- 集英社 (2020年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784087735086
作品紹介・あらすじ
「大丈夫じゃなくても、大丈夫。」
生きづらいあなたへ贈る、友情と成長の物語。
イラン出身の母と白人の父をもつ、ペルシア系アメリカ人のダリウス。
家でも学校でも疎外感を覚える彼は、母の故郷ヤズドを家族で訪れることに。
そこではじめての友達を見つけ……。
民族、人種、性的指向、うつ病、多重のアイデンティティに悩む16歳の青春物語。
◎ウィリアム・C・モリス賞受賞
◎ボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門オナー受賞
◎Asian/Pacific American Awards for Literature ヤングアダルト文学部門受賞
◎Lambda Literary Awards 児童・ヤングアダルト部門最終候補作
[アメリカの様々な年間ベストブックスに選出されました!]
タイムズ/ウォール・ストリート・ジャーナル/バズ・フィード/パブリッシャーズ・ウィークリー/カーカス・レビュー/ニューヨーク公共図書館/ブック・エキスポ・アメリカ ほか多数
【著者略歴】
アディーブ・コラーム Adib Khorram
作家、グラフィックデザイナー、お茶愛好家。アメリカ合衆国のミズーリ州カンザスシティで育つ。南イリノイ大学でデザインと舞台技術を学ぶ。
その後イベント会社に勤務するかたわら、2018年に『ダリウスは今日も生きづらい』でデビュー。本書はウィリアム・C・モリス賞や、ボストングローブ・ホーンブック賞オナーなど様々な賞を受賞した。
執筆以外の時間は、ルッツ・ジャンプの練習をしたり、ヨガで逆立ちをしたり、ウーロン茶を淹れたりしている。
【訳者略歴】
三辺律子(さんべ・りつこ)
東京都生まれ。英米文学翻訳家。白百合女子大学大学院文学研究科児童文学専攻修士課程修了。訳書にジャンディ・ネルソン『君に太陽を』(集英社文庫)、デイヴィッド・レヴィサン『エヴリデイ』(小峰書店)、ジョーン・エイキン『月のケーキ』(東京創元社)など多数。
【原書タイトル】
DARIUS THE GREAT IS NOT OKAY
みんなの感想まとめ
テーマは、異文化体験を通じて自己を見つける成長の物語であり、主人公ダリウスの心の葛藤や友情が描かれています。イラン出身の母とアメリカ人の父を持つ彼は、日常生活での生きづらさやうつ病に悩みながらも、初め...
感想・レビュー・書評
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高校2年のダリウスは、ポートランドにアメリカ人の父とイラン人の母と8歳の妹と暮らしていたが、ペルシア系という民族事情のために、学校ではいじめられることはあっても友だちはいなかった。7歳の時から始めたサッカーも、うつ病と薬のために12歳でやめてしまった。
父親は建築家で、金髪碧眼の白人。ダリウスが、中学3年生のころには最適の抗うつ薬を探すためにたいへんな落ち込みを経験しなくてはならなかったし、今も薬のせいで肥満なのに対し、父親は、若いころからうつ病を患ってはいたものの、薬で完ぺきにコントロールできていた高機能超人なのだった。
妹のラレーは、ペルシア系の顔立ちながら学校でも人気者で、ペルシア語も話せるから母親や母親の社交にも参加できていて、ダリウスはそこにも劣等感を感じていた。
イランにいる母方の祖父が余命短いことを知ったとき、ダリウスたち家族は、ビデオ会議でしか会ったことのない祖父母と親戚たちに会うために休暇をとってイランに向かう。そこには、優しく温かいマモー(祖母)と、厳しくて温かいバブー(祖父)、親戚たちと、ソフラーブがいた。
自分の中途半端なアイデンティティに悩んでいた少年が、そのルーツの一端を知り、自身を取り戻していく姿をユーモアを交えて描いた物語。
******* ここからはネタバレ *******
とても安心して読める物語です。
ダリウスには、うつ病を患いながらも立派なお父さん、ペルシア系の顔立ちなのに人気者で、ペルシア語さえ操れるかわいくて立派な妹がいて、いつも父親は自分に失望していると思っています。
そしてそれは、イランに行ってからも、バブー(祖父)が、薬を服用する自分、太っている自分、ペルシア語を喋れない自分を良くないと思っているのではないかという疑念にもつながっていくのです。
でもそんな中、親友になったソフラーブが、「今までダーリーウーシュの場所は空っぽだった」と話してくれ、彼に自分の居場所を気づかせてくれます。
そんなソフラーブ自身は、バハーイー教徒のため父親が無実の罪で投獄されていて、会うことさえできない日々を送っています。ダリウスは、不満はありながらも父親のいる自分の境遇について再考する機会を持つのです。
祖父母とともに「沈黙の塔」や「ペルセポリス」、「ダウラタバード庭園」など、ペルシアの文化遺産やノウルーズ、チャハールシャンべなどのお祝い行事に触れるにつれ、ダリウスは、自分のもう一つのルーツを構成する文化とその価値に気づいていきます。
ソフラーブのお父さんが獄中死をしたり、やっと理解し合えたバブーともお別れが近づいている等悲しい要素はありますが、近しい人たちの愛を感じさせる優しいお話です。
この時期の父子にありがちな確執が、いろいろな例えで表現されています。
たとえば、イランでは一般的な名前「ソフラーブ」の出てくる伝説の物語でも、ソフラーブは父親に誤って殺される。だから、ペルシア人の息子はみんな父親の機嫌を取ろうとするし、父親っていうものは、みんな密かに息子を殺したいと思っているものなのか?と思って納得したりとか(笑)。
普段は立派な父親が、バブーの前では立派なペルシア人になるわけにはいかず苦戦している姿を、アメリカの日常の父と自分の姿と重ねています。
お父さんもうつ病なのに薬の副作用の肥満で苦労していないのは、薬の種類が違うか、もしくは体質が違うからなのかも知れませんね。
それでも、お父さんも密かにうつ病で苦しんでいたこともあって、そのためにダリウスのことが余計に心配で目が離せなかったと後に告白しています。
これは本当、当事者でないとわからない苦しさなんでしょう。うつ病は遺伝的要因がある疾患らしいですが、生活習慣や考え方も影響するし、そもそも負の要素を一切遺伝させないなんて不可能なんですから、思い悩むことなんてないって思いますけど、そこを悩むところが、お父さんなんでしょうね。
バブーとの確執もあります。ダリウスは、ペルシア語が喋れず、うつ病の薬を飲み、アメリカで売っている紅茶をおみやげに買ってくる孫は気に入られていないと感じます。そのくせ、ペルセポリスを築いたダーリーウーシュ王(ダレイオス1世)と同じ名前を「いい名前」という。
でも、自分の家族がどんどん地元を離れていき、宗教的な行事なんかもできなくなって、バブーも自分のアイデンティティの危機を感じていたことを知って、ダリウスはバブーを理解したと思うのです。
ソフラーブは2度もダリウスを傷つけますが、2度ともきちんと謝っています。なんで、あんないい子があんなひどいこと言うの?って思うけれども、まあ、ダリウスのドラマのためだったんでしょう。
それにしても、お父さんが獄中死をするというショッキングなできごとで悲嘆に暮れているとき、事情を知れずに訪ねてきたダリウスをただソフラーブ母子に会わせたおじのアシュカンさんが一番悪いと思います。ちゃんと訳を話して、帰ってもらったほうがお互いのために良かったでしょうに。
まあ、きっとこれも、ダリウスの物語のためだったんですよね。
イランの文化に触れて驚いたこともありました。
インドにはあると知っていた鳥葬で有名なゾロアスター教、イランにもあったんですね。そして今は、鳥葬は禁止されているんですね。
それから、検閲のために見ることができないウエブサイトがあるとか、お酒を売っていないとか。
お父さんが万国の門を熱心にスケッチしていたら、ドローン攻撃を計画していると思われるとか(そういえば妹尾河童さんは、韓国で市場のスケッチに熱中していたら、スパイと疑われたことがあるそうですね)。
イスラム教の国だから、時間になるとアザーンが流れるんですね。これを夕暮れ時に聞いたら、とってもドキドキしそうです。
帰国してからのダリウスがとってもうまく行っているのにはできすぎ感も持ちますが、まあ、今までたいへんだったからいいんじゃないかと思います。
わからなかったところもありました。
38ページの「オーブンのすぐ後ろの細長い隙間に収納されるようになっている」ドアは、いろいろ想像してみたのですが、戸袋のある引き戸のことでしょうか?
93ページの「おばあちゃんとオマ、つまり父さんの二人の母さん」とありますが、お父さんにどうして二人お母さんがいるのか読み取れませんでした。しかもこの二人は、一緒にダリウスの誕生日を祝ったりしているんです???
この疑問にはきっと続編「Darius the Great Deserves Better」が答えてくれると思っています。
いい本なんですけど、本文405頁と長いです。しかも、けっこう開けっぴろげに性的表現が出てくるので、読めても小学生女子にはオススメしません。
しっかりした中学生以上か高校生以上がいいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルからどんな話だろうと興味を持った。
高校二年生のダリウスは、米国人の父とイラン人の母、可愛い妹とポートランドに住んでいるが、日常生活に生きづらさを感じている。
脳腫瘍の祖父を見舞うためイランのヤズドを初めて訪れる。
最初は読みづらかったが、テヘラン空港に着いたあたりから俄然面白くなり、税関官その2とのやりとりでは思わず笑ってしまった。
行ったことのないイランに旅した心地がする。
ヤズドの街を歩き、遺跡や建造物を眺めアザーンを聞く。祝いの行事で出されたお茶とお菓子の甘い香り、マモーが作った美味しいペルシア料理と優しいハグの温もりが、ダリウスの頑なな心を解きほぐしたのだと思う。
ヤズドで自分の名前の由来を知り、ソフラーブという親友もできた。やっと"居場所"を見つけたダリウスだが、親友からの思いがけない拒絶にあい落ち込んでしまう。息子の悲しみを受け止める父との和解のシーンが良かった。
父さんはおれの背中をさすった。「大丈夫じゃなくて、大丈夫だ」
著者の体験からこの物語が生まれたそうだが、うつ病が遺伝することを初めて知った。映画『スター・トレック』を観ていたらもっと楽しめたかな〜!
うつ病の他にも宗教、いじめ、人種と異文化など考えさせられる問題が沢山ある。アメリカに戻ったダリウスのこれからが明るい方へ向かう終わり方でほっとした。
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イラン人の母とアメリカ人の父を持つ高2のダリウスは顔つきの所為でちょっかいを出されたりするけどイランに行ったこともないしペルシャ語も喋れない。しかも遺伝で酷い鬱を持っている。しかしイランの祖父の体調不良で初めてのイラン旅に家族全員で向かうことになる。この旅が彼のアイデンティティを擽り、また無二の友達ができたり、かと思ったら酷い失意を味わったりとさまざまな体験をするのだが、読者はダリウスに共感したり共に失望したりしながらイラン旅を通して変わる彼に拍手したくなります♪
たしかに生き辛いし息苦しい道のようですけど初めてのイラン旅が確実に少しだけダリウスを成長させ変えてくれました。
作者も酷い鬱の体験者だったらしく、ダリウスと父親の鬱がとても上手く描かれていますね。良書です。 -
とてもよかった。異文化体験が大きな核になっている、ユニークな物語。
読んでいるあいだはずっと、鬱で薬物治療を受けているのに、母の故郷で家族と一緒だとはいえ、いきなり見ず知らずの土地にほうりこまれるのはきびしいなと思っていた。また、同じ病気を経験しているはずの父が、折に触れてずいぶん無神経なんじゃないか、とも。
でもそれもダリウス(ダーリーウーシュ)の視点から描かれているからで、そのことが最後にちゃんと解きあかされるのがよかった。
自分の考え方を変えてもっと前向きに、とか、周りを気にしないように、という具合に、セルフヘルプ的な解決法へ導くのじゃなく、そのまま受けとめてくれる人たちとの出会いを描いているのがいい。別れる前のソフラーブの爆発によって、受けとめる人たちのつらさにまでダリウスが思いをいたすのもいい。(でもそういう感受性の繊細さがあるからこそ、またつらくなってしまうんだろうな)
こんなこと書いてるけど、わたし自身、息子たちに対してポジティブ思考系のあやまちはさんざん犯してきたので、いろいろ身につまされるものがあった。
イランの料理やお菓子、ほとんどわからなかったけどすごく食べてみたい。あとタアーロフはほんと笑った。
「世界ふれあい街歩き」でシルクロードの西端あたりのシリーズをいくつかみたら、どこでもかならず「お茶を飲んでいきなよ」とか「お客をもてなすのがこの街の伝統だから」という人たちが出てきたのだけど、そうすすめられたらいったん「いえいえ、お忙しいでしょう」ってタアーロフするべきなのかな? なんかいろいろ面白かった。 -
イラン人の母と白人の父を持つ16歳の少年ダリウスは、いじめを受けているうえに鬱病も抱え、とにかく生きづらい。
祖父の病気を見舞うため、数か月イランに行くことになり、そこで親友ができたことをきっかけに人生の感じ方が少しずつ変わっていく。
ダリウスの心情が丁寧に綴られている。美しいイランに行ってみたくなった。
ウィリアム・モリス賞等受賞作。 -
『ダリウスは今日も生きづらい』アディーブ・コラーム、三辺律子訳、集英社
年末から少しずつ読んでたのをようやく読了した。表紙が好みすぎる…。カバー内側のお茶の葉の模様もとても素敵。
ミュージカルのDear Evan Hansen好きな人に読んでみてほしい~。
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スター・トレックも指輪物語も未履修なのでネタが分からないのがかなり残念だったけど、お茶は私も好きだし、ペルシア料理もとても美味しそうだなと思いながら読んでた。食べ物や風景の素敵な描写とダリウスの心の内面を両方味わえる読者にとっては、その対比がこの作品の雰囲気を作っているような感覚だった。
気分の浮き沈みとかルークに加われない疎外感とか、なんだかすごくわかるなって思ったし、私からしたらダリウスは妹や家族を大切に思っていて、将来の目標もあって、サッカーも上手で、自分より全然凄いなって思っちゃうんだけど、そういう意味でもはっとさせられる箇所がたくさんあったな。本当、現在自己肯定感暴落月間なので。
この作品とは関係ないんだけど、個人的に、完璧主義だけど完璧でない部分が多すぎて、数少ないそこそこの面で完璧でないとめちゃくちゃ落ち込むっていうループがどんどん深みにはまっているのを自覚していて、どうしたらよいのかわからないのね。それってもしかしたら大人びた振る舞いを求められる女の子にありがちなことなのかもなってふと思ったりもしたので、そういう主人公の物語があったら見てみたい。
ソフラーブいい子すぎるやろ、なんで友達いないの!?って感じだけど、宗教による差別とかお父さんのこととかあるんだろうな。あの部分はあまり安易に受け止めて"消費"するみたいになっても嫌だから、正直まだどう考えていいのかわからないけれど。
ダリウスに共感しすぎたのか今日尋常じゃなく気分沈んでたから、登場人物に感情移入しやすい人は引きずられる可能性もあるのかもしれない。結末はちょっぴりの明るさと希望をもらえる感じだったはずだけど。続編で何が描かれているのか気になる。
Darius the Great is Not Okayをダリウスは今日も生きづらいっていうタイトルにしたの、とても良いな〜ってつくづく思っちゃう。 -
米国人の父とイラン人の母を持つ、米国の高校生ダリウス。生まれも育ちもポートランドでイランに行ったことはないのに、学校ではイランの出自をからかわれ、「自分の国」のことを知った方がいい等々言われる。かといってペルシャ語も出来ず、イランの祖父母とスカイプで話すのはなんだか気まずい。父親には全てに失望されているように感じ、鬱の症状は薬でコントロールしている…
文体は軽い感じで、そこまで深刻には感じられないのだが、ちょっとした一言に傷つき、過去の「ちょっとした掛け違い」の集積に段々押し潰されそうになっているダリウスの気持ちが痛いほど伝わってきて、鬱とはこんなに苦しいものなのかと感じる。幼い妹を愛し、祖父母のこともよく知りたいと思う心優しいダリウスは、父にもいじめっ子にも激しく言い返すわけでもなく、かろうじて「ええっと」と言った後黙ってしまう。
そんなダリウスが初めて訪れたイランで親友と出会い、実物の祖父母や沢山の親戚に囲まれて過ごすことで、父親とのわだかまりをとき,自分という存在との折り合いを見つけていく。「今まで空っぽだったダーリーウーシュの場所が埋まった」という親友ソフラーブの優しい言葉に癒される。
スタートレックや指輪物語からの引用(と、それに関する小文字の註釈)が少し読みにくく、さらにペルシャ語が大量に出ているので物語に入りにくいと感じたのは最初の数分のみ。途中からはイランの家族や親友ソフラーブの温かさ、実物はよくわからないけど美味しそうなペルシャ料理の数々に魅了され、一つ一つの会話に涙無くして読み進められない。
ところで筆者のコメントに「鬱が人生に与える影響を伝えたかった」とある。全体的に、薬でコントロールされた状態のダリウスの視点で語られるので、そこまで激しい落ち込みはないのだが、病気を知らない人から「なぜ落ち込むの?」と聞かれるたびに答えられない辛さ、同じ鬱病を持つ父親なりの、息子に遺伝させてしまった後悔や自傷行為を恐れる気持ちが伝わってきて、本当に簡単に一言で片付けられないものなんだなあと理解。イランと鬱とアメリカ高校生活と。色々新しい出会いのある素敵な小説だった! -
愛を表現するって、照れくさいけど大事なことだと思った。イランのおいしそうな料理、美しい建築はペルシア語をググって、実際の写真を見ながら読んだ。ペルシア語は今まで1単語も知らなかったけど、この物語のおかげでイランの歴史と文化に興味が湧いた。家族のとらえ方も、日本とはずいぶん違うんだな。ダリウスの家族は、一族としての結びつきが強い。
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鬱で投薬治療をしており、いきづらさを感じるダリウス。アメリカで育ったダリウスが自身のルーツであるイランへはじめて行き、文化の違いなどにぶつかり、やはりいきづらさを感じながらも大切な友人を得る。
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面白かった。ダリウスの閉塞感は共感できる人は多いのでは。
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スタートレックを知らないので、ていうのもあってかどうか、全体の雰囲気もよく飲み込めず読み進められず…図書館の返却期限が来てタイムアウト…。わたしの読む力弱すぎ
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だいぶ前に読んだので、感想らしい感想になるかどうか。
ダリウスはアメリカに住んでいる。お母さんはイラン人、お父さんはアメリカ人。お父さんはうつ病だ。
最初はマイノリティの「いじめられている子」の話?と思って、気が重くなりながら、読み始めたのだけれど、読み進めていくうちに、お父さんのこと、お母さんの故郷のイランで出会った少年のことなど、胸をギュッとつかまれることばかり。
ダリウスはゾロアスター教、ダリウスがイランで友達になる少年はバハイ教(迫害されている)だ。
アメリカでダリウスをいじめるサッカー仲間の少年たちはダリウスをイスラム教(=テロリスト)と一面的な見方でしか見ていない。なんてことだ!
ダリウスはイランに行ったことで、人間的にめちゃめちゃ成長している。続きがでているようだ。翻訳が出たら、絶対に読みたい。 -
とても面白かった。間違いなく2022年読んで良かった本の上位!
登場人物の名前や、行事や料理名が最初は全然頭に入らなかったけれど、もう途中からは色とりどりのイランに行ってみたくてたまらなくなっていた。彼の今後に希望を見出せる終わり方もとても好き。続編も絶対に読みたい。
ダリウスの抱える閉塞感、祖父の悲しみ、母の後悔、父の恐れ、親友の喪失体験…
どれも愛だと感じた。
特に、ダリウスのお母さんの強さに心打たれた。異国の地で、うつを患う夫と息子を支えながら、どれほどの苦労があったのだろう。19年も祖国イランに帰らずに。私は、日本とそれほど離れていないアジア圏で、日本人の夫と子どもたちと暮らし、子どもたちは現地の日本人学校に通っている。見た目もそれほど変わらないから、明らかな差別を受けることもないし、文化的にも親しみやすい環境。それでも、別の国で暮らし、子どもを育てるのは大変だと思った。これからアメリカに移り住む予定だけれど、これから経験するであろう変化に、今から震えている。
子ども達には、時に祖父母の無条件でありあまるような愛情が必要だとも思った。両親だけだと、息が詰まる。お互いに。
うつを患う苦しさにも共感できたし、ソフラーブの「ダーリーウーシュには何も悪いことなんて起こってない。なのに文句ばっかり。人生で悲しいことなんて何もないじゃないか」と言う言葉が胸に突き刺さった。だって、自分でもそう思うのに、気分をコントロールできないことにこそ、自罰感情が芽生えるから。恵まれているとわかっている。なのにつらい。もっとつらい人がいるとわかっているのに、このつらさは和らがない。そんな自分がますます嫌になるから。
ダリウスの淹れるお茶を飲んでみたい。FTGFOP1。 -
イランが舞台の話だか、出てくるのはゾロアスター教徒とバハーイー教徒。アザーンが響き渡る中で、街を眺める光景が、行ったことないけど目に浮かぶ。世界観に没入できた。
ダリウスとお父さんとの関係。初めてできた親友ソフラーブとのやり取り。そして脳腫瘍を患い、死期の近い祖父との距離感。それらが全部、印象的だ。ソフラーブがとにかくいい奴なだけに、過酷な経験を強いられて、最後の方はかなり泣いてしまった。後半のお父さんの告白も。
続編があるようなので、ソフラーブのその後が知りたいところ。 -
鬱病との付き合い方、周りの人間との向き合い方。
ソフラーブがいいヤツすぎて、こんな人間いるか?と思ってしまうが、主人公と彼の友情も爽やかで良かった。 -
鬱を抱えて生きる少年、父親も鬱を患っている。
母親の古里イランへ、脳腫瘍の祖父を見舞い、友人ができて、少し微妙に変化していく。
でも、スタートレックとか、若者文化に少し
触れていないと、難解に感じる。 -
父を愛しているからこその、小さな悲しみがあちこちに
イランの人自ら指導者のターバンで揶揄したりするんだ!の驚き
少数派の宗派
高校生の、年齢相当の語り口調がとてもリアルでグッと引き込まれました。
