊の本。
    たった8冊?…いや、そんなひとくくりの数字では簡単に言い表せない。
    常に死と隣り合わせの状況の中、その一冊一冊が命懸けで守られてきたのだ!
    本の管理を任された図書係の少女ディタにとってこの貴重な本達は、恩師であり友であり宝物であり夢であった。
    最悪の状況下でも夢も気力も、ほんの少しのユーモアをも忘れない。
    本という小さな希望を胸に秘め、生き抜く!

    本は病気を治す薬でもなければ空腹を満たす食べ物でもなく喉の渇きを癒す水でもない。
    生きていくために必要とされるものではないかもしれないけれど、本は人を豊かな気持ちにさせてくれるものだということを改めて教えて貰った。
    思わず目を背けたくなる描写に何度も挫けそうになったけれど、この本を最後まで読めて良かった。
    そしてモデルになられた女性が今もご健在で88歳!それが何より嬉しい!

  • ブクログ通信で紹介されていて手に取りました
    実話を元にしたフィクション
    アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に
    1943年9月と12月に到着した囚人たちが、家族収容所(31号棟)に特別収容されていた。そこには若き指導者アルフレート・ヒルシュが建てた学校があり、本を所持することも危険だった収容所で、たった8冊だけの秘密の図書館があり、その図書係をしていた14歳の少女ティダを中心に、地獄の収容所のお話しが展開される
    アウシュヴィッツはあまりにも有名な惨劇の場で
    有名な『アンネの日記』からテレビの特集などでも年を追うごとに新しく詳しい惨劇の話を見聞きすることもあったが
    “絶滅収容所”ということばをこちらの本ではじめて聞いて、改めて恐ろしさを感じてしまいました
    戦争を知らない世代で、日本という国で育ったので
    人種間で対立(至上主義で絶滅させようとするとか理解できない)や宗教観など想像できにくく、
    なぜここまでしないといけないのか、到底理解できるものではない
    日常(?)通常では絶対に悪だと思われることでも
    悪を正義だと思って、そうしなければならない状況になると
    人はどんなことでもするという恐ろしいこと。
    ここまで酷い環境を同じ人間に対してつくれる人間という生き物・・・本当に恐ろしい生き物

    模範囚でレジスタンスの囚人たちが集まって情報交換をする場面で、ガス室の担当をしている子が
    「神様、どうかお許しください・・・」と何回もいいながら、ガス室での様子や自分の行っていることを報告する場面
    9月到着組の6ヶ月後の特別処理
    ディタの「真実が戦争の第一の犠牲者かもしれない」ということば
    ディタが最後に送られたベルゲン・ベルゼン強制収容所では、『アンネの日記』のアンネと姉の最後の日の記載もあり
    1945年の終戦の知らせがされた時の、想像を絶する収容所の悲惨な状況
    最後に、著者あとがきで、著者が執筆した経緯の中で、モデルとなったディタ・クラウスと出会い、アルフレート・ヒルシュのモデルになったフレデイ・ヒルシュの最後の真実
    ヒルシュは汚名をきせられていたということ
    が特に印象深かった
    『アンネの日記』に続くアウシュヴィッツの出来事と本の存在意義を伝える良書だと思いました

  • 何気なく書名にひかれ手に取ったのだが、読みだしたらやめられなくなった。生まれた国、時代、少しの選択で運命はなんと過酷なんだろう。エピローグ以降に少しの救いがやっては来るのだが。著者あとがきによると、この物語は事実に基づいて組み立てられ、フィクションで肉付けとあり、あの人たちはそれからどうなったのだろう・・・で ああ彼らは実在する(した)人々なのだと、あの場所にいたのだと思い知らされる。この退屈な日常のありがたさを少しだけかみしめた。

  • 読み応えがある1冊だった。
    私の場合まず登場人物の名前がなかなか覚えきれないことが多いが、そんなことも(あまり)なく、最初から翻訳されていることを忘れるくらい自然な文章でサクサク読めた。

    読み進めるのが辛くなる描写も多いが、そんな中でも恋愛や友情が生まれることに少しホッとする。
    収容所に送られた人々がどのように生きようとしていたかがひしひしと伝わってくる。
    主人公が本を何度も何度も限られた材料で丁寧に修繕する場面には胸が痛んだ。

    最後にアンネ・フランクの名前が出てきてハッとした。
    完全なノンフィクションではないが、やはり悲惨な歴史的事実に基づいて書かれている。

  • 初めの数ページを読んだだけで、名作だと思える本に出会うことがある。
    その一冊が本書だ。

    本書は、「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に送られた少女(中略)の実話をもとに書かれた小説」(訳者あとがきより)だという。
    今は、「遠い過去」のあの時の物語.......。
    その事実に衝撃を受けた。
    アウシュヴィッツといえば『アンネの日記』がすぐに思い出されるが、本書は、それに匹敵する。

    たった8冊の図書館。
    それから生きている「本」である先生たち。
    それを守るため、主人公ディタは知恵を働かせ、勇気を持って駆け回る。
    しかしそのよき日は決して永遠に続くわけではない。
    心ある大人たちが守ってきた日々は、悪意を持って終わりを迎えさせられる。
    人々は、焼却炉で、焼かれた。

    ディタはその悲劇からは逃れた。
    不合格になり、焼却炉送りのはずの母とともに。
    助かった?いや、移送先はさらにひどい場所だった。
    恐ろしい看守は元は美容師だった。
    ディタは、もし戦争が起きなかったら、と想像する。
    恐ろしい看守に「人」を見ていた。

    恐怖の日々を終えたディタは、後世のために体験を伝えることにした。
    アウシュヴィッツの、図書係として。

    世界を見れば、残虐行為は今も続いている。
    日本人だって、かつては人を殺した。
    それを否定はできないし、目を背けるべきではない。
    戦争とは、人を変えてしまうもの。
    なぜ起きたのか、起こさないためにはなにをすべきか。
    それを考えることなく、誰かに責任を押し付け、蔑み、自分と切り離そうとするならば何度でも同じ間違いを犯すだろう。

    ドイツ人はきっとこれからも、過去の罪と向き合わざるを得ない。
    それは、現代に生きている人々にとっては辛いことだろう。
    時には、いつまで過去の亡霊に縛られなければならないのだ、と反感の気持ちも持つだろう。
    私たちは、断罪すべきではない。
    私たちがすべきことは、過去を学び、過去を知り、未来の礎を積むことなのだ。

  • 面白いとか面白くないとかじゃない。圧倒的な史実の前にただ言葉を失う。
    アウシュヴィッツの悲劇は知ってるつもりではいたが、収容所にもいろいろあり、次から次へと移送され、戦況が収束するにつれてユダヤの囚人たちの状況は過酷になる。
    大戦中の戦災は各国によって様々だと思うが、ナチス統制下のユダヤ人の被害ほど人間性を破壊されるものはないと思う。
    徐々に正常な判断力を失い、それは逆に幸せを感じる感度、いや「まだましだ」と感じるレベルを下げてゆく…。
    チェコ系ユダヤ人の少女ディタの使命は、家族収容所内の学校に設けられた「図書館」の蔵書8冊をナチス親衛隊の魔の手から守り抜くこと。どんな劣悪な状況下にあっても、本を通じて得る知識、想像力は奪われない。
    彼女のもう一つの希望は、収容所内のユダヤ人リーダー、ヒルシュ。彼女の心の中の英雄であり続けたヒルシュは移送を前に謎の死を遂げる。だが餓死寸前の最後まで、ディタは彼の無実を疑わない。
    こんな状況の中では、それでも信じる心を失わないこと、そしてただ生き抜くこと自体が唯一の勝利なのだ。
    だがこの狂気の時代では、ナチ側の人間でさえ戦争に翻弄される被害者なのだと思った。
    この史実を知るためだけでも多くの人に読んで頂きたい一冊。
    2018/01

  • 実話を基にしたフィクション。
    アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所に実際にあった「学校」の図書係が主人公。
    人はなぜ本を読むのか。現代人にも戦時中の人にも質問したい。現実から目を背けるためなのか、何かを学ぶためなのか。
    私はこの本を読むまで、「アウシュヴィッツ」という名前しか意識していなかった。他にも強制収容所があることとか、強制収容所=死ではないとか、ビルケナウという名前とか、それらがポーランドにあることとか、アウシュヴィッツ=ビルケナウで起きていた事が、現代人の誰もが知っているのに当時はほとんど誰も知らなかったということ。
    無知というのは恐ろしい。それは誰かを傷つけるし、恥だと思う。知ろうとすればどんな情報でも手に入る現代で、知らないということは知ろうとしないということ。
    ゲームをしている暇があるなら学ぶべきだ。
    無駄な労力を割いている時間や体力等あるのだろうか。
    遥に恵まれた環境にいるのに、それに満足できないのは強欲なのだろうか。
    資料室で借りた本で、単価も高いが、ぜひ手元においておきたい。
    この本を読んで色々調べてみたが、偽名を使うという初等手段で最重要人物であると認識されていない戦犯が多かったことに驚く。ディタなど生存者の情報を元に似顔絵をつくれば、少しは違ったのではないだろうか。

全131件中 1 - 10件を表示

アウシュヴィッツの図書係のその他の作品

アウシュヴィッツの図書係 (集英社文芸単行本) Kindle版 アウシュヴィッツの図書係 (集英社文芸単行本) アントニオ・G・イトゥルベ

アウシュヴィッツの図書係を本棚に登録しているひと

ツイートする